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もう...好きすぎて台パンしちゃいましたよほんと....
もう主さん言葉選びも言葉使いも語彙力もすごい(語彙力海外旅行中) 恋愛事情か…まぁ…うん……それなりに?(恋愛事情の意味理解してないw)
りょう
りょう
りょう
りょう
校門を出て駅に向かって歩くと、右手にはグラウンドが見える。
部活動の声がよく聞こえていた。
さとみ
走り回っている生徒の姿を眺めながら、さとみ君が呟く。 と同時に近くにあったゴールネットをボールが揺らした。
サッカー部の誰かがシュートを決めたようだ。
その奥では野球部が高く舞い上がったボールを追いかけていた。
どこかの部活がランキングしてるのも見える。
ころん
さとみ
さとみ
そういえば前に体育でサッカーをしているときもさとみ君はすごく上手かった。
交換日記にも書いてあったけど小学校からと書いていただけだったから、高校でもサッカー部に入ってるなんて知らなかった。
“いいなぁ”ということは、やりたいと思ってるんだろう。
サッカーが嫌いになったというわけではなさそうだ。
なのに、なんで辞めたんだろう。
しかも、たったの2ヶ月で。
羨ましそうにグラウンドを見つめるさとみ君を見ていると、聞いちゃいけないような気がして『...へぇ。』とだけ言った。
さとみ
さとみ
ころん
さとみ
耐えきれなくなったのか、ブハッと噴き出して笑いだす彼を見て、気にし過ぎたかもしれないと思った。
ここは聞いた方が良かったらしい。 難しい…。
ころん
さとみ
ころん
ころん
あはは、と口を大きく開けてさとみ君が笑った。
どう見てもからかわれてる。
さとみ君は足を止めて、グラウンド側に一歩近づく。
僕も一緒に立ち止まった。
さとみ
手紙で知っていた“僕”は知らないふりをし続けて、『そうなんだ』と軽く返した。
さとみ
さとみ
さらさらさらっと、軽い調子で言われた。
あまりにも平然と話すので、彼の発言をちゃんと理解するまで時間がかかってしまった。
さとみ君が、家事を?
高校生の男子が、家のことをしてるなんて
僕なんか、休みの日に買い物行くくらいしか手伝ってないのに。
さとみ
口元は笑っている。
でも、目の奥はとても寂しそうに見えた。
今もまだ、サッカーをやりたくてやりたくて仕方がないのがわかる。
でも、どうしてもできないのだと無理矢理諦めている。
彼が自分の気持ちを抑えてる姿を見ると胸が苦しくなる。
そんな顔、さとみ君には似合わない。
でも、そのくらい、難しいことなのだろう。
さとみ君だからって、なんでも口にできるわけではない。
彼だって我慢して、耐えてることだってあるんだ。
考えてみれば当然だ。
ころん
僕には、そんな彼を慰めることも、勇気づけることもできない。
だから、今の彼を応援する、気休めのような言葉しか浮かばない。
さとみ
ころん
ころん
ころん
さとみ君の事情が分からないから、気の利いた言葉は出てこない。
他の人は__例えば莉犬なら__どんな言葉をかけるんだろう。
どういえば彼は笑ってくれるんだろう。
さとみ
ちょっと低くなった彼の声にびくりと肩が震えた。
やっぱり、言葉、間違えたかな。
恐る恐るさとみ君の顔に視線を移す。
でも、彼は僕を見て驚いた顔をしているだけで、怒っているようには見えなかった。
ころん
さとみ
しどろもどろに答えると、さとみ君は思索に耽るように、どこかを見つめながら言った。
心、ここにあらずといった感じだった。
でも、気を悪くしたようには見えない。
さとみくんはそれ以上何も言わず、駅に向かって無言で歩き始める。
なんだか、妙な空気になった気がして居心地が悪い。
僕のせいなのかもしれないと思うと、気が重い。
やっぱり、何も言わない方がよかったのかもしれない。
僕にはわからない事情があるのかもしれないのに、今できないことが問題なのに、先の話なんてするべきじゃなかったのかもしれない。
でも、諦めたように笑うさとみ君に少しでも、笑ってほしかった。
それってよく考えたらすごく自分勝手な思いだった。
怒ってはいないけど、心底僕に失望して相手にするのが面倒になったのかも。
どうしよう、と必死に考えてる僕にさとみ君が「ノート」と小さく呟いた。
ころん
さとみ
ころん
胸が大きく跳ねあがり、体が強張った。
なんで、そんなこと確認してきたんだろう。
しかも、そんな神妙な顔で。
じっと見つめられるさとみ君の視線に、不安と恐怖が沸き上がって目をそらしたくなる。
けど、そんなことしたら変に怪しまれるかもしれない。
カバンを握りしめる手にじわじわと嫌な汗が溜まっていく。
さとみ
ころん
さとみ
さとみ
さとみ
突然さとみ君はぱっと明るい表情に変わった。
戸惑いつつも「うん」と頷くと、「ばらすなよ」と、僕の頭に手を置いた。
さとみ
ころん
さとみ
手をのせたまま、優しい声色でつぶやく。
お礼を言われるようなことが出来たのかは、自信がないけど、少なくとも、嫌な思いにさせたわけではないようだ。
そう思うと、ほっとした。
さとみ
さとみ
さとみ
この人は、笑いながらとても失礼なことを言っていることに気が付いてるんだろうか。
思わず、苦笑を漏らすと、「褒めてるんだから、もっと喜べよ」と怒られた。
さとみ
交換日記でもおんなじことを言っていた
ころん
さとみ
ころん
僕の返事にさとみ君は「へえ」と驚いた顔をした。
彼は英語が苦手だったはずだ。
さとみ
さとみ
ころん
さとみ
口元に手を当てて笑うと、さとみ君も楽しそうに声をあげて笑う。
さっきまで無言だったのが信じられないくらい会話が弾み、あっという間に駅に着いた。
大阪難波行の電車に乗り込むとすぐに大和西大寺駅に着く。
ここで僕は乗り換えだ。
ころん
そう言って電車を降りようとすると、さとみくんが「またな」と僕の背を軽くポンっと叩いて、屈託のない笑顔を見せた。
ころん
ホームから軽く手を振ると、子供のように大きく手を振る。
ドアが閉まって、電車が走り出してからも、さとみくんは僕の姿が見えなくなるまで手を振っていてくれた。
ちょっと前までさとみ君と話したことなかったのに、こうして一緒に帰ったり談笑したりするようになるなんて。
数日前までさとみ君のこと苦手だと思っていたのに、今はそんな風に思っていない自分がいる。
あの手紙が最初から莉犬に届いていたら、こんなふうにはなっていなかったはずだ。
あの手紙がなかったら、合コンで話しても、今みたいに話すことはなかっただろう。
さっきみたいに触られることもきっとなかった。
りょう
りょう
りょう