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◇
" コロちゃん "
◇
制服が夏服に変わり
汗ばむ季節がやってきた.
丸井先生
丸井先生
お弁当を食べ終わり
いつものメンバーで
まったり過ごしていると
担任の丸井先生から
声をかけられた.
真宮 桜音
丸井先生
丸井先生
丸井先生
真宮 桜音
わたしはすぐに立ち上がって
黒板消しを手に取り
クリーナーにあてた.
真宮 桜音
真宮 桜音
スイッチを入れても
クリーナーは動き出す気配を
全く見せない.
丸井先生
先生はクリーナーの電源を
カチカチといじり
あげくのはてには叩きだした.
真宮 桜音
真宮 桜音
丸井先生
小さくため息をついてから
先生は何かを思いついたような
表情で掃除用具入れを
ゴソゴソと探り始めた.
丸井先生
先生の手には
細い竹の棒が一本.
真宮 桜音
丸井先生
そう言ってニッコリ微笑む先生.
え……。
ええええええええ!
そんな時代錯誤な……。
今時、黒板消しを叩いて
掃除するなんてあまり
見ない光景だよねぇ.
でも、しょうがないか……。
私は窓を開けて
ほんの少し身を乗り出すと
黒板消しをパンパンと叩いた.
チョークの粉が舞い
ちょっとむせる.
真宮 桜音
その時ふいに目の端に
見覚えのある人達の姿が
入ってきた.
あ!
あの人だ!
うわぁ……夏服だぁ.
シャツのボタンを一つ外して
ルーズに巻いたネクタイ姿が
新鮮だった.
その姿になぜかほんの少し
鼓動が高まる.
さらに身を乗り出して
見てしまう.
あ……。
うそっ.
目……合ったかも……。
思わず慌てて目を
逸らしてしまったその時……
真宮 桜音
ど…… どうしよっ……。
一瞬の気の緩みから
手を滑らせ、黒板消しを
下に落としてしまった.
チラリとあの人の方を見る.
こんな恥ずかしい姿
まさか気付いてないよね?
気付いてませんように!
転がるように階段を
駆け下りると教室の真下にある
花壇の裏へと回った.
そして、あの人がいる
ベンチの方など見向きもせずに
黒板消しを拾うと
一目散にその場を去った.
駆け足で教室に帰る途中
なぜか唐突に頭に浮かんだ.
__そうだ、あの人に
あだ名をつけよう.
そうだな……いい香りの
コロンつけてたから……。
"コロちゃん"にしよう.
その日から心の中で勝手に
彼のことを"コロちゃん"と
呼ぶようになった.
◇
それ以前、黒板消しは
中庭を眺めるための私の
アイテムになった.
毎日やるのはあまりにも
わざとらしいかなぁって
思ったので週に2回ほど
窓からパンパンしている.
相変わらずクリーナーは
壊れたまま.
きっと丸井先生も忘れてる.
ふふふ……
よしよし……
なんなら、ずっと
壊れていてね.
なんてついそんなことを
考えてしまうのだった.
♡きたら続き出します!!☺︎ 読んでくれて📖 ありがとです!! ぜひほかの作品も 見てみてください!!☃