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緑 side

他国の兵

動くな

スチ

……

ミコト

っ…!

停電のあと

すぐに明かりがついたかと思えば、周りに見えたのは大量の兵たちだった

スチ

(今日だったか…)

ドームが壊れてからのこの期間

きっと予想していたのは俺だけじゃないと思う

いるまちゃんに、ひまちゃん…桜花妃様だってきっと気づいていた

そして、次の瞬間目に映るのは

他国の兵

そこの従者たち

他国の兵

高貴な者を出せ

他国の兵

国王、もしくは女王…それと同等の身分の者だ

他国の兵

さもなければこいつの首が飛ぶ

上級妃

い…いや、

人質に取られた上級妃の姿

俺たちが従者であることを悟って、脅しをかけてきたようだ

ミコト

す、すちくん…

スチ

みこちゃん、

スチ

ここにいてね

俺はこっそりと隠し持っているナイフに手をかける

この日の為に鍛錬を積んできたと言っても過言ではない

桜の花嫁の従者

そう選ばれたときから、惜しまずに努力を続けてきた

いざというとき、守れるように

ミコト

…戦うん?

スチ

うん

スチ

主様たちを守るのも、従者の役目だから

スチ

……すぐに片付ける

そう言って、一歩だけ前へと足を踏み出す

そして…隣にいたみこちゃんが頷いたのを見てから

スチ

っ…!

他国の兵

な!?

俺は勢いよく前へ飛び出すと

スチ

ごめん、眠ってて

他国の兵

うぉぁぁぁ!!!

そいつの急所を狙い、切り裂いた

スチ

大丈夫ですか?

上級妃

は、はい…!ありがとうございます

スチ

ここは危ないから

スチ

早く安全な所へ

上級妃が助かったのを確認し、

今度は…目の前に広がった戦場へと足を踏み込んだ

進もうとしたとき

ミコト

待ってすちくん…!

後ろから聞こえてくる声で、ぴたりと足を止める

ミコト

お願い

ミコト

私にも戦わせて

スチ

告げられた言葉は、予想外のものだった

スチ

危ないよ…

スチ

女の子に怪我なんて負わせられない

特に…君には、

スチ

(…傷ついて欲しくない)

それが俺の本音だった

スチ

最悪、死ぬかもしれないんだよ?

ミコト

いいの

ミコト

それでも…いいの

そう言うとみこちゃんは、俺と同じように

隠し持っていたナイフに手をかける

ミコト

すちくん

ミコト

私だって、従者なんよ?

ミコト

主様を守るのは…従者としての役目

ミコト

なら…

ミコト

ここにいる姫様や王子様たちを守るのは、私の役目でもあるから

強くて真っ直ぐな意志が

熱意が、伝わってくる

ミコト

……

スチ

っ……

そうか、

そうだったね

みこちゃんは、どうしようもなく……

スチ

…わかった

ミコト

スチ

…無理だけはしないで

スチ

危ないときは、絶対に俺を頼って

ミコト

うんっ…!

眩しい子だったね

周囲に見える敵を確認してから

俺たちは背中合わせになってナイフを構える

スチ

俺が合図したら、前に出て

ミコト

うん…!

様子を伺いつつ、前に出る敵

その中心にいる人物が周りの兵たちをまとめている

そして…矛先が完全に俺たちに向いた瞬間

他国の兵

……

スチ

今…!!

ミコト

っ…!

同時に勢いよく飛び出し、

スチ

はぁぁぁっ!!

他国の兵

うぉぁっ!!

他国の兵

あ…あぁぁぁ!!!

一気に、その大群に襲いかかった

足を止めることなく

攻撃を交わしながら、次々に相手の急所を狙っていく

みこちゃんは……

スチ

ミコト

はぁっ!

他国の兵

っ!?

他国の兵

! 女だからって油断するなっ!!

他国の兵

こいつ…かなり、

そう、そこにあったものは

目を見張るような光景だった

少ない動きで攻撃を交わしつつ

的確に狙いに行く

まるで舞を舞うかのようにも見える不思議な光景

ミコト

っ……、

彼女が戦う姿は、美しくさえあった

スチ

(凄い…)

従者は基本皆、護身術や武術に触れる機会を持つ

それでも…習得した上で使いこなすものは、かなり少ない

きっとみこちゃんはここまで習得するために

従者学校時代、血の滲むような努力をしたのだろう

ミコト

すちくんっ…!!

スチ

大丈夫、こっちは任せて

多くの専属騎士が戦う中で

二人の従者はそれに加担していた

自分の役目を全うするため

少しでも早く、今夜の戦争が終幕へと近づくように

桜の花嫁を、君ニ捧グ。

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