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冥界の守護者

第6話 - 悪霊の目的

255

2025年04月26日

#司類

#冬彰

#寧々えむ

#こは杏

#瑞類

あかまる🍓🐾໊@テスト

司

「止まれ」！！

カイト

…

ルイ

う〜ん…そもそも、「王の力」自体が発動しないね。

司

ぐっ…やはりか…

エム

会議が終わったあと、アンちゃん達と司くんに命令してみてってお願いしたの。

エム

でも、その時もダメだったんだよね…

司

あぁ…だから、薄々そんな気はしていたが、

カイト

司くんはあの時、どんな気持ちで「止まれ」って命令したんだい？

司

え？えっと、あの時は…

司

ただひたすら、ルイを守りたいと…強くそう思って、思わず叫んだに近いです。

ルイ

司くん…

カイト

ふむ…なるほどね。

カイト

やっぱり…王の器と言っても、僕と司くんは全く違うみたいだ。

司

？

カイト

そもそも司くんは天国行きだったのに、ここに来た。ただの手違いかと思ったけど、君がここに来た理由は「王の器」だったからだ。

司

！

カイト

僕は王の器だったけど、天国行きの魂じゃなかった。

カイト

司くんはきっと王の力を「何かを守りたい」という気持ちで使っている。

司

カイトさんは…違うんですか？

カイト

うーん…根元にはたしかに「守りたい」気持ちがあるけど、どちらかと言うと僕は「従え」って気持ちが強いかな。

カイト

だからどの魂を、どんな風に動かしたいか、イメージすることがコツなんだけど…

カイト

司くんにこの方法は、どうやら合わないらしい。

司

……たしかに、

司

じゃあ…オレは、何かを「守りたい」と思えばいいって事ですか？

カイト

うん、そうだね。

司

なるほど…よし、じゃあもう一度いくぞ！

エム

いつでもいいよ！

司

……「止まれ」！！

ルイ

……ダメだね。

司

ぐっ……気持ちが足りんのか…？

カイト

うぅん…これは困ったな、

カイト

司くんの方法だと、恐らく土壇場でしか王の力を発揮できない。

司

なっ！

カイト

悪霊と戦った時に力が使えたのは、追い詰められてピンチの状態だったからだ。

カイト

だから…司くんの王の力は、最終兵器って事になるね。

司

最終兵器……

司

(なんかカッコイイ…！！)

ルイ

なるほど…なら、王の力の特訓より、普通に剣を磨いた方がいいかもね。

カイト

そうだね。もう少し慣れてからでいいと思うな。

司

分かりました。

司

ルイ、エム。わざわざ来てくれたのに、すまない。

エム

全然いいよ！私は勝手に着いてきちゃっただけだし！

ルイ

僕は君のバディだからね。協力するのは当然だよ。

司

2人とも…ありがとう！

司

カイトさんも、ありがとうございました！

カイト

うん。他にも何か気になることがあれば、何でも聞いてね。

司

はい！！

ガキンッガキンッ！

アン

ふー……司、だいぶ私たちともいい勝負になってきたね！

ネネ

うん。成長スピード凄いと思う。

司

ありがとう！！2人のお陰だ！

司

オレはもっと、剣を磨いて強くならなければならん。2人とも、これからもよろしく頼む！！

アン

まっかせて！

ネネ

でも……もっと強くなりたいなら、私たちとやるより…

アン

あー…でも、まだ早いんじゃない？

ネネ

でも、剣じゃなくて短剣で戦う悪霊とかもいるし…私たち以外とも戦った方がいいかも、

アン

うーん…たしかに、私たちは剣の専門だしね〜…

司

？

アン

ねぇ、司！アキトと手合わせしてみたら？

司

む、アキトと？

ネネ

うん。シノノメくんの戦い方は私たちと全く違うし、いい稽古になると思う。

司

ふむ…なるほど。そういえば、まだアキトの戦っているところは見たことがないな。

アン

アキトは1番守護者歴長いし…守護者の中だと、1番の実力者なんだよ！

ネネ

私、まだ勝てたこと無いんだよね…

アン

私も片手で数えれるくらいしか勝てたことないよ〜…

司

何？！そんなにか？！

アン

騎士の私たちにとって、アキトって相性悪いんだよね。まぁ、シンプルな実力差もあるけど。

司

なるほど…！たしかに稽古の相手としては良さそうだ！

司

ちょっと稽古をつけてくれないか、頼んでみる！

司

アキト、頼む！オレと稽古してくれ！

アキト

…なんで俺？

司

シライシとネネに勧められてな。もっと強くなりたいなら、アキトと稽古するべきだと。

司

頼まれてくれんだろうか？

アキト

稽古になるか分かんねぇけど…

アキト

まぁ、いいぞ。戦力を上げるためなら、断る理由は無いし。

司

おぉ、ありがとう！！

司

よろしく頼む！！

アキト

おう

アキト

じゃあ…とりあえず、手合わせするか？

司

あぁ！

アキト

了解。じゃあ、いつでも来い。

アキト

いいか？俺から目離すなよ。

司

？あぁ、いくぞ！

間合いに入るため、素早く1歩踏み出した。

ピトッ

首筋に、何か冷たいものが触れた。

司

？

アキト

ダメじゃねぇか。ちゃんと見てなきゃ。

司

？！？！？！

首筋に触れていたのは短剣の刃だった。

司

え、は？！お前、さっきまで目の前にいたよな？！

司

な、なんで後ろに？！音も気配もしなかったぞ？！

アキト

これが俺の戦い方。参考にならないだろ？

司

い、いや…お前、本当に何者だ…？

アキト

今は死神だよ。

アキト

稽古するなら、俺よりアンとクサナギの方がいいと思うぞ。

アキト

俺とやっても、稽古にすらならねぇだろうから。

司

ぐ……っ

司

も、もう1回頼む！！

アキト

別にいいけど…何回やっても一緒だと思うぞ。

ピトッ

司

なっ？！

アキト

はい、俺の勝ち。

司

な、何故だ！？意味が分からんのだが！？

アキト

まぁ、これは生前から身に付けてた、殺しの技術だからな。

アキト

お前とは歴も覚悟も違うし、仕方ねぇよ。

司

くっ…

司

も、もう1回！！

人間界

司

(あのまま結局全敗した…)

ルイ

アキトくんに全敗したんだって？

司

あぁ……どれも瞬殺だった…

ルイ

仕方ないよ。守護者の中で1番強いのは彼だし。

ルイ

僕も彼に勝てるかは五分五分だし。

司

なっ…ルイでもか？！

ルイ

あぁ。

司

ぐ…ますます勝てるイメージが湧かなくなった…

ルイ

ふふ、あんまり落ち込むことないよ。

タッタッタッ

司

む？

司

！

ガキンッ！

ルイ

！！

司

くっ……またお前か！！

ふふ。また会いましょうって、言ったでしょう？

司

…ルイ、詠唱を頼む。

ルイ

あぁ…

ふふ、今日は私、詠唱者に興味無いわ。

それよりも貴方に興味があるの！ねぇ、お菓子をあげるから一緒に行きましょう？

司

行かんわ！！！？そんなので釣られるわけないだろう！！

あら、残念ね。

"拘束(バインド)"

司

！

前回と同じように、突然光る輪に両腕を拘束され、身動きが取れない状態になった。

司

(くっ！！またか！！相変わらず、対処法が分からん…！！)

痛いことはしないわ。このまま、私と一緒に帰るだけでいいの。

さぁ、帰りましょうね。

グイッ

後ろからルイに、少し乱暴に抱き寄せられた。

司

！！

ルイ

あげないよ。

司

ルイ…！お前、詠唱してたんじゃ、

ルイ

君が悪霊に狙われるのは、想定してたからね。

あらぁ…

ルイ

悪霊くん。司くんが欲しいのかい？

ふふ、えぇ。必要なの。

司

！

ルイ

そうかい。

…驚いたわ。貴方、拘束が出来ない。

何故かしら？

ルイ

詠唱者は魂に触れられないからね。すり抜けられるんだよ。

あら、そうだったわね。私ったらうっかりしてたわ。

ふふ、なら別の方法を考えないといけないわね。

フッ

司

？！

司

(消えた？！姿を消す能力も持っているのか？！)

ルイ

…逃げたか。まぁ、今日は仕方ないね。

司

逃げた…そうか……

司

って、アイツ拘束解かずに逃げたな？！動けんのだが！？

ルイ

おや、丁度いい。みんなにも見せたいし、このまま帰ろうか。

司

このまま？！？

冥界

アキト

へぇ、本当に魂でできてるな。

アン

うわ、残酷…悪霊のやることって感じ。

ネネ

それ、全く身動き取れないの？

司

あぁ…手首は動かせるが、腕が動かんからどうにもできん。

アキト

抜け出すことも無理そうなのか？

司

あぁ。どうも身動きが取れんくて…っ、無理だ。

カイト

ふむ……

司

というか、ルイ。みんなに見せたはいいが、この拘束どうやって解くんだ？

ルイ

ああ、それなら問題ないよ。

パッ

突然拘束していた光が散り、どこかへ消えていった。

司

！！

カイト

ありがとう。十分見させてもらったよ。

司

カイトさん…！

司

(そうか！王様は魂を操れるから…！)

カイト

悪霊は、司くんのことが必要だって言ったんだよね？

ルイ

えぇ。

カイト

そうか……じゃあ、ほぼ確定かな。

司

？

カイト

悪霊の目的は、「境界の扉」を開くことだ。

司

境界の…扉？

アン

え、何それ…

アキト

知らね。初めて聞いた。

司

？！

エム

シノノノノメくんも分からないの？

アキト

おい、「ノ」が多すぎるだろ。

アキト

そんな扉、ここに来て初めて聞いたよ。

カイト

この扉の存在を知っているのは、この中だと僕とルイくんだけなんだ。

司

！！

コハネ

その「境界の扉」って…何なんですか？

カイト

冥界と人間界を分け隔ててる扉だよ。

トウヤ

それを何故開こうとしているんですか？

カイト

恐らく「境界の扉」を開いて、生者と死者を反転させることが目的だ。

司

！？！？！？

ネネ

生者と死者を…？それって、

ルイ

あぁ。僕らが生者となって蘇り、反対に、今の生者が死者になる。

アキト

！

エム

そ……そんなの、絶対ダメだよっ！！

アン

そうそう！！そんな事になったら、どこもかしこも混沌だよ…！！

ネネ

うん…かなりマズイ…

カイト

そう。だから、絶対に阻止しなければならない。

コハネ

扉を開く方法は？

カイト

まず、大量の魂を使って「境界の扉」を召喚する。

カイト

でも、その扉を開くには「鍵」が必要なんだ。

カイト

…その「鍵」が、「冥界の王の力」を持つ魂。

カイト

つまり、僕と司くんのどちらかだ。

司

！！

ルイ

悪霊は確実に、現王のカイトさんより、まだ新米の司くんの魂を狙うだろう。

トウヤ

たしかに…狙うなら弱い方ですもんね。

司

ぐっ

トウヤ

あ、すまない！

司

い、いや、大丈夫だ。カイトさんより弱いのは事実だしな。

ネネ

でも、カイトさんと司の魂が鍵なら…その2人の魂を渡さなければ、扉を開くのは阻止できるってことですか？

カイト

あぁ、そうだよ。

アン

じゃあ、私たちはカイトさんと司のことを守ればいいんですね！！

カイト

そういうこと！

アキト

なるほどな。実質司を守りゃいいってわけか。

司

(守る…そうか、守られるのか。オレは…)

司

(オレは…「守護者」なのに、守られてばかりだな…)

エム

じゃあ、司くんはずっとここでお留守番？

司

！！

カイト

うーん…そうしたいけど、それは厳しいんだよね。

カイト

ただでさえ死神は人手不足だし、司くんも大事な戦力だしね。

カイト

だから、司くんにも戦ってもらうよ。

司

か、カイトさん…！！

カイト

ふふ、僕はみんなのことを信じているからね。

ルイ

…

カイト

さて、今日はこのくらいにしようか。明日本格的に作戦会議を立てるから、また集まってね。

アン

今日の内容も濃かったな〜…

コハネ

だね。やっと悪霊の目的が分かったし。

ネネ

生者と死者を反転って…怖いね、

エム

うん…そんなの、絶対にダメだもん！

ルイ

…

司

ルイ？どこへ行く？

ルイ

あぁ、少し庭園にね。

ルイ

考えたいことがあるんだ。

司

…分かった。部屋で待ってるからな。

ルイ

うん、ありがとう。

トウヤ

…あれ、司。1人か？ルイさんは？

司

む？あぁ、庭園に行ったぞ。考え事があると。

トウヤ

庭園…そうか。

司

ルイになにか用事か？

トウヤ

あぁ、聞きたいことがある。

トウヤ

アキト、庭園へ行ってくる。少し待っててくれ。

アキト

分かった。

アキト

あ、じゃあお前が読みたいって言ってた本探しとく。

トウヤ

いいのか？助かる、ありがとう。

庭園

トウヤ

…あ、ルイさん！

ルイ

おや、トウヤくん。何か用かい？

トウヤ

はい、確認したい事が。

トウヤ

「境界の扉」の存在を、悪霊が知っているのは何故ですか？

トウヤ

カイトさんとルイさんしか知らないような、機密なもの何ですよね？

ルイ

……

トウヤ

…アキヤマさん、ですか？

ルイ

違うよ。

ルイ

ミズキは確実に、「境界の扉」の存在なんて知らないはず。…知ってたとして、その開け方までは知らないはずだよ。

ルイ

僕も開け方を知ったのはさっきだからね。

トウヤ

！

トウヤ

なら、尚更……どうして悪霊が知っているんでしょうか…

ルイ

……それを考えていたんだ。

トウヤ

そう…ですか…

トウヤ

……すみません、ほんの一瞬、ルイさんのことを疑いました。

ルイ

ふふ、そうかい。

ルイ

僕もね、一瞬疑ったんだ。

ルイ

…カイトさんのことを。

トウヤ

！

ルイ

こんな状況だ。疑心暗鬼になるのも仕方ない。

トウヤ

俺は…分からないことだらけです。

トウヤ

何故、アキヤマさんは…

トウヤ

……

ルイ

…考えても無駄さ。僕は1000年考えても分からなかった。

ルイ

戻ろうか、トウヤくん。明日も会議だし、頭を休めないとね。

トウヤ

はい…そうですね。

アン

見てよ！！うちのコハネのもちもち頬っぺを！

ネネ

たしかにもちもちだけど、それならエムも負けてないよ。

エム

わーい！コハネちゃん、もちもち勝負だ！

コハネ

えっ？！も、もちもち勝負？！

ルイ

ふふ、相変わらず賑やかだね。

トウヤ

ですね。

司

む、ルイ！トウヤ！早かったな。

ルイ

おや、司くんもまだ残ってたんだね。

司

あぁ、エムたちと話をな。

カイト

あれ、みんなまだ集まってたのかい？

エム

あ、カイトさん！

アン

今、もちもち勝負してるんです！

カイト

も、もちもち勝負？

エム

誰の頬っぺが1番もちもちかを決める勝負です！

カイト

あぁ、そうなんだね。ふふ、相変わらず面白いことを考えるなぁ

トウヤ

(カイトさんが、悪霊と…)

トウヤ

(いや……無いだろう。もしそうなら…)

カイト

……！！

司

カイトさん？

カイト

なにか入ってきた…

ネネ

入ってきた？

カイト

この魂……悪霊だ、

ルイ

なっ…ここにですか？！

コハネ

ど、どうやって……ここのどこに？！

カイト

方角的に……書庫の方だ！

トウヤ

書庫…

「お前が読みたいって言ってた本探しとく。」

トウヤ

アキト！！

アン

うわっ？！ビックリした！

エム

アキト？そういえば、シノノノノメくんいないね？

トウヤ

アキトが…書庫に、

ルイ

！

司

そ、そうだ！！本を探しに行くと言っていたな！

コハネ

じ、じゃあ悪霊と遭遇して…

トウヤ

っ

アン

あ、トウヤ待って！！

カイト

エムちゃんとネネちゃんはここに残って、他のみんなは書庫を見てきてくれ！

司

分かりました！！

冥界の守護者

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255

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アキトｯ…大丈夫かな… カイトさん…いや、流石にね、違うよねぇ… シズクさんの言ってた作戦ってなんだろう… も〜、知りたいことが多すぎて夜しか眠れない(( 続き待ってます！

彰人、どうなるんだろう！？物語も考察し甲斐があります！続き楽しみにしてます！

あかまる🍓🐾໊@テスト

プロフィール

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