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数日後――。
朝から学校に行き、毎日決められた午前のカリキュラムをこなすし、昼食を食べて午後のカリキュラムを終えてしまえば、後は家に帰るだけ。
このルーティンを週に5日も繰り返しているなんて、日本人はなんとも勤勉なのであろうか。
ただし、部活動などはやっていない。
社会に出た時に役に立つとか、今しかできないことがある――とか、それっぽい理屈を並べられたところで、一里之は部活動に有意義な点を見つけることができなかった。
要
校門を差し掛かったところで相川が要が呟いた。
いくら幼馴染とはいえ、こうして一緒に下校するのは珍しい。
変な噂が立っても困るし、いつもなら要に頼まれても、一緒に帰ることは拒否していただろう。
しかし、今日ばかりは状況が違う。
今朝方、息も絶え絶えだった黒猫が、校門前で見つかったらしい。
現場を見たわけではないが、誰かが動物病院に連れて行ったらしい――というところまでは噂で聞いている。
一里之
一里之
校門の門柱には、ピンクの蛍光塗料で、いつものサインが残されていた。
さすがにすぐには消せなかったのか、それとも業者に任せるのか。
いまだにサインは残されていた。
一里之
ふと、門柱のメッセージを凝視する女子生徒の姿を見つけた。
要
すました顔――というか、基本的に動きのない表情のまま、まだ消されていないサインを見上げている。
要
学校が終われば、いつの間にか帰っている。
特に部活動をしているわけではないだろうし、とにもかくにも煙のように下校してしまっている。
そんな印象が強い彼女だからこそ、校門でじっとサインを見つめている姿は珍しい。
千早
一里之
一里之
千早
千早
千早
クラスでは誰とも関わらず、また関わらせない空気を漂わせている千早だが、どうやらクラスメイトのことは認知してくれているらしい。
なんだか名前を知ってもらえているだけで嬉しくなった。
千早
千早
一里之
千早
千早
一里之
一里之
要
要
千早
千早
一里之
要
千早
千早が言いかけた時のこと、バケツとブラシを手に持った警備服姿の男がやって来た。
河合
河合
河合
河合
一里之
一里之の通う高校には、警備員が常に待機している。
どうにも物騒な世の中だから、警備員くらい常駐していても珍しくはないだろう。
????
少し遅れて、同じ制服を着た男性がやってくる。
河合
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男に言われて、門柱から離れる。
要
要
河合
千早
河合
河合
河合
河合がそこまで言いかけたのを、もう1人の男のゲンコツが遮った。
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河合
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????
????
????
要
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????
????
男の胸にあるネームプレートを見ると、確かに【河合】とある。
一里之
河合
河合
要
千早
要が何かを言いたそうだったが、千早の一言で引き下がることにした一里之達。
一里之
一里之
一里之
要
千早
要と千早が言葉を発したのは、ほぼ同時だった。
要
千早
一里之
要
要
居場所がなくなりつつある人達。それはおそらく【アイ】の2文字が名前に含まれてしまっている人達のことを指すのだろう。
要
要
一里之
要
千早
一里之
一里之を置いて歩き出した要と千早。
一里之は慌てて彼女達の後を追ったのであった。