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第十五話 「黒花に手を伸ばしたのは誰か」
静かな会議室に、福岡の低い声が響く。
福岡
福岡
福岡
部下が驚く。
部下
福岡は小さく首を振る。
福岡
福岡
福岡
部下
福岡
画面に、HYDRANGEAに届いていた無名の脅迫状が映し出される。
送り主は記されていないが、印だけが──
『花弁に混じる、黒い水滴』
東京は書庫の奥、創設当初の会議記録を読み返していた。
『第八枠選出時、愛知に確定する以前、“山梨”が一度、候補に上がっていた』
『が、他都市との“協調性”の問題から却下された』
東京の目が鋭くなる。
東京
東京
《福岡より連絡。山梨の動向、追跡開始》
宮城の元に、福岡からの報告が届く。
部下
部下
宮城はメモをめくる。
宮城
宮城
宮城
宮城
宮城
部下が問いかける。
部下
宮城は小さく笑った。
宮城
宮城
宮城
大阪の元に、連絡が入る。
「狙撃者の出どころが、長野経由のルートで入ってきたことが判明。つまり、“中央山岳部”が起点です」
大阪が眉をひそめる。
大阪
大阪
大阪
大阪
部下が問う。
部下
大阪
傷ついた北海道は、病室で静かに寝ている……かに見えた。
だが、その瞳は開いていた。
北海道
隣にいた幹部が、動揺を見せる。
幹部
北海道
北海道
北海道
愛知の元に、ある小包が届く。
中には、割れた風鈴の破片と、もうひとつ──
『“あなたの場所はもう割れています。逃げないでください。”』
それは、かつて愛知が幼少期に使っていた風鈴の一部だった。
愛知
愛知
愛知は、風鈴の残骸をゆっくりと握った。
愛知
愛知
広島が開いた古い帳簿の中、焦げた文書があった。
『第九枠・山梨。特例不承認』
『提案者:東京、福岡』
『理由:暴発的思想の拡散防止』
広島の目が一瞬だけ細められる。
広島
広島
小さく呟いた。
広島
広島
広島
花が毒を含み、誰かがすでにその根元にいた。
HYDRANGEA七都市のうち――誰かが、山梨と通じていた。
疑念の輪が一気に狭まり始める、第十六話。
次回
第十六話 「一輪、赤く滲む」
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コメント
2件
最後の愛知かっけぇ……((( 山梨と誰かが通じていただと…?誰だ…… 続き楽しみ💕