異変は、何もSNSのダイレクトメッセージだけでは終わらなかった。
つばき
つばき
つばき
つばき
いつもの通学路、いつもの道。 いつもと同じ風景のはずなのに、何故か嫌な気配が拭えない。
すれ違うクラスメイト達は相変わらず、自分以外の話で盛り上がって、こちらに話しかけてこようとはしない。
つばき
つばき
つばき
勝手に納得して、安心した。
その時であった。
カシャ!
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
カシャ!
つばき
つばき
音のする方へ視線を向けるも、スマートフォンをこちらに向ける人はいない。 それどころか、カメラを持つ人の姿もない。
しかしカメラのシャッター音は止まらないのは、何故だろう。
――背筋に嫌な汗が流れる。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
そうしてつばきは、通学路を大いに逸れ、別の道へと向かっていく。
つばき
つばき
つばき
全力疾走の甲斐あって、つばきは人気のない道へと逃げ込むことに成功した。
しかし、もうこれで安心だとは言いきれない。
このまま襲われたら? それどころか、学校にまで入ってきたら?
そう考えたら、安心してなどいられない。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
そう思い至り、今日のサボりを決意した時である。
つばき
つばき
つばき
つばき
お母さん
つばき
お母さん
つばき
電話越しに伝わる緊張は、スマートフォンの向こうからも伝わってくる。
これまで1度も聞いた事のない、母親の怒鳴り声が、受話器越しに鼓膜へと突き刺さる。
その緊迫した空気に、スマートフォンを持つつばきの手は、知らずのうちにガタガタと震え出した。
知らない女
知らない女
お母さん
お母さん
お母さん
知らない女
知らない女
知らない女
お母さん
つばき
お母さん
通話
01:04
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
幸いなことに、学校に向かうまでの道すがら、変質者に遭遇することはなかった。
つばき
つばき
つばき
ほっとするよりも、立て続けに誰かに狙われる恐怖の方が勝る。
保健室の、どこか鼻にツンとくる空気を吸い込んで、つばきは胸に手を当てた。
つばき
つばき
つばき
担任
つばき
つばき
担任
担任
担任
担任
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
担任
担任
担任
つばき
担任
担任
つばき
つばきは涙を流しながら、安堵の溜息を吐いた。
だが、なぜだろう。 担任の顔はどことなく、曇っているように見える。
つばき
担任
担任
担任
つばき
担任
つばき
担任
つばき
つばき
つばき
担任
担任
職員室へと去っていく背中を見送って、つばきは震える息を、ゆっくりと吐き出した。
人の気配が消えたことを確認すると、つばきはスマートフォンへと視線を落とす。
こんな危ない目に遭っても尚、つばきの関心はSNSにあった。
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
その疑問は、フォロワーのコメントの群れが解消してくれた。
フォロワー
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フォロワー
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小紅姫
小紅姫
小紅姫
フォロワー
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小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
ブラウザの検索欄に、春夏の字を入れれば、出てきたのはXYZとは別のサイト。
短い動画を投稿できる、ソーシャルなネットワークサービス『ピクチャグラム』だ。
表示された春夏のアカウントのトップには、仲睦まじい女性と子供の写真が、大々的に載せられていた。
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
小紅姫
コメント
7件
まさか親子揃って顔出し写真投稿してた…ってことであってますよね…?
新作きた!!いつもみてます!! いつも続編がはやいですね、書くツールは新しいのと古いのどっちを使って書いてますか?