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僕の独白②
運命とはきまぐれなものであって、そして不思議なものだと思っている。
僕としては例の事件に巻き込まれてしまったことは不幸でしかないはずだ。
でも、あの事件がなかったら、僕と千早はいまだに繋がりを持っていなかったかもしれない。
災い転じて福となす――ってやつだね。
さてさて、例の事件はどうなったのか。
続きを見てみよう。
すでに下校時間を過ぎているから、集合は学校近くのファミレスになった。
ここは、一里之の通う高校の生徒御用達というやつであり、この時間帯は生徒の姿も見受けられる。
要
要が呼びかけてから、その【アイちゃん被害者の会】メンバーが揃うのは早かった。
愛
愛
彼女は3年の飯山愛(いいやま あい)というらしい。
控えめな雰囲気であり、学年も違うことから、こうして会うのは初めてだ。
要
アイク
アイク
流暢な日本語で話す彼は、アイク・ブラウン。
高校で英語を教える、俗にいうALTというやつだ。
要
アイク
アイク
アイク
アイク
愛
千早
各々の手元には、各々が頼んだ飲み物が並んでいる。
いわゆるドリンクバーというやつだが、千早の手元にあるのは抹茶の入った湯呑みだ。
雰囲気としてはマッチしているが、数ある飲み物の中から選ぶにしては、かなり渋いチョイスだ。
藍華
藍華
彼女は合田藍華(あいだ あいか)で、同じ学年。
苗字にも名前にも【アイ】が入っているというレアなパターンだ。
一里之
学校側だって馬鹿ではないから、生徒への影響を考え、当初はなんとか隠蔽しようとしたと思う。
しかし、立て続けに事件が起きてしまったがゆえに、対応しきれなくなったのだろう。
警備員に落書きを消させているくらいだから、学校側の対応なんてたかがしれている。
結果的に【惨殺アイちゃん】のサインが現場に残り続けていたりしたせいで、一気に事件は有名になった。
千早
千早
愛
愛
藍華
要
アイク
流暢ながらも、語尾を伸ばしたりするアイクの喋り方。
一里之
千早にだけ聞こえるような声で、抹茶をすする千早に問うてみる。
千早
千早は話を聞くことに徹底しているようで、軽くいなされたような返し方をされた。
要
藍華
藍華
一里之
千早
千早の一言で、猫を動物病院に運び込んだ張本人ということに気づいたのであろう。
愛
アイク
藍華
口々に事件への不満をもらす。
要
要
要
愛
千早
千早
そう、この事件の面倒な部分は、危害が加えられたのは小動物であり、実質的な被害者が存在しないことだ。
もちろん、動物達は被害に遭っているわけだが、日本の法律という観点から見ると、そこまで大きな罪には問えない。
藍華
藍華
ふと、千早が立ち上がった。
一里之
千早
千早
一里之
千早
千早
そう言い残し、千早はファミレスを出て行ってしまった。
要
一里之
千早のいなくなったファミレスでは、それ以降あまり話も進まず、自然と【アイちゃん被害者の会】は解散の流れとなったのであった。