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_____一日が経った。 あれからすぐに救急車が駆け付け、 病院へ運ばれ、 すぐに治療を受けたのに、 りささんは一向に目を覚まさない。 包帯で巻かれた手足と、固く閉ざされた目が、 最期に見た両親の姿と重なって、 心が苦しくなる。
ころん
りさ
りささんからの返事はなく、 相変わらず部屋に電子音が響く。 ...いつもだったら、 「年上をからかうな」って、 少し照れながら怒ってくれるのに。 ねぇ、りささんが僕に、 「好き」って言ったの、 聞き間違いなんかじゃないよね? もう一回、ちゃんと言ってよ。
ころん
泣いて枯らした目から、 また涙が溢れてくる。 りささんの右手を、 強く握っても、 そっと指を絡めても、 温かくそれに応えてくれることはなくて。 あのとき僕がりささんの後ろにいたら。 りささんとちゃんと手を繋いでいたら。 今そこにいたのは、 僕のはずだったのに。