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月の光を辿って

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月の光を辿って

10 - 第10話 アルコイリス学校

♥

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2025年03月26日

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スイ

という訳でして……。

スイ

学校の先生と先輩が調査を手伝ってくれることになったんです。

霽月

そりゃあ良かったじゃん。
人は多ければ多いほどいいし。

イザヤ

丁度こっちでも2人手伝ってくれることになったんだ。

イザヤ

そろそろ来るはずなんだが……

???

招待されたのはこちらで合っていますか?

リアム

うん、そうだよ。

リアム

あ、ここ段差になってるから気を付けて。

???

えぇ。

霽月

……ってか、あたし協力者が居るとか知らなかったんだけど。

すると、リアムと1人の女性がやって来た。

???

おや……そちらの方は初めましてですかね?

メグリ

初めまして。

メグリ

わたくしはメグリと申します。

霽月

……あんた、盲目なの?

リアム

……。

リアム

霽月さん、初対面の人にそれは失礼じゃない?
確かに姉さんは盲目だけど。

メグリ

わたくしは大丈夫ですよ。
目が見えないのにも慣れましたし。

霽月

慣れた?

リアム

姉さんは生まれつき盲目だった訳じゃないんだ。

霽月

そうなんだ。

メグリ

そして……今日は何故わたくし達をここに招待したのですか?

メグリ

何か理由があってのことなのでしょう?

イザヤ

あぁ、それが───

イザヤはこれまでのことをリアムとメグリに話した。 リアムは少し驚いた表情をしていたが、メグリは表情1つ変えずに話を聞いていた。

イザヤ

……ということだ。

メグリ

えぇ、事情は分かりました。

メグリ

その研究所の調査の件も了解しました。
わたくし達もご助力します。

リアム

え……姉さん本気?

リアム

今の姉さんは目が見えないのに、
そんな危険な調査に協力なんてしたら……

メグリ

困っている方を放っておく訳にもいかないでしょう?

リアム

そりゃあそうだけど……

リアム

でも、それで姉さんが怪我したらどうするの?

メグリ

わたくしはいいんです。

メグリ

こんな不自由な体でも、皆様の助けになることが出来れば本望です。

リアム

……だよね。やっぱり。

リアム

僕もその調査に参加するよ。

霽月

仲間が一気に増えた……。

霽月

……ってか、こんな大人数で何の調査するの?

スイ

まずは研究所についての情報収集ですよね?

スイ

私、今日学校から帰ってくる前に、今回の件で協力してくれる人達と話してきたんです。

スイ

少し話し合いをしただけなので調査までは進んでいないんですが……。

イザヤ

まず、俺達は冬凪研究所について片っ端から調べる。

イザヤ

スイは協力者と共にゲントウについて調べてくれ。

イザヤ

……つい最近、お前の通っている学校を調べていて知ったことがあるんだ。

イザヤ

スイ、お前が通っているのはアルコイリス学校だったな?

スイ

あ、はい……。

イザヤ

アルコイリス校には地下があるらしい。

イザヤ

その地下には、冬凪研究所についての記録がいくつもあるそうなんだ。

スイ

え?

霽月

いやいやおかしいでしょ!

霽月

そもそもどうしてスイ達の通っている学校に?
絶対研究所と関係ないじゃん

イザヤ

いや、全く関係ないとも言えないみたいだ。

イザヤ

冬凪研究所は元々別の場所にあったそうだ。

イザヤ

それもアルコイリス校の近くにあったらしい。

霽月

はぁ?

メグリ

おや、そんなことが。

イザヤ

メグリさんは知らなかったのか?
アルコイリス校の卒業生と聞いたんだが……。

メグリ

えぇ、その通りです。
しかしそんな話題聞いたこともありません。

イザヤ

昔のアルコイリス校周辺の地図は入手できなかったんだ。

イザヤ

だから今アルコイリス校に所属しているスイ達に地下室を調べてきてほしいんだ。

霽月

そもそも本当に地下室なんてあるの?

イザヤ

分からない。
この情報も正確じゃないしな。

イザヤ

それに、移転がどうのこうのなんて話は俺が居た時は1回も聞いたことがない。

イザヤ

本当に移転があったかすら怪しいんだが……

霽月

……ま、調べんのあたしじゃないしいっか。

スイ

霽月さん……。

霽月

冗談だよ。

霽月

冗談だからそんなマジな顔しないでって。
とりあえずその拳しまって?

霽月の発言を聞いたスイは一見大人しそうだったが、握りしめていた拳が震えていた。

イザヤ

これでどこで何を調べるかを詳しく決められたな。

イザヤ

スイは決まったことをお前の協力者達に通達してきてくれ。

スイ

分かりました。

イザヤ

俺達もやることが無い訳じゃないからな。
きちんと働けよ、霽月。

霽月

イザヤもサボり癖まぁまぁある癖に……。

イザヤ

お前よりかはマシだ。

スイ

自分にサボり癖があること認めちゃっていいんですか???

イザヤ

……まぁ、それも事実だからな。

イザヤ

俺は嘘はつかない性格なんだ。

ゲントウ

さぁーてと……

ゲントウ

そろそろあいつらが動き出した頃か?

ゲントウ

俺もさっさと動くか……。

職員

あ、あの……先輩?
先程から何を───

ゲントウ

……黙れ。
そしてさっさと仕事に戻れ。いいな?

職員

は、はい───!

職員

ご、ごめんなさいっ!
失礼しました!

バタンッ

???

……あーあ、可哀想。
あの子達、今頃きっとキミの愚痴を言ってるよ。

ゲントウ

そうかそうか。
オレの知ったことじゃねぇ。

???

本当にモルモットちゃんのことしか興味ないんだねぇ〜。

???

キミに好かれるモルモットちゃんも可哀想。

ゲントウ

……だが、お前もイイ趣味してるよな?

ゲントウ

陽葉。

陽葉

……あはは、バレちゃった?

陽葉

ちょうどこの子で遊ぼうとしてたの〜!
キミも一緒に遊ぶ?

くすくすと笑いながらそういう陽葉の手には、ネズミの死体が握られていた。

ゲントウ

ネズミの死体……。

ゲントウ

お前、それで何しようとしてたんだ?

陽葉

うーんと……

陽葉

まぁ、キミのところの職員で遊ぼうとしてたんだよ!

陽葉

机の上に死んだネズミを置いておいたら驚きそうだと思って!

ゲントウ

そうか。
やるなら勝手にしてくれ。

陽葉

止めないの? いいの? やっちゃうよ?

陽葉はそう言うと、ニヤリと笑ってゲントウを見つめた。

ゲントウ

あぁ。勝手にしろ。

陽葉

へぇ。
キミ、あの子達のこと嫌いだったんだね。

陽葉

自分より下の子には強気で出るのに自分の前だとヘコヘコしてるのが気に入らなかったの?

ゲントウ

そんなところだな。

陽葉

ま、私はここの職員じゃないから、
キミの職員がどうなろうと構わないんだけど!

ゲントウ

ネズミくらいであいつらはどうにもならねぇよ。

ゲントウ

そんな間抜けだったらオレが既に殺している。

陽葉

そうかなぁ〜?

陽葉

あの子達、意外と間抜けだからすぐギャーギャー騒いで泣いちゃうかもね?

ゲントウ

……。

陽葉

えーっ、無視ぃ〜?

陽葉

……まぁいいや。

陽葉

それじゃあ私は遊んでくるね〜♪

陽葉はスキップしながら部屋を後にした。

次回:2025年4月1日

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※宵月のミスで11話の方を先に公開してしまいました。 ということで10話と11話どっちも公開したのでまあなんか楽しんでいただけると嬉しいです。 ちなみに12話の更新は2025/04/01です

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