雨降る町、自分を探して

返事はない

傘をさしながら歩く

こんな日常がこのまま続くのだろうか…

最近そんな事ばかり考えてる…

気のせいかな…

この近所に住んでいる同級生は多い

少し先は結花たちの家の方

もし見つかったら……

そんなこと考えたこともなかった

でも今思い返せばそう思えなくもない

心の中を見透かされてる気分だ

海晴は勘がすごくいいからなのか

その言葉が心に突き刺さる

そんなふうに思ってたなんて…

海晴に言われて

これまで気が付かなかったことでさえ

気づかせてくれる

頭の回転が速いと言われたからか

なんだか照れくさい

そんなこんなで海晴と別れ

買い物をして

重い荷物を持って坂を登る

なんとなく海晴の言葉が蘇る

これまでどうしよう、

なんか起こったらどうしよう

そんな事ばかり考えていた気がする

暗くなった窓のカーテンを

ぼんやり見つめながら

考えてみる

表情……かぁ……

海晴のお陰かな……

元気が湧いてくる気がした

今は明日の不安に駆られていても

未来が全然分からなくても

今を楽しむことで

世界も輝いて見えるだろうか

外はまだ雨が降っている

今はどん底でも

楽しんで生きていけば

生きる意味も見つけられる

そんな気がした―