リクエスト企画の ばじふゆ です🥳
腐向けです
逆カプ及び地雷の方はここで読むのを辞めることをおすすめします
血ハロのハッピーエンドverなので苦手な方はUターンお願いします🙇♀️
ではどうぞー!
血のハロウィン。
3週間前、そんな地獄の様な抗争が行われた。
相棒のタケミっちや他の人達のお陰で、何とか場地さんはギリギリで救急車に運ばれた。
傷は深くて、息も薄かった。
場地さんの体を支え持った時の、あの感覚。
体から血が全て抜かれていくような感覚。
今思い出してみても鳥肌が立って眠れやしない。
真っ暗な部屋は、電気を付けたくともそんな気力は無かった。
場地さんが生きてる心地がしない。
一命を取り留めたから安心とみんなは言うけど、俺はどうもそういかなかった。
チフユ|.....場地さん、、
ベッドに寝っ転がって、ボーっとしながらその名前を呟く。
ずっとその名前を言っていないと、気が気でいられない。
昨日の夜、明日退院出来ると連絡が入った。
本当に今、生きてるのかな。
場地さんに、会えんのかな。
そんな事ばっか考えて、結局眠れなくて3週間。
こんなの場地さんが退院した時カッコ悪ぃじゃん、、
チフユ|...おし、今日こそ寝るぞ
自分のほっぺたをパシっと叩いて、風呂に入ったばかりの体を布団の中に入れた。
その後は目を瞑って、読み途中のマンガもページを閉じた。
チフユ|...寝れねぇ
やはり眠れない。
寝よう寝ようと考える程眠れない。
逆に頭の中が場地さんばっかで、昨日よりも全然目が冴えている。
ムクリと重い体を起こし、時計を見る。
チフユ|う...1時半...
結局この時間。
明日場地さんに寝不足顔を見せる訳にはいかない。
そうやってもう一度目を瞑るけど、全く寝れなかった。
もう寝るなと言われている様だ。
チフユ|...........
するといつの間にか寝るのを諦めていて、さっきの読み途中のマンガに手を伸ばす。
ペラッ...と1枚めくると、いつもは直ぐ読み入ってしまうのに。
今日の夜は全く読む気になれない。
やっぱり場地さんの事が大きかった。
もう目を瞑る事も出来なくなって、俺は外へ散歩に行く事になった。
辺りは真っ暗で、この時期は少し冷え込む。
チフユ|肌寒ぃな...軽い上着持ってくれば良かった、、
そう少し後悔したけれど、その肌寒さが心地よかった気もする。
この焦ってる気持ちを冷やしてくれてる様だった。
しばらく適当に歩いて、もうそろそろ帰ろうかと思った時だ。
自分の足はいつの間にか場地さんの入院する病院へと向かっていた。
俺の家からそう遠くは無いし、歩きでも全然行ける距離。
体では拒否してるのに、足は聞いてくれない。
そう思った時には、もう病院に着いていた。
チフユ|ほ、本当に来ちまった...
チフユ|...何やってんだ俺...早く帰って寝ねぇと、、
着いた瞬間、自分の馬鹿さを笑ったが目には涙が出ていた。
チフユ|...あれ、俺何で泣いて...
慌てて溢れる涙を拭うけど、拭っても拭っても涙は止まる気配は無い。
カッコ悪ぃ。と吐き捨てると、病院の駐車場から物音がした。
チフユ|.....猫?
ガサッと植えてある綺麗な木々が揺れる。
一瞬猫かと思ったが、違う。
駐車場のコンクリートに映る″人影″の様な物...
こ、このシルエットもしかして...!!
チフユ|ば、場地さん!?!?
バジ|...千冬じゃねぇか
その人影は何と、あの場地さんだった。
チフユ|な、何やってるんすかこんな所...ってかこんな時間に!!
バジ|病院飽きた
チフユ|飽きたって...
間違いなくあの場地さんだ。
溢れる涙をそのままにしているのも忘れて、俺は場地さんと喋ってる。
バジ|お前こそ何やってんだよ。もう2時だぞ
チフユ|それはお互い様ですよ...!!
チフユ|ていうか怪我大丈夫なんすか!? あんま動くと危ないんじゃ、、
バジ|あ? こんなんかすり傷だわ
...やっぱりかっけぇ。
バジ|てか何でお前泣いてんだ? 転んで怪我でもしたか?
チフユ|...え、!?お、俺泣いてました!?
バジ|げんざい...えっと、、現在進行形でな!!
『現在進行形』という言葉を言えたのが嬉しかったのか
場地さんは満足気に笑った。
バジ|いつからそんな泣き虫になっちまったんだァ、千冬?
場地さんが今、目の前でちゃんと息をして
心臓もちゃんと動いてて、喉から声も出す事が出来る。
そんな状況に、俺は耐えきれなくて泣いたんだ。
チフユ|...ッ、泣き虫なんかじゃないっす!! 笑
服の袖でグイッと目を擦り、涙を拭いた。
俺は求めていた安心を掴んだ。
その瞬間溢れ出ていた涙はピタッと止まり、しっかり笑う事が出来た。
チフユ|てか場地さん、英語勉強したんすか?
さっきの『現在進行形』の言葉が蘇る。
バジ|何か毎朝俺ん所に様子見に来る奴が、暇だったら勉強しろってよ
チフユ|多分その人看護師の人ですね、、場地さん...
『看護師』の意味をイマイチ理解していなさそうな場地さんが、何処か微笑ましかった。
その後、俺と場地さんで散歩の続きをする事になった。
傷の事が心配だったが、場地さんは全然平気そうな顔をする。
こうやってまた、本当は重い荷を背負わせているのだろうか。
チフユ|場地さん...
すると、俺の口からは勝手にその名前が溢れ出た。
バジ|? 何だよ
1歩前を歩く場地さんが、長い黒髪を揺らし振り返る。
チフユ|す、すんません...何か久しぶり過ぎて緊張してるっていうか
バジ|.............
バジ|...千冬。ごめんな
すると、場地さんは俺を見て謝った。
チフユ|...え?
バジ|迷惑かけちまった。千冬にも。東卍の奴らにも
チフユ|な、何言って...
少し俯いて弱音を吐く場地さんは初めてだった。
バジ|最近寝れてねぇだろ、千冬
チフユ|ッ...
場地さんの手が、俺の頭を撫でるように置かれる。
その手からは、何故か苦しんでいる様な感覚が伝わってきた。
チフユ|...迷惑、、なんて思ってねぇっすよ場地さん...
バジ|...............
チフユ|場地さんが一番に東卍の事考えてたの、俺知ってます
チフユ|敵側の方に回ってまで、俺ら東卍の事守ろうとしてくれてたの知ってます!!
チフユ|迷惑かけてたのは俺の方で...
チフユ|場地さんがこんな苦しんでんの知っといて、何で俺何も出来なかったんだろうって
チフユ|死ぬ程考えて...ッ、やっぱり俺...場地さんの後に居る資格ねぇんじゃねぇかって...
さっき止めたはずの涙は、またポタポタと零れ出した。
バジ|...千冬、それは違ぇだろ
バジ|俺は壱番隊″隊長″
バジ|お前は壱番隊″副隊長″だ
バジ|隊長の後に副隊長が居るから成り立ってんだろーが
チフユ|ッ、...
バジ|...だからそんな事言うな
チフユ|.....やっぱカッケーっす。場地さんッ...
すると場地さんは、俺の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
バジ|.......千冬、俺お前の事好きだ
チフユ|.......へ?
好き、だ?
どうして? ...場地さんが、俺を?
言っている意味が分からず、最初は副隊長としての信頼から出た物だと思った。
だけどそれは、場地さんの顔を見たら違うと分かった。
少し赤くなってるような場地さんを見て、これはまた違う意味での『好き』.....
まるでマンガの恋愛みたいだ。
チフユ|ば、場地さん.....ッ、
バジ|.....返事は?
.....返事。そんなの決まってる。
チフユ|...ッ、俺も好きです!!!!
俺はそう答えた。
深夜に大声を出してしまった事と、あの場地さんに『好き』と言われた事。
時間差で心臓がバクバクしだした。
あれ、俺今場地さんに『好き』って...
チフユ|あッ...いや、そのっ...えっとぉ、、
何とか理由っぽい言い訳を言おうとしたが、中々言葉が見つからない。
さっきまで肌寒かったのに、今ではもう破裂しそうなぐらい暑い。
バジ|バーカ。好きですだけで良いんだよ
そしてまた俺の頭をくしゃっと撫でた。
チフユ|....~~場地さんっ!!!!
今まで溜め込んで来た″何か″が、体の外へ出たみたいでスッキリする。
今日から、また「場地さん」と名前を呼ぶことが出来る。
笑ってる。
俺も。
場地さんも。
ちゃんと地面踏んで歩いて
特攻服着て、2人で拳上げて喧嘩して
また、出来る。
バジ|ペヤング食いてぇな
チフユ|...買ってきますよ!!場地さん!!
1歩前を歩く場地さんに、俺は目を輝かせて笑った。
コメント
28件
いつもお話上手✨
???「半分こ、、、な?ニカッ」
最高ですー。:゚(;´∩`;)゚:。!