ザシュッ
橙
ザッ、ザッ
橙
人というものは随分単純で。
少しだけ、ほんの少しだけ俺は 『人を殺す』 という行為に慣れ始めていた。
まあただ吐かなくなっただけの話のだが。
……それでも、感覚は手にこびりついて離れなくなるぐらい嫌なものだし、それが親友を刺したあの感覚だとしたら、、、
赤
紫
橙
ビリッ
橙
こんにちは、ゲームも終盤ですね。 なんともう通常より倍以上早いスピードで ゲームが進んでおります。
橙
ということで参加者、残り4人。
橙
誰が、最後に生き残るのでしょうか? では。
橙
俺ところん。 そしてさとみるぅとだ。 生きているかは分からないが…
橙
そう、さとちゃんとるぅちゃんは 運動神経が抜群で、俺はと言うと中の上。
よくても上の下だった。
同じぐらい運動神経の良いころちゃんが おっても、俺が足でまといになってまう。
橙
恐らく、というか確実に道端で出会ったら 戦闘状態になる。
2 vs 1.5 のような状況。
チャンスは1回きりである。
橙
大切な人をこの手で殺す。
それが全員生き残る術なのだ。
例え足でまといでも助けるんだ。
橙
橙
施設は案外狭くて、田舎の少し大きめな デパートって感じ。
都会の大きなデパートではない。
桃
黄
橙
4名と言われただけで、 本当に生きているかは分からなかった。
姿を確認できただけで安心出来る。
あとは3人を殺す、、、だけ。
橙
橙
覚悟を決めろ!!!!!
橙
ダッ
桃
黄
青
桃
黄
橙
さとみの攻撃が腹部に当たり悶絶しているところにるぅとから腕に攻撃を食らう。
ここで反撃したら……思うつぼだ。
桃
黄
橙
黄
桃
橙
青
目の前で大切な人がこの世で最も大事な人を甚振る様子。とても見ていられなかった。
ただそれを僕は見ることしかできなくて、動けなかった。
さとみくんの罵声も、るぅとくんの正論も何もかも、耳に入れたくなくて。
呻き声から逃げようとしたその時だった。
橙
青
もっと早く気づけころん!!!
お前のやるべき事はひとつだろ!!!
青
桃
青
青
青
青
青
青
青
青
青
桃
黄
黄
青
青
青
青
青
橙
黄
ザクッ
桃
黄
青
やっぱり、親友だと見慣れない。 というか見たくない。
でも、最愛の人に今から殺されるの、 案外悪くないや。 本望だから。
……でも、ささやかな夢。 あの二人きりの空間で叶えられたら 良かったのに。
両想、、、
橙:やっぱりすきや
殺したくないけど殺さな、、、
青
ズブッ
自分の体の中に何かが入る感じ。
殺される感覚を、今知った。
青
……大好きだよジェルくん。
あとは頑張ってね。
橙
ビチャビチャッ
黄
橙
あと、は、るぅちゃ、だけ……
黄
橙
タッタッタッタッ______
橙
橙
橙
橙
ビリッ
橙
残り二人になりましたので 最後のイベントをご用意しました!
ガタッガタンガタガタッ
橙
ドォォォォン
ガシャァァァン
橙
橙
瓦礫が落ちてきて……?
橙
橙
黄
橙
黄
黄
黄
ゴォォォォォ
その時、るぅちゃんの上から、 潰されたらひとたまりもないような 大きな瓦礫が降ってきた。
見逃せなかった。
橙
ドンッ!!!
黄
グシャッ
黄
目の前には、僕のことを庇って潰れた "あの人"がいた。
ツゥ……
黄
生きてるか死んでるか、目視では判断できなかった。それほどまでに、動揺した。
…こんなことを思うのはどうかと思うが。
黄
強く、そう思ってしまった。
ずっとずっと行動は見てきたわけで、
人を殺したところを見た。
莉犬を殺した。
僕の目の前でさところを殺した。
もしかしたら、なーくんだって 殺しているのかもしれない。
そんな人間が死にかけたところを見て、 生を望んでしまったのだ。
黄
橙
黄
黄
橙
橙
橙
黄
橙
カタカタッ
黄
黄
橙
黄
黄
黄
黄
黄
黄
黄
橙
橙
橙
黄
黄
黄
橙
黄
橙
黄
黄
橙
黄
1分
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コメント
3件
変なとこで切ってすみません、、、