私と焚石くんの出会いはひょんだった
梶れあ
…
焚石矢
………
梶れあ
(綺麗な人だな…)
赤く染まった髪に黄色の目
静かに物事を見つめ続ける彼に、私は次第に惹かれていった
梶れあ
ねね焚石くん
焚石矢
…
梶れあ
焚石くん?
焚石矢
……
何回呼んでも振り向いてもらえない
梶れあ
(せっかく隣の席なのに…)
焚石矢
ギロッ
梶れあ
っ!?
焚石矢
…なんだ
梶れあ
…!!
梶れあ
下の名前なんて読むの?
焚石矢
………「ちか」
梶れあ
ええ!そうなんだ!てっきり「や」かと思ったよー笑
焚石矢
……
焚石矢
フッ、そんなわけないだろ
梶れあ
(わ、笑った……!!)
そこから私は事あるごとに焚石くんに話しかけるようにしていた
彼は迷惑そうにしていたけど反応はしてくれていた
その時の私は梅さんや椿や柊と仲が良くなかった
まあ私が関わっていなかったから。 私の居場所は完全に焚石くんの近くだと思いこんでいた
でも風鈴統一直前
梶れあ
焚石くんどこ行くの!?
焚石矢
…ついて来るな
梶れあ
え………?
焚石矢
俺は風鈴を去る
梶れあ
!?
梶れあ
ど、どうして…?
焚石矢
もうここにいたくないと思ったからだ
梶れあ
そんな…
梶れあ
じゃあ私も
焚石矢
お前の来る道じゃない
梶れあ
っ…
焚石矢
ついて来るなら女でも容赦しない
梶れあ
焚石くん…
私は焚石くんを追いかけようとしていたけど焚石くんは一方的に私を突き放した