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「夕暮れの約束」
凛
凛
スマホの画面をいくらタップしても、「圏外」の文字は消えてくれない
動画もSNSも見られない
車窓の外に広がっているのは、どこまでも続く山と田んぼだけだ
凛
俺──小川 凛(おがわ りん)は、ガタ ゴト揺れる電車のシートに深く体をもたれかけさせた
数日前、親が急に離婚することになった
家の中は連日大ケンカでぐちゃぐちゃ
巻き込まれる形で、俺は高校1年の夏休み直前だというのに、父親の実家がある「神憑村」っていう超ド田舎に追い出されることになったのだ
しかも、一緒についてくるはずだった親父は、途中の駅で「ちょっと電話してくる」と言ったきり姿を消した
次は〇✕駅です お降りのお客様は、 一番前のドアをご利用ください
ツーツー…… ツーツー……
「おかけになった電話番号は、現在使わ れておりません 番号をお確かめにな って、もう一度お掛け直しください」
凛
電話も繋がらず、完全に父親にも逃げられてしまった
一人でたどり着いた無人駅で俺を出迎えてくれたのは、優しそうだけどちょっと耳の遠いおじいちゃんとおばあちゃんだった
古くてやたら広い家に案内されて、親父がいなくなったことを伝えたのに
二人は「そうか … 凛、大変だったな」と言うだけ
なんだか拍子抜けするくらい平気そうだったのが、逆にちょっと気味が悪かった
その日の夜、夕飯を食べている時に、おじいちゃんが急に真面目な顔をして俺を見た
おじいちゃん
おじいちゃん
凛
おじいちゃん
おじいちゃん
凛
凛
凛
俺が呆れて笑うと、おじいちゃんはまったく笑わずに俺をじっと見つめ返してきた
おじいちゃん
おじいちゃん
凛
おじいちゃん
おじいちゃん
凛
理由は教えてくれず、ただ「ダメだ」と繰り返すおじいちゃん。なんだか不気味だったけど、田舎特有の変なルールだろうと思って、俺は深く考えないことにした
翌日───やっぱり親父からは何の連絡もなかった
部屋にはエアコンもなくて、扇風機のぬるい風がまわっているだけ。イライラしてじっとしていられなくなった俺は、気晴らしに外へ出た
凛
凛
愚痴をこぼしながら歩いていくけど、見渡すかぎり田んぼと古い家しかない
イライラしながら適当に歩いていたら、いつの間にか集落の外れまで来てしまっていた
ふと前を見ると、森の入り口に古くて赤い鳥居がぽつんと立っているのが見えた
凛
凛
行くなと言われれば言われるほど、行ってみたくなるのが人間の性だ。どうせヒマだし、都会の鬱憤(うっぷん)もたまっている
凛
俺が鳥居に向かって一歩踏み出した、その時だった。
ㅤ⠀
妙に低くて、でもすごく通る声が聞こえて、俺は思わず立ち止まった
凛
振り返ると、鳥居の横にある大きな木の陰から、同い年くらいの男の人が歩いてくるところだった
黒い制服を着ていて、髪はハイトーンの金髪。なんだか少女漫画に出てきそうなくらい整った綺麗な顔をしているけれど、どこか困ったような表情で俺を見ていた
謎の男
コメント
1件
第1話めっちゃ面白かった…!!「夕方5時以降は外にいても振り返っちゃダメ」ってルール、すごく不気味でゾクゾクしたよ😭 都会育ちの凛くんが「子どもじゃないし」って笑うとこ、リアルで好き。でも最後に金髪のイケメンが現れて終わるの、続きが気になりすぎる…! のーんさん、この設定センス良すぎます✨ 次話も絶対読むね!🌸
#大人ロマンス
のーん
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