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とある家に生まれた一人の少女

彼女は生まれつき目が見えない

そのせいなのか両親からは人並みの愛を受け取ることはなく育った

物心がついて数年がたったある日

彼女の前に非科学的な存在

悪魔が現れて契約を交わさないかと話をもちかける

悪魔

人間の小娘よ

少女

悪魔

貴様のことは私はよく知っている

悪魔

災難な運命に導かれているようだな

少女

わかんない

少女

私にとってはこれが普通だから

悪魔

悪魔

もしもだ

悪魔

もし一つだけ願いを叶えられるなら

少女

え?

悪魔

願いを叶えられるならどうしたい?

少女

……

悪魔

どんな願いでも私が叶えてやる

悪魔

しかし代償は必要だ

悪魔

そうだな……

悪魔

その願いを叶えるがお前は10年足らずで死に至る

悪魔

どうだ?

悪魔

ハイリスクだがなんでも叶えてやるぞ

少女

……

悪魔

憎いなら両親でも殺してやろう

悪魔

世界すらも壊してやろう

悪魔

さぁ願え人間の小娘よ

少女

私ね…

悪魔

少女

私生まれた時から目が見えないの

少女

もしそこに悪魔さんがいるとして

少女

私は悪魔さんを見ることは出来ない

少女

だから……

少女

私の願いは目が見えるようになりたい

悪魔

………

悪魔

そんなチンケなものでいいのか?

少女

うん

少女

【景色】ていうのを知りたい

悪魔

……よかろう

悪魔

では私の目を貴様に移植する

悪魔

それで貴様は外の景色をよく見れるだろう

悪魔

10年足らずだがその余生を楽しむといい

悪魔

しかし時が来た時その目と命は私が貰い受ける

悪魔

それで問題ないな?

少女

全然いいよ

悪魔

では私の目を移植する

そうして少女は世界が見える瞳を手に入れました

10年というタイムリミットがあるもその限られた時間内で景色を楽しむことにしたのです

いずれ自分は両親に捨てられる

それを予知していたので外に出る準備をしてこっそりその家を出て

幼いながらに一人旅を始めました

彼女からすればほかの人々の見る光景それすらも真新しく

新鮮で刺激的なものです

そしてその何気ない一コマを小さな紙に書き記していきました

その景色を形として残すために

それから数ヶ月後少女はとある山に入りその山頂で空を見上げた

そこには雲一つない満天の星空

月明かりと星々のみが少女を優しく照らし出す

その幻想的な少女だけの世界をまた小さな紙に形として残します

少女が亡くなるまでそばにいる悪魔は少女に対してひとつの問いをします

悪魔

絵を描くのがそんなに楽しいのか?

それは素朴な疑問でした

少女

うん!

少女

だって今まで分からなかったものが分かるんだよ?

少女

私は世界は真っ暗だと思ってたんだもん

少女

でも目が見えるようになってからは

少女

色があり形があり…

少女

それは全て私にとって楽しいことで溢れてるもん

悪魔

………

悪魔

そうか…

悪魔

しかし…まぁ………

悪魔

画風は少し、な…

少女

いいの!

少女

私が楽しければそれでいいんだから

僅かな時間の中でだが少女と悪魔は仲良くなっていきました

悪魔自身もこの少女に興味が湧いたのでしょう

本来悪魔とは契約を交わすだけの存在

つまり契約者とは親密な関係になること自体少ないのです

また、悪魔自身も死にゆく者と干渉しても無駄なだけど割り切り

興味を示すことは無いのです

しかしこの悪魔は違いました

今まで自分と契約してきた者達全てと違う

限られた時間内を文字通り死ぬ気で楽しんでるのです

だからこそ興味が湧いたのでしょう

時が経ち少女は老人にまでなりました

与えられた時間以上をすごしそこで幸せを掴み取り

彼女の最期は他の人には見えない悪魔一人が看取ってくれるのです

少女

ねぇあんた……

悪魔

なんだ?

少女

10年足らずで私は死ぬんじゃなかったんだっけ?

悪魔

……

悪魔

忘れたなそんなこと

少女

ふふっ…

少女

なんで私が寿命で死ぬその時まで生かしてくれたの?

悪魔

………

悪魔

貴様に渡した私の瞳を通して様々な世界を見れた

悪魔

それは私の知らない世界ばかりだった

悪魔

私は悪魔という存在

悪魔

契約してきた者達みな何かしらの恨み辛み

悪魔

それを持ち様々な人を殺してきた

悪魔

私はいわゆる汚い世界しか知らない

悪魔

だがお前が私にみせたものは

悪魔

人の子で言う幸せというものだ

悪魔

それに興味が湧いた

悪魔

ただそれだけだ

少女

つまりあなたの気まぐれってことね

悪魔

なんとでもいえばいい

少女

でもありがとう

少女

私はここまで生きれたことに満足してるわよ

少女

夫に子供達…

少女

そして孫まで見れたんだから

悪魔

それは良かったな

少女

えぇ……

悪魔

ふむ……

悪魔

そろそろ時間だな

少女

ここまで彩られた人生をくれてありがとね

少女

私にとってあんたは悪魔でもなんでもないよ

少女

私の1番の友達さ

悪魔

そうか…

そういうと老人は眠るようにその命を引き取った

悪魔

私が人の子に干渉するとは…

悪魔

貴様に預けた瞳は返してもらった

悪魔

悪魔

ん?

悪魔

これは…

悪魔

懐かしい物をずっと持っていたようだな

悪魔

初めて人の子からものを受け取ることにしよう

悪魔が見つけたのは一人の女の子と人型の黒い何かが並んでる絵だ

よく見ればまるで手を繋いでいるようにも見える

お世辞にもその絵は綺麗とは言えない

しかし子供らしい画風にどこか温かみが感じられる

その絵の右端に絵のタイトルが子供らしい字で書かれていた

【わたしとともだち】

悪魔はそれをみつけ手に取り綺麗に折りたたみ異空間に入れる

悪魔

貴様の人生はとても面白いものだった

悪魔

私はまた他の者と契約を交わしに行くとしよう

悪魔

安らかに眠るといい”少女”よ

病室の窓が開き悪魔は飛び立つ

その時外から風が舞い込んできて白いカーテンをフワッと揺らす

そして病院の中庭に咲く桜の木から1枚の花びらが舞い踊り彼女の手元に落ちる

それはまるで悪魔からの贈り物のように…

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コメント

1

ユーザー

日本人って死を優美に扱うこと多いよね

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