いつもより少し早めに起きた朝
窓を開け 外の空気を思いっきり吸い込む
いつもなら眠くて仕方ない朝も
今日は自然と笑みがこぼれる
なんたって...
なんたって...
今日は...
デートなのだから
〇〇
よしっ、準備しよ、
昨日の夜、 何時間もかけて選んだ服を着て
いつもはしないメイクをして
髪をゆるーく巻いて
鏡の前でふわっと一回転
...どうかな? 廉、可愛いって思ってくれるかな?
そんなことを考えているうちに
あっという間に待ち合わせ時間
〇〇
おかーさん、いってきまーす!
やばい、廉怒ってるよね...
永瀬廉
お前、おっそ...
ほら...やっぱり...
明らかに不機嫌です、廉さん
スマホを見ていた廉が ようやく私の方を見たかと思うと
じーっと無表情で見つめられて
〇〇
え、なに?
なんかおかしい所あったかな...
永瀬廉
...ふっ、いやぁ?なんも?
鼻で笑われました...
〇〇
なんもないなら見ないでよ...
永瀬廉
ふふっ、ごめんな?
〇〇
...なんか腹立つ
少しだけ怒った素振りを見せて 先に歩こうとした時
永瀬廉
...言えるわけないやん
後ろから小声でなにか聞こえて
〇〇
...なんか言った?
永瀬廉
...別に?
''可愛いで"
廉がそう言ったことなんて 私は知るはずもなかった