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真中 姫星
昼休み、移動教室から帰った私、真中姫星(まなか ひめ)はボロボロになった自分の机を見つめ、立ち尽くしていた。
いつかこういうことをされる日が来ることは何となくわかっていた。
なにせ自分は大の男好きな上、大の女嫌いなのだから。 学校中の女子生徒が私のことをよく思っていないのは自分が一番よくわかっている。
何をされても平気な顔でいようと思っていたが、いざ自分がそういう目に遭うと想像以上に悲しかった。
回りの視線がいたい。
イタイ。
イタイ。
真中 姫星
突き刺さるような、バカにするような視線に耐えられず、誰もいないところへいきたくて
気付けば屋上へ向かって走り始めていた。
真中 姫星
四ッ谷 伊織
下を向いて走っていたせいか角で自分より大きい誰かにぶつかってしまった。
慌てて立ち上がり、即座にくつの色を見る。
二年生、つまり先輩だ。
真中 姫星
その先輩の顔も見ずに屋上へ向かおうとすると、ガッチリと腕を捕まれた。
四ッ谷 伊織
真中 姫星
思わず先輩の顔を見る。
すると先輩はにこりと笑った。
四ッ谷 伊織
一瞬何をいっているんだと思ったがすぐに冷静になっておとなしく先輩についていった。
~屋上にて~
四ッ谷 伊織
先輩はコンビニのおにぎりを美味しそうに食べながら話を聞いてくれていた。
真中 姫星
涙を必死でこらえながら先輩に打ち明ける。名前も知らない先輩だけどなんだか何でも話していいような気がして、
四ッ谷 伊織
真中 姫星
先輩の思わぬ返答にこらえていた涙がポロポロと溢れてくる。
今までわかってくれる人なんか一人もいなかったのに、この先輩はほしかった言葉を簡単にいってしまった。
四ッ谷 伊織
真中 姫星
両手を広げて言った先輩をきっぱり断り、それでもなかなか止まらない涙を止めようと必死にふいていたその時、
屋上のドアが開いた。
そちらに目を向けると、女の子のようにかわいらしい黒髪の男子生徒と
いきる気力をなくしたような目をした、薄い茶髪の女子生徒が、
楽しそうにこちらへ向かって歩いてきた。