りょう
りょう
英語の小テストで赤点とった あー、もう最悪 土日にがっつり課題出された。 分かるわけなくね?こんなもん
頑張って でも課題いっぱいだったら土日も遊びに行けないね。 僕は友達と買い物に行くよ
買い物楽しかった? 俺は結局ゲームしてた 課題やんなかったから凄い怒られたけどww そういえばお前そう、メールはできないの? メールの方が楽じゃね?
メールなんて出来るわけない。
交換日記をし始めるようになってから、莉犬の口調や発言を観察するようになり、それを参考に、毎回莉犬っぽい返事をしているつもりだ。
上手くいっているのかどうかは分からないけど、今のところさとみくんに不信感を抱かれてる様子はない。
でも、メールとなれば話は別だ。
会話のスピードがぐっと速くなる。
返事をじっくり考えることが出来ない。
それに、莉犬のメアドを教えるわけにはいかないし、かといって自分のを教えるのはリスクが高すぎる。
ここは…………スルーするしかない。
最後の2行はらみなかったことにしよう。
そう、見なかった。
よし!
と、一人納得したように頷いて、制服のポケットに交換日記を入れる。
やりとりを始めて、そこそこの日が過ぎた。
どれも短いやり取りだけどらほぼ毎日このノートは僕とさとみくんの間を行ったり来たりしている。
交換日記は半分くらい埋まった。
最初はお互いに気を使いながら話して打気がするけど、最近は随分と砕けた口調になり、会話も自然にってきた。
でも、いつまでもこんなことしているわけにはいかない。
さとみくんと莉犬をハッピーエンドに導かなくてはいけないのを、つい、忘れそうになる。
嘘をついて莉犬のフリをし、二人がうまくいくようにするつもりだったのに。
イツカハ終わらせなくてはいけない交換日記。
それを楽しんでる自分がいる。
そして、終わりを想像すると少し寂しくなる。
知らなかった人を知っていくのが、こんなにも楽しくて嬉しいものだったなんて。
全く接点がなかった上に、合わない人だろうと思っていたさとみくんだからこそ、余計にもっと知りたくなる。
ころん
モヤモヤとした気持ちが胸の中に広がって、それを吐き出すように溜息をついた。
廊下を歩きながら窓の外に目をやると、ずいぶん長い寂しそうな木々が並んでいる。
風が吹き荒んでいるのか、一枚の枯葉ガチラチラト舞っていた。
落ちることも、流されることもディズニーランドフラフラと宙に留まっている様子は、丸出今の僕のように見えた。
隙間風にブルリと身体を震わせて速足で教室に向かった。
りょう
りょう
りょう
コメント
7件
続きって出ないんですか、?
もう2024年だよ?..,
続き待ってまーす!!