僕はnry。
今は恋人と同棲している。
nkk
この人が僕の恋人、nkkさん。
居場所のない僕を自分の家に受け入れてくれたすごく優しい人。
nkk
nry
nkk
nry
nkk
nkkさんはスッと右手を差し出す。
nry
差し出されたnkkさんの手の甲に、僕はそっとキスをした。
nkk
nry
おまじない。
僕はnkkさんと離れる時はいつもおまじないと言って手の甲にキスをする。
これには特に意味なんてない。
なんて、nkkさんは思っているんだろうけど、これにはしっかりと意味がある。
これはおまじないと言っているだけじゃない。
nkkさんに守りのまじないをかけているんだ。
もう、いつ襲われてもおかしくないから。
nkkさんは、魔王の器だ。
悪魔たちが数十年探し続けている、魔王の器。
もうnkkさんも器になるには十分に成長している。
まだ幼い間は気づかれにくかっただろうが、ここまで成長すれば見つかる可能性が高い。
だから、僕の側を離れる時は守りのまじないをかけて、nkkさんの異常にいつでも気付けるようにしている。
なんでそんなことができるかって?
僕も悪魔だからだよ。
興味本位でこっちへ来てみたんだけど、実際住む場所も食べるものもなくて、どうしたらいいかわからなかったときに、nkkさんが家に迎え入れてくれたんだ。
会った時は殺して持って帰ればまだ怒られずに戻れるかなーなんて思ってたけど、一緒に住んでるうちに好きになっちゃって。
だから、nkkさんは絶対僕が守るって決めたんだ。
僕、最初は好きも愛も知らなかったんだよね。
感情自体は存在してたのかもしれないけど、僕がもといた場所にはそんな言葉なかったから。
ちなみに、僕の悪魔としての強さは上の下ってくらい。
だから魔王に呪いをかけられた使い捨てみたいな悪魔からぐらい簡単に守れる。
と、思う。
僕のところにはまだ追っ手が来ていないから、実際に対峙したことはない。
でも、きっと追っ手が来てしまえばnkkさんの存在に気づいて僕よりも強い悪魔を送ってくるはずだ。
だから、別に来てほしいわけでもないし、来ないのは好都合だ。
だけど、来ないからといって油断するわけにもいかない。
既にnkkさんに気づいている可能性も想定して、僕の手が届かない場所に行く時は決まって守りのまじないをかけている。
とはいっても、やっぱり心配だ。
できれば近くで守ってあげたいところだけど、迂闊に外に出るのは危険だ。
元いたのはここより上の世界。
ただ、世界が違うとはいっても場所的には同じ次元に存在している。
だから、本当に上にある"場所"という感じだ。
だから、屋根のない場所に出ていくのは見つかるリスクが上がる。
僕が見つかればここに追っ手が来てnkkさんの存在がバレるという最悪な状況になりかねない。
だから、nkkさんに何かあったら行く準備だけをしていつもそわそわしてリビングで帰ってくるのを待っている。
あーあ、早く帰ってこないかな......
nrきゅーん、戻りましたよー
nkkさんが帰ってきた。
僕はすぐにno さんのところへ駆けて行き、そのままの勢いでnkkさんに抱きついた。
nkk
また、帰ってきたら抱きつくのも帰ってきて安心したからではない。
抱きついて、行く前と変わったところはないかを確認しているんだ。
悪魔に近寄られた形跡はないか、何か仕組まれてはいないかを。
異常がないことを確かめると、僕はもう一度nkkさんを抱きしめる。
今度は無事であることに対する安堵によるものだ。
nkk
nry
nkk
nkkさんは嬉しそうに頬を赤らめた。
nkk
nry
住ませてもらってるのだから家事の一つや二つはできるようになろうと思って、最近はnkkさんに料理を教えてもらっている。
"上"ではしたことあるけど、調理器具や材料、作るものも全く違う。
だから、料理以外にも色々教えてもらいながら一緒に作っているんだ。
nkk
nry
nkk
nkk
nry
nkk
nry
nkk
nry
僕が言われたことをしている間に、nkkさんは長ネギや生姜を素早くみじん切りにしている。
nkkさんの手元にいっていた視線を自分の手元に戻し、僕も言われたことをした。
ピー、ピー
少し経って、レンジから音が鳴る。
nkk
ひき肉のパックのラップを外しながらのっきさんが言う。
nry
nkk
nkk
nry
nry
nkk
nry
nkk
nkk
nry
準備が終わると、2人で声をそろえる。
いただきます。
nry
nry
nkk
nkk
nry
nry
nkk
nry
食事の時はこんなふうにゆったりと会話を交わす。
......実は僕、nkkさんには結構猫かぶってます。
実際もっと荒い性格だし、言葉遣いだって他の悪魔を甘やかさないために棘のある言葉ばっかりだったから。
でも、nkkさんと話してるとどうしても甘々になっちゃうっていうか......ね。
nkk
nry
nkk
nry
nkk
nry
nkk
nry
nkk
nry
nkk
nry
僕を制した後、nkkさんが食器を洗い始める。
暇になった僕は食器を洗うnkkさんをじっと見つめる。
Anki さんも特に話しかけてくれないので、僕はなんとなくnkkさんの隣に行ってみた。
nkk
nry
本当になんでもない。
でも、なんとなく来てみたというのではあんまりかと思い、後ろからnkkさんに抱きついてみた。
nkk
nry
そう言って、今度は肩に顎を乗せる。
nkk
文句は言ってるけどちょっと顔が赤い。
こんな大したことないやりとりが、僕にはすごく新鮮で、大切で、
いつまでも続いてほしいと思うんだ。
コメント
2件
え 、まってめっちゃ内容どタイプなんですけど … 好きっす(