月
1年生はこちらからどうぞ〜
陽会長
月ちゃん、俺あっち行くからこの辺りよろしくね
月
はい!
にこにこと笑って返すと会長もふっと微笑む
その袖を、引っ張られた
ピンク髪の後輩くん
…
月
…?
ピンク髪の後輩くん
…ぃ
月
あ、あの…どうしました?
月
なんて…
ピンク髪の後輩くん
ピンク髪の後輩くん
…1年の教室って
ピンク髪の後輩くん
どこ?
月
え?あ、えっと…何組ですかっ?
ピンク髪の後輩くん
3
月
じゃあこっちの棟の2階突き当たりだね
ピンク髪の後輩くん
…そっか、ありがとー
月
はい〜
月
…っじゃなくて!敬語!
ピンク髪の後輩くん
あははっ
軽くため息を吐いてそのピンク色の髪の毛をちらりと見たあと、わたしは案内に戻った
???
ね、どうだった
ピンク髪の後輩くん
会長はいなかったけど
ピンク髪の後輩くん
…ひとり、女の子のせんぱいがいた
???
あれ?いなかったの?なーんだ
???
それであの生徒会に、ほんとに入るつもり?
ピンク髪の後輩くん
…うん、やっぱり、入らなきゃ
ピンク髪の後輩くん
白花の生徒会には
???
そ
???
んじゃ教室行こっか
ピンク髪の後輩くん
うん
こわい後輩
センパイかんわいいすねぇ
こわい後輩2
俺らとさぼっちゃいましょーよーぉ
月
…今は生徒会の仕事中だからあとで誘ってほしいな〜
こわい後輩
おっ!まじ!ノリいいすね!
こわい後輩
でもでも、今からでよくないすか?
こわい後輩2
ね!ひまでしょ?生徒会の仕事なんて
月
そんなことないよ?わたしが忘れちゃうことがいっぱいなくらい
こわい後輩2
まっじめー
月
あなたたち、何組?教室に向かわなきゃ注意しちゃうぞ〜
こわい後輩
もう注意じゃんそれ笑
こわい後輩
何組だと思う〜?
月
…分かんないな〜教えて?♡
月
(…どうしよう、埒が明かない)
にこにことしたまま思考をぐるぐると巡らせる
足りない脳を必死にフル回転してもわたしに拒絶という選択肢は、常にない
こわい後輩2
教えたげるからいっしょしよ!
こわい後輩2
ほらぁ
2人の男の子は楽しそうに笑うとわたしの手を取る
月
(いた、い…っ)
月
し、仕事中だから…っ
こわい後輩
あはっ、かわいいねセンパ〜イ
月
(う…、会長…は行っちゃったし)
月
(どうしたら…)
散沢副会長
あの
月
!
こわい後輩
おっかわいい!センパイもいっしょにどうすか!
散沢副会長
あなたたちは1年生ですのね
散沢副会長
今すぐに教室に向かいなさい、場所なら教えてあげますわ
こわい後輩2
えー?でもそんなことより───
散沢副会長
…分かったら早く、その手を離しなさい
ぐっと散沢副会長が後輩くんたちの腕を掴む
こわい後輩2
いだだだだだ!!!ちょ!タンマ!離して!!
こわい後輩
…ってえ、んだよコイツ
こわい後輩
おい、生徒痛めつけてんじゃねーよ生徒会が!
散沢副会長
あら?先に生徒を傷つけたのはどちらかしら
散沢副会長
私たち生徒会はこの学園の秩序や規律を守るためにここにいるのよ
こわい後輩2
なんだそりゃ…こえぇ、おい、もういーじゃん
こわい後輩
ッチ、オラ行くぞ
散沢副会長
教室はそちらではありませんわ
散沢副会長
仕方がないので教室まで連れて行ってあげましょう
こわい後輩2
げっ…!ウソだろコイツ!サボれねえじゃねーか!
散沢副会長
サボる気でしたの?いけませんわ
ニコニコと微笑んでいる散沢副会長を呆然と見つめたまま、わたしは硬直する
月
な…
月
す、すご…
カッコいい副会長に感謝を込めて
わたしも張り切って仕事をした
月
あ、副会長!さっきはありがとうございました…!
散沢副会長
いえ、気にしないで
月
センパイ、とってもかっこよくて…えへへ
散沢副会長
あら?嬉しいことを言ってくれるのね
散沢副会長
燐咲さんてかわいいのね〜?
ふふ、と微笑むと副会長はわたしの頭を撫でた
月
!?
散沢副会長
ふふ
月
ふぇっ…せ、センパ…
陽会長
こらー、散沢
陽会長
月ちゃんウブなんだからやめなさい
散沢副会長
ふふ、初々しいのは好きよ
陽会長
あ、そうだ…ん、お疲れ
月
あっ!お菓子!ありがとうございます!!
陽会長
っふ、変わんないね
散沢副会長
?
陽会長
月ちゃんを懐かせたいなら餌付けが1番だよ
散沢副会長
あら、そうなのね
月
餌付け!!!!
月
その表現やめてくださいっ
河本くん
かいちょー、片付け終わりました?
陽会長
あ、うん、もう大丈夫だよ
月
河本くん!お疲れ〜
河本くん
…燐咲、さっき下で誰かあんたのこと探してた
月
え?







