拾われ系物語

⚠️注意⚠️ このお話にはかなり暴力的な表現があります

性的暴力、身体的暴力等苦手な方はここで読むのをおやめ下さい

俺は桃

今日は仕事が早めに終わったからケーキを買って帰るところ

暗くてよく見えないけど

誰かが歩いてくる

見た感じ子供か？

しかもどんどんこっちに寄ってくるし

信じられなかった

中学生くらいの少年が唇まで青くした弟らしき男の子を抱き抱えている

弟は寝ているようにも気を失っているようにも見える

咄嗟に、声が出た

見捨てちゃいけない

死んでしまう

本能的にそう感じた

自分が着ていたコートを弟ごと覆うように着せる

俺たちのただならぬ様子を見て察してくれたようだ

目にいっぱい涙をためて弟を抱きしめる少年

紫ーくんがみんなに集合をかける

橙が黄に覆い被さるようにする

青と赤の目が真剣になる

こういう所を見るとちゃんと医者やってるんだなって分かる

橙の様子がおかしい

過呼吸を起こしてる

黄まで泣き出してしまった

大人は信用できない

どれだけ助けを求めても信じてはくれない

でも、この人なら…って

思っちゃう

最初は

ちょっと怒りっぽい人なんだと思ってた

体を売ってブランド品を買い漁る母さんが連れてきた男

体が大きくて、手がゴツゴツしてた

母さんは俺たちを育てる気はなかったと思う

食事は週に一回渡されるいくつかの菓子パンでどうにかしていた

あの男が来た時

突然殴られて

黄の泣き声に見向きもしなかったのが唯一の救いだった

そしてだんだんと殴るだけで終わらなくなった

これで殴られないなら、と

服を全部脱いだら

たくさん写真を撮られて

体を触られて

初めて自分以外の"モノ"が体に入ってくる感覚は

気色悪くて

痛くて

苦しくて

全部全部、悪い夢だと思いたかった

でも、毎日写真を撮られて

犯されて

吐くまで殴られて

吐いてるところをまた撮られて

もういっそ死にたかった

でも、黄を残していけない

ただ、それだけを考えて耐えてきた

ある日、

ただただ心を殺して犯されていたとき

男が指した先にはまだ4歳になったばかりの黄がいて

男が黄に手を伸ばした時

頭の中が"守らなきゃ"でいっぱいになって

誰も声を出せなかった

なんと声をかけようと苦しみを分かることは出来ない

でも、分かりたい

目にいっぱい涙をためて

こんなに辛くても泣かないなんて

心配そうに黄を目で追う橙

隣町からここまでなんて少なくとも5キロはある

そして

病院へ行った橙と黄は栄養失調と診断された

青の診察では橙は恐らくパニック障害とPTSDもあるだろうということだった

体のあざも心の傷も簡単には消えない

だから

戦っていこう

これからも

拾われ系の話が好きなのでシチュ募集します！

拾われ以外でも恋愛以外は書けます！

お願いいたします🙇‍♀️