テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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アイドライズ

第9話 - 第9話吸血鬼のパーティー

1,604

2024年06月06日

#類愛され

#司類

#冬類

#彰類

#瑞類

#旭類

あかまる🍓🐾໊

ルイ

(ここがパーティー会場か…)

ツカサ

緊張するか？

ルイ

えっ？えぇ、まぁ少し…

ツカサ

そうか。まぁ…俺はお前から離れる気はないが、どうしても一緒にいてやれない時があるかもしれん。

ツカサ

その時は、そのベルを鳴らせよ。

ルイ

あ、これ…

ツカサ

全く…お前はまだ1度も俺を呼んでくれてないからな。

ルイ

ふふっ、呼ぶ必要が無いほど貴方が傍にいて下さるからですよ。

ツカサ

ふん…まぁ当然だが。

ツカサ

あぁ、あとルイ。

ルイ

はい？

ツカサ

その服、似合ってるな。

ルイ

おや…フフ、ありがとうございます。

ツカサ

さ、そろそろ中に入るぞ。俺から離れるなよ。

ルイ

はい。

パーティー会場

ルイ

(ひっろ……)

ルイ

(御屋敷の広間も広かったけど、ここはそれよりも大きい…)

ツカサ

この屋敷は吸血鬼の中でも高い権力を持つ吸血鬼の館だからな。

ルイ

えっ、ツカサさんよりも？

ツカサ

まぁな。不本意だが。

ルイ

(すごい人の屋敷なんだな…それならこの広さも納得。)

ルイ

(あっ、そういえば吸血鬼って心読めるんだっけ…？)

ツカサ

安心しろ。この場でお前の心を読めるのは俺だけだから。

ルイ

え？

ルイ

てことは、吸血鬼で心読めるのってツカサさんだけなんですか？

ツカサ

いや、上流階級の吸血鬼は基本読める。

ツカサ

だが、今宵はお前に結界を張っておいた。他の吸血鬼じゃ、お前の心を読むことは出来ないさ。

ルイ

(良かった。それなら人間ってバレる心配もないかも。)

ルイ

ありがとうございます。

ツカサ

ま、そこまで気を張る必要もない。適当に挨拶して適当に帰るぞ。

ルイ

フフ、分かりました。

ルイ

(ツカサさん社交とか苦手そうだもんな)

ツカサ

お前、わざと俺に聞こえるように言ってるのか？

ルイ

ふふっ、いえいえ！とんでもない。

ツカサ

全く…ま、いいんだが。

あらぁ、珍しいわね！貴方がこの場にいるなんて。

ルイ

！

ツカサ

おお、シズクか。

あら、こちらの方は？

ツカサ

俺の連れだ。

ルイ

初めまして。ルイと申します。

シズク

初めまして、ルイさん！私、シズクと申します。

シズク

ふふっ、とっても綺麗お辞儀ね。この方も貴族なの？

ツカサ

ああ、そうだ。

シズク

ふふっ、仲良くしてくれると嬉しいわ。

ツカサ

シズクは今日1人か？珍しいな。

シズク

ええ。本当はしぃちゃんも連れてきたかったんだけど…

シズク

『パーティーよりも鍛錬したい』って、振られちゃって…

ツカサ

貴殿も相変わらずだな。

ルイ

(ツカサさん知り合い居たんだ…)

シズク

ねぇねぇ、ルイさん。ツカサくんとはどういう関係なのかしら？

ルイ

えっ？

シズク

ふふっ、ツカサくんがご兄弟以外で一緒にいるのがとっても珍しいから、気になっちゃってね。

ルイ

どういう関係って…えっと、そうですね…

ルイ

少なくとも、恋仲ではないです。

ツカサ

←ｸﾞｻｯ

シズク

あらぁ…ふふっ、そうなのね。

ルイ

何で貴方はダメージ受けてるんですか…

ツカサ

そんなハッキリ言われると傷付くだろう。

シズク

…ツカサくん、変わったわね。

ツカサ

ん？そうか？

シズク

ええ。ふふっ…会えて良かったわ！パーティー楽しみましょうね。

ツカサ

ああ。

ツカサ

シズクはかれこれ、500年の付き合いでな。

ルイ

は？500…？

ツカサ

吸血鬼だと、このくらいは普通だぞ。

ルイ

は、はぁ…そうなんですか…

ルイ

それにしても、貴方に知り合いがいるというのが驚きです。

ツカサ

本当に失礼な奴だ。俺にそんな事が言えるのはお前くらいだぞ。

貴族

ツカサ様！お久しぶりです！

ツカサ

ん？あぁ…お久しぶりです。

貴族

いやぁ、貴方がいらっしゃるとは珍しいですな！

ツカサ

まぁ、来いと念を押されましたので。

貴族

ハッハッハ！相変わらず仲がいいですなぁ！

ルイ

…

ルイ

(僕ちょっとお邪魔かも…)

ルイ

(あ、あの料理美味しそ〜…)

ルイ

(……見てたらお腹空いてきたな、)

ツカサ

…ルイ、俺はしばらく挨拶に周ってくる。

ツカサ

その間、好きにしてるといい。ただ、会場の外には出ないこと。何かあったらすぐ俺を呼ぶこと…いいな？

ルイ

！

ルイ

はい！分かりました！

ルイ

(ご飯食べよ〜♪)

ルイ

ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ルイ

(これも美味しい〜！魔界の料理も結構美味しいだよなぁ〜)

ルイ

(血かと思えばただのワインだし、人肉かと思えば魔物の肉だし。)

ルイ

(これなら安心して食べられるや)

ルイ

(あっ、あれも美味しそう！)

あの、良ければこちらも如何ですか？

ルイ

え？

あっ、ふふ。すみません。いい食べっぷりだったので、つい。

ルイ

(え、見られてた？！)

ルイ

え、あ、えっと…！

俺も食べるの大好きなんですよ〜！だから、いっぱい食べる人見てると、ついつい声掛けたくなっちゃって。

アサヒ

申し遅れました。アサヒと申します。

ルイ

あ、えっと、ルイです。

アサヒ

ルイさんですね！以後宜しくお願いします。

ルイ

えぇ、こちらこそ…

ルイ

(まさか話しかけられるとは…)

アサヒ

…ははっ、こういう場ってなんだか慣れてないから、緊張しますよね〜

ルイ

そうですね。

ルイ

そこまで緊張しなくてもいいってわかってるんですけど…

アサヒ

ですよね〜！特に、こういう上流貴族がたくさん集まると威圧感凄くて！

アサヒ

話せる人もあんまりいなかったから、ルイさんと話せて良かったです。

ルイ

ふふ、そうですか？

ルイ

(なんか話しやすい感じの人だな…)

アサヒ

ルイさんは普段何されるんですか？

ルイ

普段…そうですね。読書や散歩ですかね？

アサヒ

読書されるんですか？！

ルイ

(あ、吸血鬼や悪魔って読書しないんだっけ…？？)

アサヒ

俺も読書好きなんですよ！いやぁ、好きな吸血鬼が中々周りにいなくて、語りたくても語れないんですよねぇ…

ルイ

え、アサヒさん読書されるんですか？！

アサヒ

はい！普段は歴史小説や推理小説をよく読みます。

ルイ

僕も推理小説やミステリー小説好きなんです！

ルイ

でも、やっぱり中々良さが分かってくれる人っていないんですよねぇ

アサヒ

やっぱりそうですよね〜

アサヒ

俺も、読書が好きってだけでみんなから変人扱いされるんです。ただ、好きなことしてるだけなのに。

ルイ

あっ…すごい、分かります。

ルイ

僕も周りから変人扱いされて…それで…

ルイ

(城では嫌われて、空気みたいな存在だったな…)

アサヒ

……

アサヒ

そうだ！ルイさん、ちょっと着いてきてもらってもいいですか？

ルイ

え？

ルイ

わぁ…！！

ルイ

すごい、月がこんなに近い…

アサヒ

ここの屋根からの景色、好きなんです。

アサヒ

ふふっ、星もよく見えるし、結構穴場なんですよ。

ルイ

すごい…綺麗ですね。

ルイ

(…あ、ツカサさんに駄目って言われたのに外に出てきちゃった、)

アサヒ

…良かった。ちょっとは元気になりましたね。

ルイ

え？

アサヒ

さっきのルイさんの顔が、すごく悲しそうだったので…

ルイ

え？！そ、そんな顔してました…？

アサヒ

はい。気分が落ち込む時は、気分転換も大事ですよ。

ルイ

(だからここまで連れて来てくれた…？)

ルイ

…ふふ、アサヒさんは優しいですね。

アサヒ

えっ？そんな事無いですよ！

ルイ

…ありがとうございます。

アサヒ

！

アサヒ

あははっ！このくらいでお礼言われるとは思わなかったな〜

ルイ

(吸血鬼のパーティーって聞いたから、ちょっと身構えてたけど、優しい人がいて良かったな。)

ルイ

(あ、けど流石にそろそろ会場に戻った方がいいかも…)

アサヒ

…そういえば、ずっと思ってたんですが、ルイさんは変わった香水をされてますね。

ルイ

………え？

ドクン

アサヒ

まるで何かを隠そうとする嘘の匂い…

ドクン

アサヒ

会場に入った時から、ずっと変わった匂いがするなと思っていたんです。

ドクン

アサヒ

吸血鬼でも、悪魔でも、魔物でもない…

ドクン

アサヒ

まるで、人間の匂いだ。

ルイ

！！？

全身から血の気が引いて、汗が流れるのが分かった。

ルイ

(バレてる？いや、この言い方は確実にバレてる)

ルイ

……

ルイ

ふふっ、面白いことを言うんですね。

アサヒ

おや、そうですか？

アサヒ

そうだ。言い忘れてましたが、俺は吸血鬼の中でも美食家でして…魔界の物で、食べたこと無いものはないんです。

アサヒ

だから、今は食べた事のないものを探しています。

アサヒ

例えば、人間とか…ね。

そう言ってサラッと髪を撫でられた

ルイ

ﾋﾞｸｯ

ルイ

(食べられる……っ！！！！)

ルイ

(そうだ、ベル…ベル、鳴らさなきゃ、)

そう思っても、まるで金縛りかのように体が動かない。

「怖い」

恐怖が体を支配した。

ルイ

(ツカサさん……っ！)

パチンッ

指を鳴らす音が聞こえた。

ルイ

…？

ツカサ

全く…会場の外に出るなと言ったろう。

ルイ

ツカサさん…っ！！！

ツカサ

フッ、どうだ。惚れ直したか？

ギュッ

ツカサ

？！？！

ルイ

…来てくれて、ありがとうございます、

ツカサ

なｯ…←抱きつかれると思ってなかった

ツカサ

え、あ、えっと、

ツカサ

(こういう時どうすればいいのか分からん…！！)

アサヒ

そのまま抱き締めてあげれば？

ツカサ

なｯ！！

アサヒ

相変わらずツカサくんは恋愛下手だね。いや、恋愛経験がゼロだからかな？

ツカサ

う、うるさい！！余計なお世話だ！！

ルイ

(あれ、知り合い…？)

ツカサ

…お前は全く、ルイを怖がらせおって…

アサヒ

あははっ、それについては申し訳ないと思ってるよ。ちょっとしたジョークのつもりだったんだけど…

そういうや否や、徐に跪き、丁寧にお辞儀をした。

アサヒ

怖がらせてごめんね。まさかそんなに怯えるとは思わなくて…

ルイ

えっ？いや、えっと…

アサヒ

あぁ、詳しい自己紹介はしてなかったね。

アサヒ

俺はアサヒ。この屋敷の主で、このパーティーの主催者だよ。

ルイ

え？！？！

ルイ

(そんな偉い方だったなんて…)

アサヒ

ルイくんに話しかけたのは、単純にお話がしたかったからなんだけど…

アサヒ

ツカサくん、君はこんな所に人間を連れ込んで何をしてるの？

ツカサ

……

『人間を連れ込むのは禁忌』

ルイ

(そういえば、悪いことしてるんだっけ、)

ツカサ

…決まってるだろう。気に入ったから手元に置いているだけだ。

アサヒ

へぇ？魔界の決まりを破ってまで？

ツカサ

ああ、そうだ。

アサヒ

ふ〜ん…そっか。

アサヒ

ねぇ、ルイくん。

ルイ

は、はい！

アサヒ

ここに居て、楽しい？

ルイ

…はい！すごく、楽しいです。

アサヒ

…ふふっ、そっか。

アサヒ

じゃあ、俺が口出しする必要は無いかな。

ツカサ

！

ルイ

！

アサヒ

本人も嫌がってないし、ツカサくんからも嘘の匂いはしなかったからね。

アサヒ

それに、俺も人間は嫌いじゃない。

ツカサ

…お前が変人で助かった。

アサヒ

ふふっ、君も大概変人だと思うよ。

ツカサ

否定はせんな。

ツカサ

それより、探してもおらんと思ったらルイと居たとは…

アサヒ

あはは、妬いた？

ツカサ

…………別に？

ルイ

(今の間は一体…)

アサヒ

2人はもう帰ってもいいよ。ツカサくんも、俺に挨拶したら帰るつもりだったんでしょ？

ツカサ

当たり前だ。元はと言えばお前に呼ばれて来たんだからな。

ルイ

(あっ、アサヒさんに呼ばれてたんだ)

アサヒ

じゃあね、ルイくん。お話出来て楽しかったよ。怖がらせてごめんね。

ルイ

あっ、いえ、こちらこそ…！えっと、楽しかったです。

ツカサ

…早く帰るぞ。

アサヒ

ツカサくん怖〜い。挨拶しただけなのにな〜

ツカサ

うるさい！！ルイ！帰るぞ！

ルイ

は、は〜い。

ルイ

(アサヒさんの前だと余裕なくなるの面白いな…)

ツカサ

だから聞こえとると言ってるだろうが！

ルイ

あっ、ふふ。ごめんなさい♪

ネネ

お帰りなさ…

ルイ

ただいま、ネネさん。

ネネ

えっと…ツカサ様、どうなさいましたか？

ルイ

パーティーの帰りからずっとこうですよ。離れてくれないんです。

ツカサ

お前が俺の言うことを聞かずに勝手に歩き回るからだろうが…

ルイ

それは申し訳ないと思ってますし、反省もしてます。

ネネ

えっと…とりあえず、お二人で入浴されますか？

ツカサ

おお、いいな！

ルイ

え、嫌ですが？？

ツカサ

何故だ？！

ルイ

ネネさん。先に入浴したいので、ツカサさんを部屋に閉じ込めといて下さい。

ネネ

え、え？！

ツカサ

なｯ！！ルイ〜〜！！

洞穴

ルイ

ふ〜〜

ルイ

(この洞穴のお風呂も慣れてきたな…)

ルイ

はぁぁ〜…ちょっと疲れた。休憩…

ルイ

……

ルイ

(人間って、バレたな……)

ルイ

(アサヒさんは僕を本気で食べようとはしてなかったし、本当にただの冗談なんだろうけど…)

ルイ

(みんながアサヒさんみたいな感じとは限らないよね。実際、アサヒさんは変わり者らしいし。)

ルイ

(もし…バレたら、どうなるんだろう…)

『もしそうなったら、俺の命に変えてでもルイだけは守って見せよう。』

ルイ

(ツカサさんはああ言ってたけど…)

ルイ

(やっぱり…良くない事なら、帰った方がいいのかな…)

𝐍𝐞𝐱𝐭

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アサヒさん登場で興奮しすぎて私の周りだけ地震が起きた気がします🙃🙃(( 一緒に入っちゃえよお風呂😏😏

あかまる🍓🐾໊

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