深夜の2時をすぎた頃。 静かな暗闇の中、1人のサラリーマンが息を荒らげ、焦った様子で走っていた。
晴
はぁ、はぁ、はぁ、、
晴
頼む、、寝ててくれ
ようやく家に着いた頃には、 時計の針は2時半を指していた。
1人のサラリーマンは、荒らげた息を整え、一息つき、なるべく音をたてないよう、慎重に、そしてゆっくりとドアを開けた。
陽
...おかえり、はる兄。
晴
...ッ!
ドアを開けた瞬間、絶望した。帰るまでの30分間、あんなに願ったのに、やつは起きていた。
晴
...はは、まだ起きていたのか。
明日学校が無いからって、あんまり夜更かししすぎるなよ。
明日学校が無いからって、あんまり夜更かししすぎるなよ。
陽
はる兄が帰ってくるまで、ずっと此処で待ってたんだよ。
晴
...そうか、ありがとな。
でも、今日みたいに会社の都合でどうしても遅くなっちゃう時があるから、次からは先に寝てていいからな。
でも、今日みたいに会社の都合でどうしても遅くなっちゃう時があるから、次からは先に寝てていいからな。
陽
...ねぇ、俺がはる兄から聞きたい言葉、そんな言い訳じゃないんだけど。
いきなり低くなる声。 その声から、怒っているのが伝わってくる。
陽
今さぁ、何時だと思ってるの?
晴
、ごめん...
陽
何時かって聞いてるんだけど。
晴
...2時半だ
陽
で、門限は何時だっけ?
晴
...11時
陽
そうだよね。良かった、忘れてる訳じゃないみたいで。
陽
...俺はさ、心配なんだよ。
陽
はる兄可愛いから、会社のきもいやつらに変なことされないかって。
陽
だからこうやって門限を決めてるのに、なんで守れないの?
晴
...ごめん
陽
...はぁ。こんな事になるんだったら、会社の飲み会なんて行かせなきゃ良かった。
陽
次からは全部断ってね。
陽
まぁ、ずっと立ち話もあれだし、はる兄も上司の相手疲れてると思うから、風呂から出てきたらまた話そうか。
晴
...分かった。
陽
あ、あと携帯貸して。
晴
、なんで?
陽
変な虫がついてたら嫌だから。
晴
、ついてない。てか、そんなのお前に関係無いし別にいいだろ。
晴
それに、俺の会社の人達なんだから、そういう言い方辞めろ。
陽
...ねぇ、誰が約束破ったの?
晴
元々、高校生の弟に社会人の兄が門限設定されてるのがおかしいんだよ!
晴
今回みたいなこと、これからもたくさんあるだろうから、これからはお互いあんまり干渉しすぎないようにしよう。
陽
もしかして、今日何かあった?
晴
何にもない。これは前々から思ってたことだ。
陽
ふふ 笑
晴
...何がおかしい?
陽
いや、普段優しいはる兄が怒るの、珍しいなって思って。
陽
怒り慣れてない感じがなんだか笑えてきちゃって 笑
晴
...お前な、あんまり兄をバカにしてると痛い目見るぞ。
陽
...はぁ。折角笑って怒り誤魔化してあげたのに、残念。
晴
は?
陽
痛い目見るのは、はる兄の方だよ。
晴
...どういう、
次の瞬間、陽は晴の首を掴み、晴の身体を壁に押し付けた。
晴
ガハッ...!!
晴
なに、すんだよ"、ッ"!!
陽
何そんな生意気になっちゃって。
陽
はる兄は、いつもみたいに大人しく俺の従順な犬になっとけばいいんだよ?
晴
ふざけ...ア"ッ"、!!
陽は首を絞める力を強め、晴に喋らせなかった。
陽
無駄口たたくなよ。
晴
よぉ"、!!ぐる、しぃ"、、
陽
はる兄が悪いんだよ。
晴
はなしッ"、てぇッ"、、!
陽
俺はこのまま2人で笑って過ごしたかったんだけど、はる兄が反抗するなら仕方ないよね。
陽
ふふ 笑 大丈夫、安心して
陽
俺がしっかりはる兄のこと、
躾けてあげるからね?