ある噂を聞きつけた
森の奥には巨人がいて
"ある種"の望みを 叶えてくれるらしい
ハサミを掴む "首切り巨人"
人はたちまち それを"神"と呼んだ
少女は歩く "神"に逢うため
そして "ある願い"を 叶えてもらうため
長く歩いていたものの これっぽっちも 疲れていなかった
まだまだ歩ける
まだまだ進める
少女はあたかも何かに 導かれているような そんな気がした
もしかすると 少女の脳には 何かが"寄生"していたのかも
これは仕方がないのお父さん だから悲しまないでお母さん
どれくらい歩いたのだろうか
少女はふと 故郷を恋しく感じ 振り返ってみる
しかし それはもう遅すぎた
少女は森の中へ潜っていた
きっと もう 誰にも見つけられない
濃霧の中
"それ"は以外にも見つかった
樹々の影に潜り 濃霧を羽織って その存在に埋もれ
頭と身体は 認識できない
しかし 少女は凝視していた
少女の身体を一摘みで 掴める程に大きな手
そして手元の大きなハサミ...
"それ"は
少女の探していた "神"である。
少女は異常な景色に たじろいだが "ある願い"を 叶えてもらうため ここに来た
つばを飲み 覚悟を決める
少女
巨人
少女
巨人はハサミを 見つめた気がした
....ッ.....ッパチン...
そこに転がるのは 人の頭
え
え
え
え
フフッ
神は愉しげに ナニカを 切った
ダレカ?
の
カラダを 縦ホウ...コウに
ぎこちなく 切っている
ッジョキ...ッジョキ...
誰かの身体は 真っ二つ
どうして そんなにも 生々しいの?
赤い 赤い 血が
チガゥ...
チガウ
重力に逆らわず 真っ逆さまに 落下して 流れ落ちて...
何の躊躇いもなく どぶどぶ と血が溢れて...
チガウ
違う
そんなもの求めてない
苦しみたくなくて ここに来たのに
嫌だっ!
怖いっ! いやだあああ!!
嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ
どうして 私はこんな馬鹿なことをっ!
どうしてっ!!
どうしてっ!!
神様どうか 私を殺して下さい
こんな馬鹿なことを した私を
どうか殺して下さい
ここに来る少し前 そして今この瞬間
私はそんなことを 考えていた
馬鹿だ
神に首を切ってもらう つもりがこのザマだ
どうして私は逃げている
どうして...
巨人
巨人
少女はぴたと 足を止めた
驚く程に 優しい声だ
さっきまでの恐怖が 一瞬和らいだ
巨人
巨人
巨人
少女
少女
少女
少女
話せる相手だと知った 少女はたちまち緊張がほどけ 涙が溢れ出した
少女
少女
少女
巨人
囁かれる
少女
少女
少女
少女
巨人
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
神は笑った気がした
私は感じた
ああ もう戻れないなと
その笑みは 私を見透かしていた
巨人
巨人
巨人
巨人
巨人
巨人
こちらに向かって 手が延びる
赤く塗られた手が
ゆっくりと
少女
少女
少女
腰が抜けて 身体が動かない
少しでも時間を...
もう少し話を...
巨人
身体を掴まれた 逃げれない程度に
少女
少女
とくとくと脈打つ心臓
衣服が擦れて 赤くなる
少女
少女
少女
にやりと笑った
巨人
少女
巨人
少女
少女
巨人
巨人
涙が止まらない
自分が情けない
少女
少女
巨人
巨人
ハサミを掴む
私は目をつむる
震えが止まらない
巨人
巨人
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コメント
4件
投稿ありがとうございます🙇♂️ 題名から、何となくホラーかな?と思っていたのですが、ファンタジー要素が強くて、物語に強く惹かれました! そして最初の「何かに寄生…」が比喩ではなくて、ちゃんと伏線になっていることに気づき、背筋が伸びました🥺🥺