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『君と僕の忌避進路』

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『君と僕の忌避進路』

29 - 2人で迎えた黄昏時

♥

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2023年08月09日

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『もう、終わりにしたい』

それを伝えると、暁は複雑な表情をしていた

彼方

今まで、いいことも悪いことも暁にされてきたけど

彼方

もう、何も動かない

彼方

暁に何をされようが、俺の中で気持ちが揺らぐことも無かった

彼方

こんな関係今後も引きずってても、どうせ2人ともいつか終わってる

っ…どうして

なんでだよ……

何かを惜しむような顔をする暁

彼方

…馬鹿だなぁ

彼方

今さら俺のこと惜しくなったって、どうにもならないよ

彼方

せめて少しでも、俺のことを大事にしてくれてたらよかったのに

彼方

そしたら、逃げるなんてしてなかったかもしれないのに

…………

彼方

…もう、翔太たちを巻き込むのは嫌なんだよ

彼方

何も関係ないのに、俺たち2人の問題に何人も巻き込んでる

彼方

もう、そんなことはしたくない

彼方

だから、お願い

彼方

俺と別れてください

…好きなとこ行けよ

彼方

っ!

お前ら、行くぞ

暁の後輩

は、はいっ!

そう言って、扉へ向かっていく

扉を開けた後、暁は少し振り返った

…悪かったな、色々と

彼方

………

バタン……

その音が聞こえた時、俺は何か一つの物語が終わったような、そんな感覚がした

真冬視点

僕と彼方さんのいる場に、しばらく沈黙が流れる

すると彼方さんは、僕の方を向いた

彼方

っ真冬…!

真冬

…彼方さん、どこも痛くないですか?

彼方

…!!

彼方

俺よりも、真冬が…

真冬

僕は大丈夫ですよ、どこも痛くありません

さっきは遠くてよく見えなかったが、彼方さんの顔に、複数の小さな傷があった

真冬

家帰ったら、彼方さんの傷の手当てを…

彼方

っ…どうして…

彼方

なんで、来てくれたの

真冬

えっ…?

彼方

真冬が危険な目にあってたかもしれないのに…あんなメール、無視してくれてよかったのに…!

彼方

本当は、真冬を巻き込みたくなかったのに…っ

そう言って必死に言葉を繋ぐ彼方さんの目に、大粒の涙が溜まっていく

真冬

彼方さ……

彼方

……でも、

彼方

信じてた、来てくれるって…

そこまで言うと、彼方さんは手で両目をこすった

真冬

…!

真冬

…来るに決まってるでしょう?

真冬

これからも、助けが必要な時に言ってくださいね

真冬

どこにいても、僕が1番に駆けつけます

彼方

…!!

彼方

……っうん…

必死に涙を止めようとしている彼方さん

その姿はまるで、最初出会った時の僕と重なるような気がした

真冬

…………

そっか、あの時の彼方さんも 同じ気持ちだったのかな

真冬

(不安そうに、心配そうに泣いてる姿を放っておけないって…)

真冬

(そう思ったのかな…)

ぎゅっ…

彼方

っ…!!

僕は無言で、彼方さんの顔を覆い隠すように抱きしめた

真冬

大丈夫ですよ、彼方さん

真冬

僕はここにいる、ずっとそばにいます

真冬

だから今日は…いや、今日以外でも、たくさん僕を頼ってください…ねっ?

彼方

っ…う、ん……

僕は泣きじゃくる彼方さんの背中をさすりながら、安心するよう言葉をかけ続けた

窓からは、綺麗な夕焼けが見える

橙色に照らされた綺麗な黒髪と涙は、きっともう一生見られないのだろう

そこには、僕と彼方さんだけの 時間が流れていた

『君と僕の忌避進路』

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