運命【サダメ】の裏表

その時は突然やって来た。 いや、来ることは分かっていた。

これで本当に理解した。 まだ自分自身が深くまで解っていなかった。

「分かった」は自分を甘やかしていただけだと今更知った。

自分の「____」が……

こんなにも「____」を「____」なんて。

運命【サダメ】の裏表

ー開幕ー

2人が問うが、今の所すまない先生は無視だった

今までいくら大切な話でも、ここまで重苦しく話しているのは初めてだ

話し始めの1音目から、いつもの違う事は物語っていた

先程の重苦しい話し方に戻り、先生は傍にあったチョークを手に取ると、何がスラスラと説明し始めた____

生徒は言葉を失ってしまった

無理もない、「侵喰種」……それは想像以上に恐ろしい生き物だった

それがここに来るということは…… その先は恐ろしくて言い出せない

そこに追い打ちをかけるように、すまない先生は『それに…』と付け足した

バナナが言葉を切ると、少し首を傾げる。すぐに直すと、けげんそうな顔をした

ﾁｯﾁｯと、人差し指を左右に振るレッド。その姿には余裕が感じられた

余裕そうなレッドとは対照的に、緊迫した空気を放つすまない先生

いつも「すまない！！」と叫んでドアを吹き飛ばす明るい先生とら思えない程冷たい空気だ

こんな先生は見たことが無い

ブラックが一瞬すまない先生と目を合わせたかと思うと、先生は浅く頷く

そしてﾋﾟｯと、窓の外を指し示す 今は晴れているが、実はほんの少し前まで雨が降っていたのだ

今にも飛びまわりそうな赤ちゃんを銀さんが抑え、改めて着席するとすまない先生が口をまた開いた

急に先生が大きな声を出すもんだから、慌てて耳を塞ぐ面子

すまない先生が高く腕を突き上げると、続いて同じく皆高く突き上げた

これから始まる戦いの切符を、今切った

と、言われたので……

皆思い思いの方向へバラけて行く。 一人の黒いパーカーの青年…ミスターブラックは自分が使っている研究室へ向かう

通り道の広い窓のある廊下。そこをちらりと覗く

そこには

学校の裏庭に、五人の姿が見える。 何をしているか気になったが…

研究室に早く行かねばと、己の心が急かし、そして研究室へと向かうのだった……

もう太陽が沈み、代わりに月が昇る

夜がやって来る

【SP】。そいつが来る事は… 薄々気付きつつ