お願い
信じて、!
みのり
は、遥ちゃんは
みのり
遥ちゃんは悪くないんだよ!!
愛莉
…え?
雫
ど、どうしたの?みのりちゃん
みのり
はっ!!
順を追って話さないとわかんないか!と思い、少し焦りながらも説明する
みのり
え、えっ…とですね…
わたしは遥ちゃんにあったことを全て話した
雫
…ッそんな
愛莉
酷い話ね…
みのり
し、信じてくれた…の?
愛莉
当たり前よ
雫
遥ちゃんが理由もなく人を殺めるなんて考えられなかったもの…
愛莉
ただ…
愛莉
世間はそうもいかないのよね…
そう、そこだ
遥
『人殺しなんて推したくないでしょ?』
わたしはそれでも好きだ
だけど、みんながみんなそうじゃない
コメント
『人殺しとか最低』
コメント
『アイドルとしてのプライドとかないの?』
コメント
『もう無理、降りる』
わかってるけど、このままじゃ遥ちゃんが壊れてしまう
みのり
どうしたら…みんな信じてくれるのかな
みのり
遥ちゃん…
大好きで大好きでたまらない遥ちゃんのために
『推し』のために
『推し』…
ほんとうに?
みのり
遥ちゃんを助けたいのに…
この気持ちは本当に
『推し』としての好きだろうか
みのり
遥ちゃんッ…!!
みのり
遥ちゃんを…
愛莉
……り!
みのり
遥ちゃんは悪くないのに、
雫
……ゃん!
みのり
遥ちゃんがみんなに嫌われるなんて
みのり
そんなの…いや…!、
みのり
はるかちゃ
愛莉
みのり!!!
みのり
ふゃっ?!
愛莉
落ち着いて、みのり
愛莉ちゃんは、わたしを優しく抱き寄せてくれた
背中をさすって、落ち着かせてくれている
愛莉
大丈夫、大丈夫よ
雫
えぇ、きっとなんとかなるわ
みのり
でも…でも遥ちゃんが
愛莉
大丈夫
愛莉
わたしたちでなんとかできるわ
雫
遥ちゃんを助けましょう?
雫
私達は、『仲間』なんだから
みのり
愛莉ちゃん…雫ちゃん…
みのり
…ありがとう
みのり
わたし…今日は、帰るね
愛莉
…えぇ、そうしなさい
雫
ゆっくり休んでね、みのりちゃん
少し悲しげな笑顔を浮かべた2人を置いて、私は部屋を後にした
みのりの家
みのり
久しぶりな感じがするな
たった3日
たった3日の、短い逃走劇だった
遥ちゃんの笑顔、仕草、なにもかも、わたしが知ってる遥ちゃんじゃなくなってた
きっと『素』の遥ちゃんなんだ
わたしはそんな遥ちゃんに惹かれた
『推し』としてではなく、『恋愛対象』として
みのり
なに馬鹿なことしてたんだろ…
みのり
遥ちゃんは‥あんなに悩んでたのに
みのり
うぅ…ッ
涙が溢れた
この気持ちが『恋』だと自覚した、それだけだった
わたしは、遥ちゃんに何もできなかった
遥
『どうしようみのり』
遥
『私…人を殺しちゃった』
遥ちゃんが人を殺して、私が通報する可能性だってあった
それでも、遥ちゃんはわたしを頼ってくれた
凄く、嬉しかったんだ
わたし、遥ちゃんがわたしを人質にしたの、嬉しくなかったよ
だってあれじゃ、遥ちゃんが捕まっちゃうもん
それを直接、遥ちゃんに言うために
みのり
絶対助けるよ、遥ちゃん