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私の彼氏は〝束縛彼氏〟

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私の彼氏は〝束縛彼氏〟

10 - 私の彼氏は“束縛彼氏” 10話

♥

140

2020年06月09日

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翔side

…ハァ

さっきから俺は何回溜息をついているんだろう…

真菜ッ

そう叫んでももうこの家には君はいない。

___ッ

君がいないとこんなに家の中が広く感じるんだね

俺の目からは自然と涙が溢れ出す。

あー俺なんで泣いてんだろーハハッ

軽く笑って誤魔化そうとするけど余計思い出しちゃうんだ

真菜の事を

真菜

んぁ…朝か

朝食の支度をしようと起き上がろうとしたとき

う…動けない

真菜

…和!

和也

ん…

私は和に腕を掴まれていた。

真菜

…和

寝ている顔なんてほとんど見たことないかもこうしてみると和の寝顔って仔犬みたいで可愛いんだよね

私はそっと私の腕に掴まる和の両腕を離しベッドから出ようとしたその時

真菜

キャッ

グイッて力強く腕を引っ張られベッドへ引き戻される。

真菜

か…和?

そっと尋ねると和は低音ボイスで

和也

行くなよ

ってそっと耳元で囁かれた。

真菜

///和!

和也

なぁ…いいじゃん

和はニヤッて怪しげな笑みを浮かべてそう言う。

真菜

で、でも!仕事が!!!!

そう言いながら無理矢理和から逃れようとしたとき

和也

仕事なんて辞めちゃえばいいじゃん

って、軽く言う和。

真菜

な、何言って……ッ!

その瞬間、和はバンッて壁を勢いよく叩いて

和也

俺の言うことが聞けないって言うの?

って今度はさっきとは違い睨みつけるよな感じの目付きで私を見る。

真菜

ッ和…

その和の表情に身体が小刻みに震える。

和也

なに怖がってんの?真菜が俺の言うことをちゃんと聞けばこんなことにならないんだよ?

真菜

…ッ

和…何なの!?

さっきまでの優しかった和が嘘の様に思えた。

翔side

…?

おかしいなぁ…もう出勤時間過ぎているのに

未だ真菜は来ていなかった。

横を見ればぽっかり空いた俺の隣の席。

俺、今日本当は真菜に会えるの楽しみにしていたのに…な

雅紀

やほー😁

雅紀!?

雅紀は俺のとこに来るなり真菜の席へと腰を下ろす。

ちょッ!雅紀はそこの席は違うでしょ?

そう言うと雅紀は不思議そうな顔をして

雅紀

あれ?翔ちゃん聞いてないの?

何…が?

雅紀

“何が”って…真菜ちゃん本日付で会社辞めたんだよ

えッ!?それ本当かよ!!!

雅紀

で、この空いた席が今日から俺がここの席になったんだ!よろしくね!翔ちゃん♪

…あぁ

真菜、辞めたってどういうことだよ

“明日だってまた会社で会えんだろ?” “そ、そうだよね!”

あの時の返事は、嘘だったのかよッ_

和side

あらら、そーんな怯えた顔しちゃってまぁそんな顔も可愛いからいいんですけど

真菜

和、お願いだからッ!会社行かせて?

和也

無理に決まってんじゃん、ってか行っても無駄だけどね

真菜

な、何言ってるの?

和也

だって俺が昨日真菜が帰ってきた後電話で辞めますって真菜の会社に言っといたから

真菜

え、嘘でしょ!?

驚いた顔をして言う真菜。

残念ながら本当なんだよね

和也

嘘なわけないじゃん

真菜

和、なんでそんなことするの!?

キッて真菜は俺のことを睨む。

そんな事してくれても全然怖くないんだけどね

真菜

なんで!?どうして?

和也

何でって俺が真菜を一人占めしたいからだけど?

真菜

一人占めって…

和也

もう今後一切俺以外の人と近づくのは禁止だからね?

真菜

……和??どういう事?

和也

え?そのまんまのだよ?まぁ俺が触れさせないんだけどね

ククッって笑う和は悪魔そのもののようだ。

和也

あ、そうだ

何やら思いだしたように小走りである引き出しから白い紙を取り出し再び小走りでこっちへ戻ってきた。

真菜

な、何それ…

和也

ん?何って“婚姻届け”だけど?

ちょっと待って?婚姻届けって事は…私と和が結婚するってこと!?

真菜

な、何で…

和也

何でって俺と真菜が結婚するからじゃん?

真菜

“じゃん”って…

和也

早く書いてよ

真菜

私……書けない

和也

は?何言ってんの?

ビクンッ

和、そんなに睨まないでよ…

和也

とにかく、絶対書けよ?書かないとか絶対許さないから、じゃあ俺、会社行くから

そう告げてバタンッと家を出た。

真菜

うぅ…どうしよう

さっき和に渡された“婚姻届け”を両手で持ち、悩む事数分…でも中々考えがまとまらなかった。

和の事は嫌いじゃないむしろ好きだと思う…

でも結婚してからも和からの“束縛”が続くのかと思えば背筋がゾッとする

だからと言って書かずに放置しといたら和に何されるかわからない…

そんな時だったチカチカと鳴る私の携帯。

誰からだと思えば……“翔”からだった。

真菜

…翔?

もしかして私が急に会社を辞めたことで電話してきたのかも……

電話

真菜

…もし、もし?

あ、良かった、電話出てくれて

電話越しから聞こえる翔のホッとしたような声。

あのさ、急に仕事辞めたとか雅紀に聞いてさ

やっぱ、私の予想は的中した。

真菜

ごめんね、なんか和が昨日勝手に私の会社に言ったみたいで…

ッ何だよ!それ!!

真菜

急で本当にごめんね、私にはどうすることも出来ないかも…

何言ってんだよ!!

真菜

だって…

和に刃向かうなんてしたら何されるかわからないし……

真菜

とにかくごめんね!!!

私は最後にそう告げるとそのまま通話を一方的に終了した。

翔side

ツーッツーッツーッ…

……真菜

真菜が辞めたのはやっぱあの“和”とかいう真菜の彼氏が原因かよ

クッソ

何様のつもりだよ…“和”とか言う奴

雅紀

あ、翔ちゃん

雅紀…か

雅紀は“何してんの!”って俺の隣へ来る。

雅紀

浮かない顔してるよ?

そう言って俺の顔を指さす。

は、何言って…

雅紀

真菜ちゃんの事?

そう、今電話したんだけど辞めた理由が真菜の彼氏が勝手にやったことらしくってさ

雅紀

そうなの?

あぁ、それで最後に“ごめんね”だけ言われてきられちゃったんだ

雅紀

そっか…俺だって寂しいよ、せっかくこれからもっと仲良くなろうと思ったんだからさ!

そう言いながら雅紀は口を尖らせる。

雅紀って…あの彼氏の友達だよね?

雅紀

あ、うん、そうだけど?

ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?

雅紀

あ…うんいいけど?

雅紀side

俺さ、真菜の彼氏のことなんも知らんからさ少し聞きたいと思ってさ…良いか?

雅紀

え?あ…うん

何を聞かれるかと思ったらニノの事ね

まぁ、教えちゃってもいいよね? ニノにも翔ちゃんの事知ってることは全て言ったんだし…

雅紀

まず、名前が二宮和也。俺はニノって呼んでるんだけど、ニノとは大学時代の1番の友達だよ

大学時代ってどんなんだったの?

雅紀

…ん、まぁ女の子にモテてて、優しくて、自慢の友達…だったかな

あいつが優しかった!?嘘だろ?

翔ちゃんは目をまん丸にして驚く。

雅紀

ううん、本当

じゃあ何で“束縛”なんかッ……

雅紀

俺もわかんないよ、でもね真菜ちゃんと付き合いたての頃のニノは束縛なんかしてなかったよ?

そうだったんか

雅紀

ぅん、急だよ?あんな風に変わったのは

雅紀ありがと、教えてくれて

雅紀

ううん、また何かあったら聞いて?

分かった

雅紀

うん

あれから席へと戻り仕事を再び始める。

それにしてもさ、ニノは何を企んでるんだろ…

あ、ニノからメール来てる

俺は携帯の受信ボックスを開き内容を読むと…

=========== 櫻井翔の弱み見つけたか? ============

内容はその一言でこのようなメールは最近よく来る。

翔ちゃんの“弱み”大体分かってる

でも言えないだってあんなに

櫻井翔は絶対許さない

って言ってたんだからもし俺が教えて俺のせいで危険な目にあわせるのかと思えば余計教えずらくって…

あれ…?

ニノからメールの本文の下の方に付け足したように一言書いてあった。

================= 早く教えろよ? じゃないとお前も許さないから。 =================

_ッ!!

な…何この文…

早く教えないと俺にも危害を加えられるってこと?

私の彼氏は〝束縛彼氏〟

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今日の投稿楽しみにしています!

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なんとー(T^T)

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