東雲彰人
オレは今、全力で走ってる。朝一の講義に遅刻しそうだからだ。
東雲彰人
(ん、なんだ……アイツ。あんな所で逆立ちして。)
東雲彰人
そんな疑問はあったが、今はそんな事を呑気に考えている暇はない。
東雲彰人
オレは逆立ち男の横を通り抜けた。だが、走り抜ける一瞬、下の方から声が聞こえた。
「スロ」
東雲彰人
それは、逆立ち男が発した声だった。
東雲彰人
(スロ?なんのことだ?)
東雲彰人
その後、オレはなんとか講義に間に合った。
東雲彰人
(なんでアイツはあんなところで逆立ちしてたんだ?)
東雲彰人
(まぁ、もう会う事はないだろうけどな←フラグ)
東雲彰人
けど…………予想に反して、その翌日も、翌々日も、逆立ち男は同じ場所にいた。
東雲彰人
そして、初日同様に、オレが前を通る時にボソッと呟いた。
「コラ」
「タイ」
東雲彰人
(コラ?タイ?訳がわかんねぇ。)
東雲彰人
そして………四日目の朝。
「ズキ」
東雲彰人
アイツはそんなことを呟いた。
東雲彰人
意味わかんねぇ。
東雲彰人
だが、4日間連続で見かけた逆立ち男は、5日目の朝にはいなかった。
東雲彰人
それ以降も、見かける事はなかった。
東雲彰人
アイツはなんで逆立ちをしていたんだ?呟いた言葉の意味は?
東雲彰人
そうだ、冬弥に相談してみよう。冬弥は読書家だから、謎が分かるはずだ。
東雲彰人
「そうとなれば、早速聞いてみるか。」
東雲彰人
そう呟きながら、オレは講義に向かった。