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冬弥
彰人
冬弥
君はそう言っていた
梅雨時ずぶ濡れのまんま、部屋の前で泣いていた
冬弥
夏が始まったばかりというのに、君は酷く震えていた
彰人
冬弥
そんな話で始まる、あの夏の記憶だ
殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ
彰人
彰人
彰人
もう嫌になって、肩を突き飛ばして、
彰人
打ち所が悪かったんだ。
もうここには居られないと思うし、
彰人
そんな君に僕は言った。
冬弥
「それじゃ僕も連れてって」
冬弥
財布を持って、
冬弥
ナイフを持って、
冬弥
携帯ゲームもカバンに詰めて、
冬弥
いらないものは全部
冬弥
壊していこう。
冬弥
あの写真も、
冬弥
あの日記も、
冬弥
今となっちゃもういらないさ。
冬弥
人殺しと
冬弥
ダメ人間の
冬弥
君と僕の旅だ。
そして僕らは逃げ出した。
冬弥
彰人
この狭い狭いこの世界から。
冬弥
彰人
家族もクラスの奴らも何もかも
冬弥
彰人
冬弥
全部捨てて君と二人で。
冬弥
彰人
冬弥
彰人
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
冬弥
彰人
もうこの世界に価値などないよ。
冬弥
彰人
人殺しなんてそこら中
冬弥
彰人
湧いてくるじゃんか。
冬弥
彰人
君は何も悪くないよ
冬弥
彰人
君は何も悪くないよ
冬弥
彰人