TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
夜の猫、猫花に酔う

一覧ページ

「夜の猫、猫花に酔う」のメインビジュアル

夜の猫、猫花に酔う

2 - 夜の猫、猫花に酔う(中編)

♥

17

2021年04月19日

シェアするシェアする
報告する

それから2人は夜の間、共に過ごした。

ずっと1人だった少女にとって、この時間はとても楽しいものであった。

そんなある日…

少女

それでね…

少年

…っ!

少年

静かに!

少年は少女の口を塞いだ。

少女

少年の視線の先には、口から血を垂らした「何か」がいた。

口では上手く言い表せないが、禍々しい雰囲気を漂わせていた。

少年

あいつは人喰い妖怪の一種だ。

少年

人間の匂いを嗅ぎつけて来たんだろう。

少女

えっ…

少女

怖い…

少年

大丈夫。僕がいる。

少年

君は少し下がってて。

少女

うん…。

人喰い妖怪

ウー…

人喰い妖怪

ニン、ゲン…

人喰い妖怪

ウマ、ソウ

少年

残念ながらこの子は食べられないよ。

少年

…いや、食べさせない。

人喰い妖怪

ジャマ、スルナァ!!

少年は人喰いの攻撃を軽くかわし、青い炎を相手に当てた。

人喰い妖怪

グワアアア!

人喰い妖怪

ネコマタノ、ブンザイデ…!

少年

隙あり!

少年は人喰いの首を引っ掻いた。

人喰い妖怪

ウワアア!

少年

オラァ!!

少年は人喰いの体を連続で引っ掻いた。

人喰い妖怪

グオオオオオ!!

人喰いは叫び声をあげた後、その場に倒れた。

すると、人喰いの体が粉になり、風で飛ばされていった。

少年

やったか…

少年

君!怪我はない?

少女

うん。大丈夫。

少女

すごいね。あんなに早く倒しちゃうなんて…

少年

僕があんな雑魚相手に手間取るわけないじゃないか。

少年

…夜はあんな感じでたまに妖怪が出てくる。

少年

でも大丈夫!

少年

僕が今みたいに君を守ってあげる!

少年はそう言って少女の手を握った。

少女

…ありがとう。

少女は優しく微笑み、手を握り返した。

猫又の話。

彼もまた1人だった。

男の子1

うわー!黒猫だぁ!

男の子2

黒猫が前を通ると良くないことが起こるんだってよ!

男の子3

早く追い払え!!

昼間は黒猫の姿をしている彼は、近くを通る人々から石を投げられた。

少年

(痛い…)

彼は約100年の間、こんな暮らしを続けていた。

なので彼は、「楽しさ」を知らなかった。

ある日、彼は村人に自分が猫又であるという事がバレた。

村人1

妖怪が現れた!

村人2

このままでは村の者が危ない!

村人3

退治しろー!!

石やらたいまつやら、色んなものを投げられて体はボロボロだった。

そんな中、死に物狂いで逃げ込んだ先はあの森だった。

森に入り、最初に見つけたのは猫花畑だった。

彼はそこで傷を癒した。

しばらく歩くと、切り株に座る少女を見つけた。

少年には幼い頃からの夢があった。

それは、「仲良くなった人間に猫花を見せる」というものだった。

幼い頃に見た猫花の美しさに感動して、そんな夢をもった。

あの少女はその夢を叶える最後の望みだと直感的に思い、少女に近づいた。

少女

猫ちゃん!

猫又はその時、初めて人の温もりを感じた。

今まで自分を抱き上げてくれる人間はいなかった。

夜に、彼は少女に本当の姿を見せた。

だが、少女は怖がらなかった。

彼は少女と過ごす内に、「楽しい」という感情を得ていった。

彼はいつしか思うようになった。

「なにがあってもこの子を守る」と。

loading

この作品はいかがでしたか?

17

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚