sm
kn
...その後、疲れ気味だったsmをもう一度寝かせた。
すやすやと眠るsmを、ただ優しく見守る。
、無防備なsmを見ているとたまに思う。 ...俺が、守ってあげたいって。
kn
それは、一年くらい前の話。
kn 母
kn 父
kn
両親の仲が悪化して、ついに父の方が手を出すようになってしまった。
父が酒に溺れ、終いには母を殴り続ける毎日で。
幸い俺に危害は加えないものの、 こんなやつが俺の父親なのだという事実に吐き気がした。
kn 父
...毎回毎回、扉の閉まる音がした途端、母は俺に縋ってくる。
人形を扱うような手つきは気に入らないが、俺を大切に思ってくれているのだと感じるのは これも事実で。
kn 母
kn 母
両肩を掴み、眉を下げ、やつれた下手な作り笑顔で俺を見る。
kn
守らなきゃいけない。 俺が、母を。
kn
kn 母
kn 母
...口角を少し上げてみれば、目の前の母は俺を子猫のように撫でた。
泣きそうな表情と、その俺に甘えているこの時間が大っ嫌いだった。
、どうせ、俺は何もしない、何もできやしないのに。
kn
kn 母
kn
苦しい、苦しい、苦しい。 俺は俺のことで精一杯なのに、どうやって母のことを守ればいいの?
守るって、俺があんたの身代わりになるってこと? ...代わりに、暴力を受けろってことなの? 、2人の問題なのに、どうして俺が巻き込まれなきゃいけないの、?
父が怒っているのはわかってる。 どうせ声を聞けばわかるんだから。態度に出ているんだから。
力のせいで、知らなくていい部分まで知ってしまうのが辛かった。
こんな力、なくなってしまえばいいのに、
渦巻き続けるその思いは、いつしか俺を追い詰める材料となっていた。
kn
寝顔を眺めながら、独り言のように呟く。
一目惚れに近い俺の恋は、あのときの自分を救ってくれた。
...今あるsmへの「守りたい」と母への「守らなきゃ」という考え方の違いは。
きっと、きっと俺がsmを好きでいる証拠なのかもしれない。
kn
kn
kn
kn
そう言い、もう一度smの前髪を撫でた。
shk
kn
shk