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ピピピピッ

「奏多〜プログラム状況はどうだー?」

奏多

大丈夫ですよ

奏多

プログラム正常

「了解、じゃあ頼む」

奏多

はい

奏多

機体テスト開始します

操縦レバーをしっかり握って機体収納庫から機体を外に出した

外に出ると凸凹とした土地が広がっていた 大型人型機体をテストする為の我社の土地だ

「フライトジェットを使いながら一周してくれ」

奏多

了解

レバーを引いて背中のフライトジェットの出力を上げて機体を持ち上げる

そしてそのまま空中を飛びながら凸凹とした地面スレスレを避けていく

人類は宇宙へと進出し、今ではこうやって大型の人型機体が宇宙では主流になった

我が社ではこのような宇宙での作業を中心とした機体を製造している

私はこの会社でテストパイロットと機体整備士をしている

「OK!フライトジェット異常無しだ。帰ってきても大丈夫だぞ」

奏多

はい

奏多

すぐ戻ります

空中で機体の向きを変えて収納庫へと機体を戻した

機体を固定してコクピットを開けるといつものメンバーが待っていた

拓也

おつかれ〜

すみれ

おつかれ、奏多

奏多

拓也さん、すみれさん

高校時代からのお友達である2人はタブレットを持ちながら下から私を見あげていた

お2人もこの会社で機体整備士をやっている、この2人は役職も付いているぐらい良い腕をしている

円香

奏多先輩ー!

奏多

ん?

奏多

あれ?!円香さん?!

高校の頃の後輩の彼女を見つけて急いで下に降りた

何故なら、彼女はこの会社の社長秘書なのだ

そして、彼女が居るということは

拓也

お、今回の出張は結構長引いたんだな

円香

そうなんですよ〜

円香

そのせいで先輩がもう…

すみれ

あらあら

コツ、コツ、コツ

聞きなれたヒールの音が聞こえてきてその音の方に目を向ける

奏多

み…澪奈さん!!

澪奈

何も問題は無かった?

カッチリとパンツスーツに身を包んで真っ白な絹のような髪をなびかせてコンテナに入ってくる彼女

拓也

おう、今フライトジェットテストが終わった所だぜ

すみれ

出力問題無し、もう流通させても大丈夫だよ

澪奈

そ、分かったわ

久しぶりに会えた嬉しさでどうしたらいいか分からずアワアワしていると彼女がこちらを見た

澪奈

奏多、社長室行くわよ

奏多

!は…はい!

すみれ

あらあら

拓也

ごゆっくり〜

円香

3時間後に呼びに行きますね〜

奏多

行ってきます…!

手袋を外して彼女の後をついていった

ウィーン

社長室のドアが開いて閉じるとピピッと音が鳴って鍵が掛かった

澪奈

奏多…

奏多

わぁっ…

ギューッと抱きしめられ私も抱きしめ返す

奏多

会いたかったです…

澪奈

…私も

暫くそのままでいると彼女はスっと顔を上げた

意図を察して私は顔を近づけて唇を重ねた

澪奈

ん……

奏多

ちゅ…っ…

奏多

…はっ…

軽く唇を当てるキスから徐々に長く深いキスになっていく

澪奈

んんっ…はぁっ…

澪奈

まっ…

奏多

ん…ちゅ…

彼女の腰を掴んで私から逃げないように力を込める

澪奈

はっ…ぁ…っ…

澪奈

…っ…ば…かっ…!

ドスッと胸を殴られて我に返る

まずい、流石にやりすぎた 2ヶ月も会えなかったのだ、私にしては十分すぎる「待て」だった

奏多

ご…ごめんなさっ…

澪奈

っ…続きは…後で…

奏多

手を引かれソファーに座らせられて膝に彼女は向かい合わせになるように座った

澪奈

まだ会社でしょ、バカ

奏多

すみません……つい…

澪奈

…明日休み取ったから…ね?

奏多

!はい!

私の頬に両手を添えて微笑む彼女 彼女の左手薬指に嵌められた銀はほんのり暖かかった

澪奈

我が社の機体は安全第一で、真っ先にパイロットの安全を優先するプログラムを搭載しています

他社の社長

ほう…

澪奈

なので、宇宙空間でも安全は作業が出来ると自負しております

他社の社長

……それじゃあ、機動力はどのように?

澪奈

はい、それは我が社オリジナルのフライトジェットで賄います

澪奈

現在新型のフライトジェットを開発中で…

澪奈

話がなっっがい…!!

円香

まあまあ〜

円香

でも契約取れたからOKとしましょうよ〜

澪奈

頭の堅いおっさん共の質問責め…他社からの商談…

澪奈

〜〜……次は?

円香

宇宙へ行きますよ〜

澪奈

円香

新型フライトジェットのテストがあるので、それの進捗を…

澪奈

…行くわよ

円香

ふふ…はいはい

疲れが少し軽減されるようなその言葉に胸が踊り、私の足取りは少し軽くなった

宇宙へと向かうシャトルに乗っている途中、タブレットでテストの様子を見つめる

円香

現役の頃から変わらないですね、先輩は

澪奈

…当たり前でしょ?

澪奈

誰の妻だと思ってるのよ

コンテナに行くと丁度コクピットから彼女が出てきていた

彼女は私の姿を確認すると嬉しそうに、でも慌てながら私を見ていた

皆との会話も程々にして彼女の腕を掴んだ

澪奈

奏多、社長行くわよ

奏多

!は…はい!

暫く社長室で奏多を堪能した後、残ってた仕事を片付けて2人の家へと帰ってきた

夕飯、お風呂を済ませてベッドに座れば彼女は私の体調を見ながら擦り寄ってくる

奏多

…澪奈さん…

澪奈

奏多…

奏多

…いいですか?

普段のふにゃっとした笑顔とは一変して艶めかしい表情で私のキャミソールの紐をズラす姿に思わず喉がなる

澪奈

…ばか…一々聞かないでよ…っ…

奏多

……はい

少し微笑んでから彼女は私に口付けをした

翌日、腰を痛めて起きられなくなってしまうのはまた別のお話

奏多

東 奏多(あずま かなた)
︎︎ ♀ 25歳
176cm
(両性具有)
スペーススーツ株式会社のエーステストパイロット兼機体整備士

高校生の頃に機体トラブルに巻き込まれた澪奈を助けた時に澪奈に一目惚れしてアタックし続けた結果お付き合い→結婚へと漕ぎ着けた

学園内でも類稀な操縦センス、機体知識を備えていた
両親は宇宙警備隊の幹部

澪奈

綾小路 澪奈(あやのこうじ みおな)
︎︎ ♀25歳
161cm

スペーススーツ株式会社の社長

容姿端麗、成績優秀で社長令嬢が故あまり人が寄り付かなかったが、機体トラブルで奏多に助けられ一目惚れしたが、あまり素直になれずツンとした態度ばかり取っていた為すれ違いも多かった

親の会社から別の会社を立ち上げて機体事業や医療関係へと進出している
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