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コメント
1件
うわあ……読み終わってしばらく動けなかった。 最初のほう、じゃぱぱがどぬくにバンのおもちゃを贈るシーン、あの優しい空気感がすごく好きだったんです。白い狐のぬいぐるみとカラフルなバンが並ぶ、小さなベッドの上の世界——それが後々あんな形で回収されるとは思わなくて。 それにしてもエリカ先輩……SNSの写真投稿も倫理的にアウトだと思ったけど、その後の《アズール・ノクターン》の流れ、本当にやばかった。特記用紙が白紙になったり再出現したりする“記録の改ざん”系の仕掛け、SFホラーとしてすごく効いてる。 そして何より、どぬくがエリカの記憶を完全に消したように見えるラスト。あれ、本当に“消した”のか、それとも“なかったことになった”のか……世界のルールがまだ見えないのが気になって仕方ない。 続き、楽しみにしてます。
第1章「星空の下、カラフルな旅へ」 記録1日目:星空に浮かぶ地球と、カラフルなバン
カーテンの隙間から、朝の柔らかな光が差し込んでいた
廊下には、看護師や医師たちの足音が響いている。
俺は片手に朝の健康チェックに使う道具を持ち、もう片方の手には小さな袋を持っていた。
袋の中身は、昨日どぬくと約束したもの。
喜んでくれるといいなぁ……!
じゃぱぱ🦖💚
俺が担当している、大切な男の子。
名前は、どぬく。
十歳で、生まれつき体が弱くて、長い間この病院で暮らしている。
白い髪に、ふわふわの狐耳。 右目は赤色で、左目は青色。 小さな体に、いつも少し大きめの水色の病衣を着ている。
そして、どぬくには絶対に手放さない宝物がある。 それは、白い狐のぬいぐるみ。
……もうね、あれを抱えているどぬくが本当に可愛いんだよ!!
いや、もちろん俺は看護師だから、患者さんを見た目だけで特別扱いしたりしないよ?
しないけどさ!!
どぬくは可愛いんだよぉぉぉ!!
昨日、どぬくが『明日もじゃぱぱ来る?』って聞いてきたんだよなぁ……
あんな顔で聞かれたら、そりゃ来るに決まってるじゃん!!
思い出しただけで、自然と頬が緩んでしまう。
っと、いけない。
廊下でニヤニヤしていたら、ほかの看護師に変な目で見られる。
俺は慌てて表情を整え、病室の前で足を止めた。
じゃぱぱ🦖💚
返事を待つ。 ……。 返事がない。
じゃぱぱ🦖💚
俺は病室の扉を少しだけ開けて、中を覗いた。 ガチャ……。
病室の中央にあるベッド。 その上には、ふかふかの布団に包まれた小さな姿があった。
白い髪が枕の上に広がり、ふわふわの狐耳が布団からちょこんと出ている。
長い袖からは、小さな指先がほんの少しだけ覗いていた。
そして、その腕の中には白い狐のぬいぐるみ。 ぎゅっ……。 まるで、大切な宝物を守るように抱きしめている。
じゃぱぱ🦖💚
俺はそっと扉を閉め、足音を立てないようにベッドへ近づいた。
この子は、知らない人が近づくと怯えてしまう。
だからこそ、俺たち担当看護師は、どぬくが安心できるように接することを大切にしている。
俺のことは、もうすっかり信頼してくれているみたいだけど……。
それでも、突然大きな音を立てたり、無理に起こしたりすることはしない。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
俺はベッドの横にある椅子を引き、音を立てないように腰を下ろした。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
椅子が、ほんの少しだけ音を立てた。 俺は慌ててどぬくの顔を覗き込む。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
危ない危ない。 俺、こういうところがちょっと抜けてるんだよなぁ……。
もぞ……もぞもぞ……。 布団の中で、小さな体が動いた。
ぴくっ。 狐耳が、ぴょこんと揺れる。
どぬく🦊🤍
まだ眠そうな瞳が、ぼんやりと天井を見つめる。
それから……。 きょろ、きょろ。 どぬくは周囲を見回し、俺の姿を見つけた。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺が笑いかけると、どぬくはぱちぱちと瞬きをした。
それから、ぎゅっと狐のぬいぐるみを抱きしめ直す
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺が頭を撫でようと手を伸ばすと、どぬくは少しだけ顔を上げた。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺の手に、自分から頬を寄せてきた。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
あぶない。 危うく大声を出すところだった。
だってさ!? どぬくが!! 自分から!! 俺の手に!! すりすりしてきたんだけど!?!?
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
その言葉を聞いた瞬間。 俺の心臓が、ぎゅんっ!! と音を立てた気がした。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬくは恥ずかしそうに笑い、再び俺の手に頬を寄せた。
じゃぱぱ🦖💚
いや、ほんとに。 この笑顔を守るためなら、俺は何だって頑張れる。
そう思えるくらい、どぬくは俺にとって大切な患者だった。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
俺は、さっきから持っていた小さな袋を取り出した
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
袋の中から取り出したのは、小さなカラフルなバンのおもちゃだった。 赤、青、黄色、緑。 明るい色がたくさん使われていて、屋根には小さな荷物まで載っている。 見ているだけで、どこか遠くへ旅に出たくなるようなデザインだ。
どぬく🦊🤍
どぬくの目が、ぱあっと輝いた
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
俺は、バンのおもちゃをどぬくの手元にそっと置いた。
どぬくは狐のぬいぐるみを片腕で抱きしめながら、もう片方の手でバンに触れた。
小さな指先が、バンの屋根をなぞる。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬくはバンのおもちゃを見つめたまま、しばらく黙っていた。 それから、ぽつりと呟いた。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
俺は、できるだけ優しく笑った。
どぬく🦊🤍
どぬくは嬉しそうに頷くと、白い狐のぬいぐるみの隣に、カラフルなバンのおもちゃを並べた。
白い狐と、カラフルなバン。 小さなベッドの上にできた、どぬくだけの小さな世界。 それを見ているだけで、俺まで嬉しくなってしまう。
どぬくがバンのおもちゃで遊び始めたあと
俺は、ベッドの横に置かれた記録用のファイルを確認した。
今日の体調、睡眠時間、朝の様子。
いつも通りの記録
……のはずだった
ふと、ファイルの下に、見覚えのない紙が挟まっているのに気づいた。
じゃぱぱ🦖💚
すっ……。 紙を引き抜く。
そこには、通常の看護記録とは違う形式の文字が並んでいた。
『特別管理対象児童・記録』
じゃぱぱ🦖💚
思わず眉をひそめた
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
…気になる。 本当に、気になって仕方ない。
『特別管理対象児童』 さっき、どぬくの病室にあった記録ファイルで見つけた、謎の言葉。
最初は、確かに文字が書かれていた。 見慣れない管理番号も、薬剤に関する記載もあったはずなんだ。
なのに……。
じゃぱぱ🦖💚
俺は控え室の椅子に座り、問題の紙を机の上に置いた。
ペラッ……。 もう一度、表を見る。 ……真っ白。 ペラッ。 裏を見る。 ……やっぱり、真っ白。
じゃぱぱ🦖💚
思わず声が出た
じゃぱぱ🦖💚
控え室には、俺以外にも看護師が出入りしている。 慌てて口を閉じた。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
でも、あの文字は妙にはっきり覚えている。 『特別管理対象児童・記録』 どうして、どぬくの記録ファイルにあんな紙が挟まっていたんだろう。
どぬくは生まれつき体が弱い。 そのため、長い間この病院で暮らしている。 俺たち担当看護師は、どぬくが安心して過ごせるように、毎日体調を確認してお世話をしている。 だからこそ、どぬくに関係する記録なら、俺だって知っておきたい。
俺は椅子の背もたれに寄りかかった。 ギィ……。
じゃぱぱ🦖💚
そのとき。 ガチャッ! 控え室の扉が開いた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
入ってきたのは、緑色のセミロングヘアに青い瞳、青色のナース服を着た女性。
緑川エリカ。 三十歳の先輩看護師で、俺の先輩だ。
ちなみに、仕事をサボって俺に押し付けてくることが多い。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
エリカ先輩は鏡を取り出し、前髪を整え始めた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
俺は机の上に置いていた紙を手に取った
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
本当に知らないのかな。 いや、エリカ先輩が知らないなら、それで終わりなんだけど……。
でも、なんだか引っかかる。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
困り果ててしまった。 別に、エリカ先輩を疑っているわけじゃない。 ただ、知らない記録があったから聞いただけだ。 それなのに、ここまで怒られるとは思わなかった。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩は、机に置いてあった自分のスマートフォンを乱暴に手に取った。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
……危なかった。 また余計なことを言うところだった。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺は、これ以上話を続けても仕方ないと思い、謝った。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
エリカ先輩は、スマートフォンのカメラを起動した。 カシャッ! 📱✨
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺は机の上の白紙を見つめた。 ……結局、何もわからなかった。 エリカ先輩は知らないと言った。 それ以上、聞くこともできなかった。 だけど。
じゃぱぱ🦖💚
あのとき、確かに文字があった。 俺は見間違えてなんかいない。 そう思いたかった。
俺は壁に掛けられた時計を見上げた
じゃぱぱ🦖💚
俺は慌てて立ち上がり、薬の保管場所へ向かった。
さっきまで頭の中を占領していた、あの不思議な記録。 『特別管理対象児童』という言葉。 一度は気になって仕方がなかったけれど、今はそれよりも大事なことがある。
どぬくの薬の時間だ。 俺が持っているのは、いつもどぬくが飲んでいる、医師の指示に従って処方された安全な薬。 いつもどおりに準備を済ませると、俺は薬と水を持って病室へ向かった。
___
___
___
廊下を歩いていると、すれ違う看護師たちがちらちらとこちらを見ていた。どうやらエリカが先ほど控え室で騒いでいた声が、廊下まで響いていたらしい
じゃぱぱ🦖💚
そんなことを考えながら、どぬくの病室の前に到着した
じゃぱぱ🦖💚
扉を開けると、どぬくはベッドの上で、白い狐のぬいぐるみを抱きしめながらカラフルなバンのおもちゃを眺めていた
俺の姿を見つけた瞬間、どぬくの狐耳がぴょこんっと動く
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬくは俺から水を受け取り、いつもの薬をきちんと飲んだ
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺が頭を優しく撫でると、どぬくは少し恥ずかしそうに俯いた。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
ピピッ。体温計が鳴る。36.4度。平熱だ
じゃぱぱ🦖💚
首にかけていた聴診器を耳に嵌め、チェストピースを手のひらで温めた。冷たすぎるとどぬくがびっくりするからだ
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬくの病衣の裾をそっと持ち上げた。小さな体が現れる。白くて薄い胸、浮き出た肋骨。俺は内心、少し胸が痛んだ。やっぱり、細い。もっとご飯食べてほしいな…
じゃぱぱ🦖💚
温めたチェストピースを、どぬくの胸に当てた
心臓の音を聴く。とくん、とくん、とくん。規則正しい。問題ない
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬの表情がぱあっと明るくなった。狐耳がぴこぴこと嬉しそうに揺れている
控え室に戻ると、なぜか緑川エリカが俺のことを待ち構えていた。 しかも、いつも以上にニコニコしている。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩は、自分のスマートフォンを俺の目の前に突き出してきた。 画面に表示されていたのは、Instagramのプロフィール画面。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩は得意げに画面をスクロールした。 そこには、以前よりもはるかに増えたフォロワー数と、たくさんの「いいね」が表示されていた。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺は適当に相槌を打ちながら、投稿された写真に目を向けた。
じゃぱぱ🦖💚
そこに写っていたのは。 白い狐のぬいぐるみを傍らに置いて、カラフルなバンのおもちゃで遊んでいる、小さな男の子。 白い髪。 頭の上にある狐耳。 そして、楽しそうにおもちゃを見つめる横顔。
じゃぱぱ🦖💚
そう。 間違いなく、どぬくの写真だった。
『今日出会った、とっても可愛い小さな患者さん♡ おもちゃで遊んでいる姿が可愛すぎて、思わず撮っちゃいました! 癒やされる〜♡』
名前こそ書かれていない。 けれど、写真にはどぬくの姿がはっきりと写っていた。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺はもう一度、画面を見た。 写真のどぬくは、夢中になっておもちゃで遊んでいる。 きっと、俺と星空の旅をしているつもりだったのだろう。
そんな大切な時間を、どぬくに何も聞かずに撮影して、SNSに投稿した。 ――それが、どうしても引っかかった。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩は嬉しそうにコメント欄を開いた。 そこには、たくさんのコメントが並んでいた。
『えっ、可愛すぎる……! 🥹♡』 『小さな狐さんみたいで癒やされる! 🦊』 『おもちゃのバンで遊んでるの、めちゃくちゃ可愛い♡』 『こんなに可愛い子がいるなんて!』 『写真だけでも幸せな気持ちになる……!』 『投稿してくれてありがとうございます♡』
どのコメントにも、どぬくのことを褒める言葉が並んでいた。 エリカ先輩を責めるようなコメントも、見当たらなかった。
いいねの数も、フォロワーの数も、以前とは比べものにならないほど増えている。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩の表情には、悪意なんて少しも見えなかった。 本当に、どぬくの可愛さをみんなに見せたかっただけなのだろう。 人気が出たことも、心から喜んでいるようだった。 だからこそ、余計に難しかった。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
一瞬だけ、エリカ先輩の笑顔が止まった。
けれど、すぐに腕を組んで、少し不満そうに口を尖らせた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺は謝ったけれど、納得したわけじゃなかった。 どぬくは病院で生活している。 まだ十歳で、自分のことを守るために何ができるのか、全部を理解できるわけじゃない。 だからこそ、俺たち大人が考えなきゃいけない。 どぬくが嫌がっていないからいい。 名前を隠しているから大丈夫。 そんな簡単な話じゃないと思う。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
深く息を吐き、スマートフォンをしまった自分のポケットを見下ろした。 どぬくは、今も病室でバンのおもちゃを走らせているはずだ。 自分の写真が、知らない人たちに見られていることなんて知らずに。
控え室のソファに座っている緑川エリカ先輩は、スマートフォンを見つめながら、すっかりご満悦だった。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩の隣で、薬の整理をしていた。 もちろん、薬を扱うときは一つずつ確認する。患者さんに間違った薬を渡さないためにも、大事な仕事だ。
じゃぱぱ🦖💚
棚の中を確認していると、奥のほうに見慣れない小さな容器があることに気づいた。
じゃぱぱ🦖💚
手を止めた。 ほかの薬とは、明らかに違う。 容器の中には、緑色の液体。 その中で、青色の小さな光がキラキラと輝いていた。 ✨💚💙✨ まるで、深い夜空に散らばった星屑みたいだった。
じゃぱぱ🦖💚
見たことがない。 少なくとも、どぬくがいつも飲んでいる薬の中に、こんなものはなかった
じゃぱぱ🦖💚
周囲を確認しても、同じ容器は見つからなかった。
たった一つだけ。 薬剤名や用途を確認しようとしても、すぐには判断できる情報が見当たらない。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカ先輩がスマートフォンを片手に、こちらへやってきた。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
先輩は容器の中を覗き込んだ。 そして、目をキラキラさせた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺が困った顔をしていると、エリカ先輩は容器を見つめたまま、突然とんでもないことを言い出した。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
俺は思わず容器から距離を取った
どぬくは、身体が弱い。 いつも飲んでいる薬だって、医師の指示に従って使っている。 そんな子に、正体の分からないものを飲ませるなんて――。 絶対にあり得ない。
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
エリカ先輩は、不満そうに俺を睨んだ。
俺だって、先輩とこんなふうに言い合いたいわけじゃない。 だけど、ここだけは譲れなかった。
どぬくが笑っている姿を、俺は知っている。 小さな手でバンのおもちゃを走らせて、星空の旅を想像して、嬉しそうに笑う姿を。
あの笑顔を守りたい。 だからこそ、分からないものを簡単に使うなんてできない。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
緑川 エリカ(先輩看護師1)
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
時計を確認して、立ち上がった。
さっきの《アズール・ノクターン》のことは、まだ気になっている。 緑色の液体に青いキラキラ。 しかも、容器は一つだけ。 エリカ先輩は、どぬくに飲ませようなんて言っていたけれど……。
じゃぱぱ🦖💚
俺は小さく首を振って、厨房へ向かった。 どぬくに余計な心配をさせたくない。 今は、いつもどおりに過ごしてもらおう。 そう思いながら、俺はお昼ご飯を準備した。
今日のメニュー やわらかいおかゆ 白身魚のほぐし煮とやわらかい野菜 すりおろしりんご
じゃぱぱ🦖💚
俺はお盆に料理を並べ、忘れ物がないか確認した。
じゃぱぱ🦖💚
お盆の上を見て、俺は慌てて立ち上がった。
じゃぱぱ🦖💚
俺はお盆を安全な場所に置き、飲み水を取りに控え室を出た。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
ぽたり。 緑色の液体が、どぬくのおかゆにほんの少しだけ落ちた。
エリカはスプーンでおかゆを混ぜ、液体が見えなくなるようにした。
青いキラキラは、おかゆの中に紛れて見えなくなった。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
彼女は容器を元の場所へ戻し、何事もなかったかのようにスマートフォンを手に取った。
じゃぱぱ🦖💚
俺はコップに水を用意して、控え室へ戻った
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
病室に入ると、どぬくはベッドの上で白い狐のぬいぐるみを抱きしめていた。 枕元には、カラフルなバンのおもちゃが置かれている。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
俺はベッドのそばにお盆を置き、どぬくが食べやすいように準備した。
どぬく🦊🤍
どぬくはスプーンを手に取り、まずはおかゆをひと口食べた。
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬくは小さく頷いた。 けれど、もうひと口食べたとき――。
どぬく🦊🤍
ほんの少しだけ、いつもと違う味がした。
いつものおかゆとは違う、何とも言えない味。
苦いわけでも、酸っぱいわけでもない。 ただ、ほんの少しだけ、不思議な味だった。
どぬくはスプーンを止め、しばらくおかゆを見つめた。
おかゆを食べ進めた。 続いて、白身魚とやわらかい野菜。 そして、最後にすりおろしりんご。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
もちろん、それは彼女の勝手な推測にすぎなかった。 薬の正体も、成分も、どのような作用があるのかも分かっていない。 それなのに、エリカは自分の考えを疑おうとしなかった。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
彼女は病室のほうを振り返った。 どぬくは、今も眠っている。 エリカは周囲に人がいないことを確認すると、病室へ向かった。
そして――。 眠っているどぬくを、誰にも許可を取らずに連れ出した。 向かった先は、病院の奥にある、普段の患者や看護師が立ち入らない部屋。 病院の秘密の実験室だった。
どぬく🦊🤍
僕は、ゆっくり目を開けた。 いつもと違う。 いつもなら、目を開けると白い天井が見える。 隣には、白い狐のぬいぐるみがいて、カラフルなバンのおもちゃもある。 それなのに……。
どぬく🦊🤍
見たことのない天井。 知らない機械。 冷たい光がついている、白い部屋。 僕は怖くなって、身体を起こした。
布団もないベッドの上で小さくなった。 知らない場所。 知らない匂い。 知らない音。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
僕は知らない看護師さんが怖かった
いつも僕のお世話をしてくれるのは、じゃぱぱだ。
じゃぱぱは、僕が怖がらないように、いつも優しく話してくれる。 でも、この人は違う。 笑っているのに……なんだか、怖い。
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
僕はベッドの端まで後ずさった。 逃げたい。 じゃぱぱのところに帰りたい。 でも、どこから出ればいいのか分からない。
そんな僕の前に、エリカさんが何かを差し出した。 緑色の液体。 青色のキラキラ。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
見たことのないものだった。 僕は小さく首を横に振った。
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
僕は必死に首を横に振った。 知らない人から、知らないものを渡される。 怖くて、怖くて、手が震えた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
僕は震える手を伸ばした
そして――。 薬を、飲んでしまった。
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
口の中に、今まで感じたことのない味が広がった。 苦い。 それだけじゃない。 舌がびりびりするような、ひどく嫌な味。
どぬく🦊🤍
僕は思わず顔をしかめた。 もう飲みたくない。 こんなもの、飲みたくなかった。
どぬく🦊🤍
身体が、変だった。 最初は指先。 次に、腕。 そして、足。 じわじわと、身体が痺れるような感覚が広がっていった。
どぬく🦊🤍
身体が、うまく動かない。 怖い。 何が起きているのか、分からない。
どぬく🦊🤍
僕はベッドの端をつかもうとした。 でも、手に力が入らない。
どぬく🦊🤍
声が震えた。 僕はベッドから降りようとしたけれど、足に力が入らなかった。
ドサッ!! 僕の身体は、床へと倒れ込んだ。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
身体が痺れて、起き上がれない。 息をするのも、声を出すのも、なんだか怖かった。
どぬく🦊🤍
僕は床に倒れたまま、必死に手を伸ばした。 誰かに助けてほしい。
どぬく🦊🤍
視界が、ぼんやりしてきた。 目の前にいるエリカさんの姿が、少しずつ遠くなる。
どぬく🦊🤍
僕の声は、かすれていた。
僕の意識は、ゆっくりと遠のいていった。 そして――。 僕は、そのまま気を失った。
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
右目も左目も、片方は緑色、もう片方は青色に変わっていた。
ふわぁぁぁ……。 僕の身体全体から、緑色のオーラが溢れ出していた。
ぽたっ……。 ぽたっ……。 右目からは、青色の液体が静かに垂れていた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
聞いてない?
何を……? 僕には何もわからない。
ただ、身体が熱い。 頭の中がぐちゃぐちゃで、苦しい。
声にならない、うめき声が漏れる。
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
僕はゆっくりと顔を上げた。 目の前にいるエリカさんを見つめる
緑川 エリカ(先輩看護師1)
僕は、何も言わない。 ただ、身体から溢れる緑色の光を揺らしながら、エリカさんへ向かって歩き出した。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
その瞬間――。 ガシャァァァンッ!! 部屋の中に、何かが激しく壊れる音が響いた。
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
エリカの足が宙に浮いた。どぬくの小さな手が、エリカの首に巻きついている。十歳の子供の力とは思えない。エリカの顔がみるみる赤くなっていく
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカ(先輩看護師1)
どぬく🦊🤍
緑川 エリカ(先輩看護師1)
緑川 エリカから離れて手をかざす すると上から大きな緑色の車のバン降ってきて緑川 エリカに向かって落ちた
緑川 エリカ(先輩看護師1)
ガシャーン
___
___
俺は、どぬくの病室へ向かっていた。 さっきまで、いつも通りに眠っていたどぬく
ご飯もちゃんと食べてくれたし、今日はゆっくり休ませてあげようと思っていた。 ……なのに。
じゃぱぱ🦖💚
ガチャッ。 病室の扉を開ける。
じゃぱぱ🦖💚
ベッドの上には、誰もいなかった。 布団は少し乱れていて、いつも抱き締めている白い狐のぬいぐるみだけが、ぽつんと残されていた。
じゃぱぱ🦖💚
俺は部屋の中を見回した
じゃぱぱ🦖💚
返事はない
じゃぱぱ🦖💚
胸の奥が、ざわざわした。 嫌な予感がする。
そんな俺の耳に――。
ガッシャァァァンッ!!
じゃぱぱ🦖💚
廊下の奥から、とんでもなく大きな物音が響いた。
音がしたのは、普段は職員にも立ち入りを制限されている、病院の奥の部屋。
じゃぱぱ🦖💚
俺は迷わず走り出した。
そして、実験室の扉を開けた瞬間――。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、言葉を失った
そこにいたのは……どぬくだった。
でも、俺の知っているどぬくじゃなかった
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬくの髪はいつも通り白い。 だけど、その目は緑色と青色に変わっていた。 身体全体から緑色のオーラが立ち上り、右目からは青色の液体が垂れている
そして何より……
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
どぬくは、ずっと苦しそうにうめき声をあげていた。
俺の声が聞こえていないのか、どぬくはこっちを見ようともしなかった。
その姿を見ているだけで、胸が締め付けられる。
…俺が、もっと早く戻ってきていれば。 そんな考えが頭をよぎった。
でも、今は後悔している場合じゃない。 俺は、どぬくの周りを慎重に見渡した。
どぬくの足元に、見覚えのあるものが落ちていた。
じゃぱぱ🦖💚
緑川エリカのスマホ。 そして、そのすぐそばには……。
《アズール・ノクターン》の瓶。
じゃぱぱ🦖💚
俺は瓶に近づいた
そのとき、近くに一枚の紙が落ちていることに気づいた。
じゃぱぱ🦖💚
俺は紙を拾い上げた
そこには、小さな文字がびっしりと書き込まれていた。
名称:アズール・ノクターン 分類:詳細不明の特殊管理物質 外見:緑色の液体。内部に青色の発光粒子を確認。 性質:特定の条件下で、対象者に予測不能な変化を引き起こす可能性がある。 対象者への影響:現時点で全容不明。意識状態、身体反応、外見上の変化について、継続的な観察が必要。 警告:安全性未確認。専門責任者の許可なく対象者へ使用することを禁止する。 追記:対象者が強い恐怖や混乱を示した場合、直ちに観察を中止し、医療責任者へ連絡すること
じゃぱぱ🦖💚
俺は、紙を持つ手に力を込めた。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
頭の中で、嫌な記憶がよみがえる。
エリカさんが、あの瓶を手にしていたこと。
俺が危険だから触らせないように言ったこと
そして、今日……どぬくが食べたご飯。
じゃぱぱ🦖💚
考えたくなかった
でも、瓶をよく見ると、さらに気になることがあった。
じゃぱぱ🦖💚
瓶の表面には、何かを剥がしたような跡が残っていた。
元々貼られていたはずのラベル。
それが、意図的に剥がされたように見えた。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、震える息を吐いた。
これは、ただの事故じゃない。 誰かが何かを隠そうとしていたんだ。
そして、どぬくがその被害に遭った。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、もう一度部屋を見回した。 スマホがある。 瓶がある。 記録の紙もある。
じゃぱぱ🦖💚
そう。 緑川エリカの姿が、どこにもなかった。 さっきまで、ここにいたはずなのに。 どうしてスマホだけが残っているんだ? どうして、エリカさんはいないんだ?
まるで、どぬくを守るように。 緑色の車体が、部屋の明かりを反射している。 俺は、ゆっくりとバンに近づいた。 そして、恐る恐る車体の下を覗き込んだ
そこには、いつの間にか――。 大きな緑色の車のバンが置かれていた。
……そこには。 赤色の液体が、床に広がっていた。
息が止まった。 背筋が、ぞわりと凍りつく。 スマホ。 瓶。 剥がされたラベル。 消えたエリカさん。 そして、床に残された赤い液体。 俺の頭の中で、それぞれの光景がひとつにつながっていく。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
答えなんて、どこにもない。 ただ、目の前のどぬくだけが、苦しそうにうめき続けていた。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺は、すぐにどぬくへ駆け寄った。
怖かった。 目の前の姿が、あまりにもいつもと違っていて。 何が起きているのか、まったくわからなくて。
だけど――。
それでも、俺の大切などぬくであることに変わりはなかった。
じゃぱぱ🦖💚
どぬくは、答えない。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺は、震える腕でどぬくを抱き締めた
じゃぱぱ🦖💚
ぽろっ。 気づけば、涙が頬を伝っていた。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
どぬくの身体から溢れていた緑色のオーラが、ゆっくりと揺らいだ。
俺は、そっとどぬくの背中を撫でた。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
その言葉が届いたのか
どぬく🦊🤍
どぬくの身体から、少しずつ力が抜けていった。
緑色のオーラが、薄れていく。 緑色と青色に変わっていた目も、ゆっくりと元の色へ戻っていった。 右目から垂れていた青色の液体も、いつの間にか止まっていた。
俺の胸に顔を埋めたまま、静かになった。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
すぅ……。 すぅ……。 聞こえてきたのは、小さな寝息。 まるで、ようやく安心できる場所を見つけたみたいに。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、どぬくを抱き締めたまま、しばらく動けなかった
本当に、よかった……
じゃぱぱ🦖💚
俺は、眠っているどぬくをそっと抱き上げた。
小さな身体。 いつもと同じ、柔らかな白い髪。 そして、俺の制服をぎゅっと握る、小さな手。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、どぬくを抱いたまま実験室を出た。
――どぬくの病室
俺は、どぬくをベッドに寝かせた。
じゃぱぱ🦖💚
乱れていた布団を整える
じゃぱぱ🦖💚
枕の横に残されていた白い狐のぬいぐるみを、そっとどぬくの腕の中へ戻す。
どぬく🦊🤍
どぬくは、眠ったままぬいぐるみを抱き締めた。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
その寝顔を見た瞬間、また涙がこぼれそうになった。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、ベッドの横に座り、どぬくの小さな手を握った。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
病院の奥に隠された秘密は、まだ誰にも知られていなかった。
ただひとつ確かなことがある
あの《アズール・ノクターン》は、どぬくの身体に何らかの変化を引き起こした。
そして、誰かがその事実を隠そうとしている。
俺は、眠るどぬくの手を、もう一度ぎゅっと握り締めた。
じゃぱぱ🦖💚
その誓いだけを胸に刻みながら、俺はどぬくのそばを離れなかった。
エリカ先輩は●んだ。 背中にバンの玩具。首の痣。あの赤い液体。 事故じゃない。あれは――どぬくにやられたんだ
大人の女を片手で絞め殺せるほどの力が出せた。 あの緑色のオーラ。 目の色の変化。 そして、薬品のラベルを意図的に剥がした誰か
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬくの耳が、ぴくっと動いた。
白い狐のぬいぐるみを抱き締めたまま、ゆっくりと目を開ける。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺が笑いかけると、どぬくは小さく瞬きをした。 ……よかった。
いつものどぬくだ。 目の色も、いつも通りの赤と青。 身体から緑色のオーラが出ている様子もない。 右目から青色の液体が垂れていることもなかった。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、思わず胸を撫で下ろした。
どぬくは、ゆっくりと上半身を起こしたあと、突然びくっと身体を震わせた。
どぬく🦊🤍
どぬくは、怯えた様子で周囲を見回していた。 ベッドの上。 窓際。 部屋の入り口。
まるで、何か恐ろしいものが近くにいるのではないかと警戒しているようだった。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺は慌てて、どぬくの目線に合わせるようにしゃがんだ。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
どぬくは、白い狐のぬいぐるみをぎゅっと抱き締めた。 それから、少しずつ俺の制服の袖をつかんだ
じゃぱぱ🦖💚
俺は安心させるように声をかけ続けた
だけど、俺の頭の中には、どうしても確かめなければならないことがあった。
…昨夜のことだ。 実験室で、どぬくは緑川エリカさんと一緒にいたはずだった。 あの異常な変化が起きたとき、エリカさんはすぐ近くにいた。
だったら……。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺は、なるべく怖がらせないように、ゆっくりと言葉を選んだ。
じゃぱぱ🦖💚
じゃぱぱ🦖💚
どぬくは、少し考えるように視線を落とした。
どぬく🦊🤍
じゃぱぱ🦖💚
俺は、思わず聞き返してしまった。
じゃぱぱ🦖💚
どぬく🦊🤍
頭の中が、真っ白になった。
じゃぱぱ🦖💚
そんなはずがない。 エリカさんは、同じ病院で働いている看護師だ。 どぬくと顔を合わせる機会だって、あったはずだ。 それに……昨夜、実験室で一緒にいたのは、間違いなくエリカさんだった。
俺は、どうしても納得できなかった。
緑川エリカという人物の記憶だけが、どぬくの中から綺麗さっぱり消えている。
まるで、最初から存在していなかったかのように。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、重たい足取りで控え室に入った。
手に持っているのは、小さな瓶に貼られていたラベル。
正確には――《アズール・ノクターン》の瓶から剥がされたと思われるラベルだ。
実験室で見つけた記録用紙には、あの液体についての情報が書かれていた。 安全性未確認。 対象者への使用禁止
それなのに、どぬくは……
じゃぱぱ🦖💚
思い出すだけで、胸が苦しくなる。
緑色に変わった目。 身体から溢れる緑色のオーラ。 右目から流れていた青色の液体。
じゃぱぱ🦖💚
俺はラベルを机の上に置いた
そして、ふと棚の隅に目を向けた。
そこには、一冊のファイルが置かれていた。 表紙に書かれていた文字は――。
『特別管理対象児童』
じゃぱぱ🦖💚
俺は思わず声を漏らした
このファイルには、以前も妙なことがあった。
最初に見つけたときは、確かに何かが書かれていたはずなのに、いつの間にか中身が真っ白になっていたのだ。
じゃぱぱ🦖💚
俺はファイルを手に取り、ゆっくりと開いた。
思わず、目を疑った。 そこには、以前と同じ白紙のページがある……はずだった。
じゃぱぱ🦖💚
ページいっぱいに、細かな文字がびっしりと書き込まれていた。
じゃぱぱ🦖💚
俺は椅子に座り、ページを慎重に読み始めた。 そこに書かれていたのは――。
【特別管理対象児童・記録】 対象者:どぬく 記録日:1日目 記録内容:アズール・ノクターン接触・摂取事案 対象者の食事に、アズール・ノクターンが混入されたことを確認。 対象者は食事を完食。 摂取直後、明確な外見上の変化は確認されず。 その後、対象者は別室へ移動。 対象者にアズール・ノクターンを摂取させる行為が再度実施された。 対象者は強い恐怖と抵抗を示したが、最終的に摂取。 摂取後、対象者の意識状態に異常が発生。 覚醒後、眼の色が緑色および青色に変化。 身体全体から緑色の発光現象を確認。 右眼から青色の液体が流出。 対象者は発声能力に異常を示し、うめき声以外の発声が困難となった。 対象者は室内で急激な行動変化を起こした。 その後、対象者は特定の人物との接触を経て、通常の外見へ戻った。
じゃぱぱ🦖💚
食事に混ぜられたこと。 実験室で、もう一度飲まされたこと。 目の色が変わったこと。 緑色のオーラ。 青色の液体。
そして、元の姿に戻ったことまで。 まるで、誰かが一部始終を見ていたかのような記録だった。
じゃぱぱ🦖💚
俺は、ページをもう一度読み直した。
じゃぱぱ🦖💚
そう考えると、すべてが恐ろしくなった。
あの液体は、偶然そこに置かれていたわけじゃない。 誰かが存在を知っていた。 誰かが、どぬくに起きたことを記録していた。
今まで、ただの推測だった。
だけど、この記録が本物なら。
アズール・ノクターンの存在を知る人物がいて、どぬくに起きた出来事を把握していたことは確かだった。
じゃぱぱ🦖💚
記録者の名前は書かれていない。 ファイルがいつ書き換わったのかもわからない。
じゃぱぱ🦖💚
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