テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
そして翌日
yanくんが言っていたように 約束の日は見事な快晴だった
et
hr
nokr
病院の駐車場に停められた車の 後部座席に乗り込んで2人にお礼を言う
昨日外出許可の承諾をもらおうと電話を かけた時2人はいい反応をしなかった
理由を聞かれてyanくんのことを 正直に話すと2人は少し考えたあと
付き添いを条件に許可をくれたのだ
そして夜、hrくんからno兄が 車を出してくれると連絡が来た
hr
hr
et
et
助手席に座るhrくんに向かって頷くと hrくんは小さく息を吐いた
hr
et
顔に熱が集中するのがわかる
そんな私を見て笑うから 私は唇を尖らせた
そうしているとhrくんとno兄の 優しい視線が向けられる
nokr
nokr
目を離すのは心配なはずなのに yanくんとの時間を尊重してくれた
どれだけ感謝しても、しきれないよ
それから10分もしないうちに yanくんが松葉杖をついてやって来た
yan
yan
nokr
nokr
yan
hr
なぜかびっくりしているhrくん
yan
hr
yan
そっか、2人は部活が 一緒だから面識があるんだ
et
hr
et
yan
yan
hr
et
なんか礼儀正しくしはじめて 結婚のお話でもするかと思うほどの
空気で顔が熱くなっていく
yan
nokr
そう言ったno兄の言葉を聞いて yanくんは真剣な顔をして頷いた
yan
その真剣な空気に 耐えられなくて言葉を放つ
et
私の必死な顔に3人とも笑っている
nokr
no兄の言葉を合図に私たち4人を 乗せた車は爽快に走り出した
車を1時間走らせると 海は見えて来た
et
yan
後部座席ではしゃぐ私たちを 前にいる2人が微笑ましそうに見ている
気恥ずかしくなって顔をそらすけど きっとバレバレなんだろうなぁ....
nokr
お昼ご飯を食べたあと海岸の近くで 私とyanくんが車を降りる
nokr
送り出してくれた2人の表情が 少しだけ硬かったことには 気づかないふりをして別れた
yan
yanくんが先に歩き始めて 私はその後を追う
降り続いた雨の影響か海藻や 流木などが打ち上げられていたが
波は案外穏やかだった
et
yan
真上から続く鮮やかな青といつも 同じ場所で構えている深い青
それら二つを分ける水平線を 2人でじっと眺めた
約束、ちゃんと果たせてよかった.....
しばらく無言で海を見つめていると 突然yanくんが顔を覗き込んできた
yan
et
松葉杖なのに!?
止めようと思ってももう遅かった
ただでさえ足を取られる砂浜なのに
yanくんはどんどん海の方へ歩いていく
もう、yanくんったら.....
濡れても知らないからね
ふうっと息をついて yanくんの跡を追おうした
その時だった
et
混ざるはずのない青が 私の世界で混ざり合った
打ち寄せる波の音のほかに 甲高い音が聞こえる
なんでよ......
今の今まで平気だったのに.....
et
お願い、もうちょっとだけでいいから
私に時間をください
ぎゅっと目を閉じて視界をリセットする
大丈夫、大丈夫だ.....
まるで呪文のように心の中で繰り返した
yan
et
et
yanくんの呼びかけに できる限り明るく答えた
転ばないように気をつけながら 波打ち際にいる彼の元へと歩みを進める
彼は波が来ないギリギリの ところで地面と睨めっこしていた
yan
et
yan
なんて口では言ってるけど
頭の中ではどうやったら安全に 海水に触れられるか考えてるに違いない
柔らかい黒髪が潮風になびくのを ぼうっと見つめていると
不意に顔を上げた yanくんと視線が絡んだ
yan
ふっと微笑んでyanくんが首を傾げる
すぐに心臓が早鐘を打ち始めた
その仕草は......ずるいと思う
et
赤くなった顔を隠すように yanくんに背中を向けて歩き出す
砂が足に絡みついて ものすごく歩きにくい
yanくん松葉杖でよく歩けるなぁ
って思っていると....
yan
背後でyanくんが声を上げた
びっくりして振り返ると yanくんが砂浜に倒れ込んでいる
転んだの!?
et
慌てて駆け寄ると彼はゴロンと 仰向けになって私に手を伸ばした
......起こせってこと!?
et
伸ばされた手を取って 起こそうとしたら逆に引っ張られた
瞬間、私の世界が真っ暗になる
視界を埋め尽くす、yanくんのシャツ
鼻に届くのは出会った時と 同じ爽やかな匂い
全身に感じるのは.... 私のものではない体温
et
あまりの突然の出来事に声が出ない
今私は、砂浜に寝ころぶyanくんの 上にいて、抱きしめられている
これは、もしかしなくても
et
逞しい腕の中でyanくんを 見上げると彼は楽しそうに笑った
yan
et
yanくんがいるとは言え 砂まみれになっちゃったよ
むうっとむくれてみるけど
伝わってくるyanくんの体温が 心地よくて起き上がりたくない
目を閉じてぬくもりに全てを預けてみる
et
yan
唐突な感謝の言葉に yanくんは怪訝そうに問い返す
et
et
大好きな腕の中で そう遠くない過去を振り返る
あの日、あの瞬間yanくんと 保健室で会わなかったら....
私は今、ここにいなかったかもしれない
et
et
yan
et
et
誰とも関わらずに 学校生活を過ごそうと決めた
感情に蓋をして頑丈な鍵をかけた
その鍵を真っ向から壊しにくる人が 現れるなんて思ってなかったんだよ
et
et
好きなんて、絶対に言わない
でもせめて、感謝の言葉くらい伝えたい
et
et
言い終わる前に世界がまた反転した
砂浜の熱を背中に感じるけど 砂浜に手をついて私を見下ろす yanくんに意識が集中している
これ、どういう.....
状況を理解する前にyanくんの 顔がゆっくりと近づいて来た
唇が触れる
そう思った瞬間yanくんの 目が切なく細められた
yan
噛み殺すように言ったyanくんの 唇が私のものと重なった
私の熱とyanくんの熱と 照りつける太陽の熱が混ざる
2度目のキスに含まれた意味を 私は理解することができなかった
et
ゆっくりとyanくんの熱が離れていく
放心状態で砂浜の上に寝ころぶ 私の前からどいて彼はそっぽを向いた
yan
yan
et
yan
左足を庇うようにしてyanくんは 立ち上がりまた先を歩いていく
変なこと言うからって....
普通口で塞ぐ!?
yanくんを追いかけようと立ち上がって ついた砂を払う.....つもりだった
et
だけどその瞬間、頭に鋭い痛みが走り 私はその場にうずくまる
耳鳴りがひどい
意識が朦朧とする
さっきみたいに目を瞑ってみても 瞼の裏に広がる暗闇でさえ歪んで見えた
et
蚊の鳴くような声で呼ぶと 彼の背中が振り向いた
yan
et
痛みが一層ひどくなり砂浜に膝をつく
yan
yanくんがもう一度名前を呼んだと ほぼ同じタイミングで私は砂浜に倒れた
私を呼ぶ声が徐々に遠のき やがて意識は完全に途絶えた
ゆらゆら揺れる世界の中
もうダメかも......
って、本気で思った
もうすぐ誕生日だったのになぁ......
私はまだ16歳で、yanくんは17歳
そのたった一歳の差が ものすごく大きく感じたんだ
コメント
6件
わ ぁ … 泣ける ぅ 🥲︎ 🩷 y a n 裙 やば ッ ! ! イケメンすぎ … ! 1 つ 1 つの 仕草が格好良すぎて惚れる ~ ! 後 2 話 か 🥹 続き楽しみに してるね ! ! e t 彡が目を覚ま す事を願う っ … ! !
最高でした🥹 ナレーション的な所の言葉選びが上手すぎる😖 気づいたかな⁉️ 107にしたんだよ~!!✨