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サファイア
ううん、私は目を逸らさない
ノア
は？
私のためにノアはこんなにも動いてくれてるのに
私だけ逃げてちゃ、ダメだ
この世界で生きていくって決めたんだから
ちゃんと目に焼き付けないと
ノア
…っ
ノア
お前、後悔してもしらないぞ
サファイア
いい！
魔王
ははは、バカなやつらだ
ノア
バカはお前だ
グサ
魔王
！？
ノア
油断してんのはそっちだろ
サファイア
（今、何が起きたの…？）
ノアが一瞬の動きで敵に攻撃する
ノア
俺が魔法使いだからって
ノア
魔法がなきゃ生きてけないとでも思ってんじゃねぇだろうな
魔王
そ、そんな…！
魔王
ずば抜けた身体能力に真剣まで扱えるなど…そんなわけ！
ノア
わりーけど
ノア
姫が待ってんだよ
ノア
あんま痛ぶってる時間ねーんだわ
魔王
くそ…！
魔王はぐらりとして剣を持ち直す
そしてノアに向かっていくが━━━
ノア
遅いんだよ
ノア
なんなら俺が剣の稽古つけてやろーか？
魔王
なにをほざいて…！
するりとよけたノアはもう
魔王の耳元に聳え立っていた
ノア
なめてんじゃねーよ
魔王
ぐっ…！
たったの、数分
魔王が弱いのかとさえ感じられるその圧倒的な脅威と強さが
私を守るために奮われたと考えると
サファイア
（どうして…だろう）
少しだけ、魅了された
ノア
ん、大丈夫か？
ノア
あ
気づいた様な顔をすると
ノアは魔王を遠くに放り投げた
サファイア
！？
ノア
こんなところに死体があると迷惑だろ
サファイア
…
サファイア
サファイア
ふふっ
ノア
何笑ってんだ？
サファイア
いや、なんか気抜けたなって
ノア
そうか？
サファイア
初めてノアのことカッコいいって思ったかも〜
ノア
バカなこと言ってんじゃねーよ
ノア
俺はいつもカッコいいだろ
サファイア
はいはい
いつも通りのノアが
少しだけ
微笑ましかった
サファイア
ねえ
ノア
ん、なんだ
私はノアに連れられ空中浮遊していた
サファイア
…重くない？
…正確には、抱えてもらって
ノア
全然
サファイア
そ、か
ノア
なんだよ
サファイア
ね、ねえ！ノアの塔ってどこなの？行ってみたいなあ！
ノア
ん？
ノア
ノア
そこ
サファイア
わあ！
サファイア
なんで窓から入るのよ！
ノア
？
ノア
ここが入り口だからだろ
サファイア
は！？
ノア
ほら、こっち
サファイア
見た目からしてって感じだけど2部屋しかないんだね
ノア
俺1人住むのに十分だろ
サファイア
その、親とかは…？
ノア
とっくに死んでる
サファイア
あ、そっ…か
ノア
そういうもんだって
ノア
俺らは基本1人で生きてるんだ
サファイア
ふーん…
ノア
あいつが先代のことを言ってたろ
ノア
…その人がライって言うんだけど
サファイア
うん
ノア
結構すごい…魔術師でさ
ノア
たまに知ってるやつがいるんだよ
サファイア
そうなんだ…
ノア
青い目に黒い髪をしてたんだとよ
ノア
…ある赤い目の人と結婚して
ノア
それで今の俺ら子孫がずっとできてる
サファイア
だからノアは赤眼なんだ…
ノア
まあな
ノア
つーか、早く帰らねーとラファエルが心配すんじゃねーの
サファイア
やだなあ、しないよ
ノア
鈍すぎだろ、ほら帰るぞ
サファイア
？
サファイア
ただいま
リュカ
あっ姫様！
リュカ
あの後どこへお行きになられたのか…
リュカ
本当、心配しましたよ
サファイア
ごめんごめん
サファイア
次からは気をつけるね
キャメロン
全くだな
サファイア
！
キャメロン
ロヴェル・アスター家がどこをほっつき歩いてんだ
サファイア
ふふ、お兄ちゃん！
キャメロン
何笑ってんだ気持ち悪い
サファイア
ひどい！
キャメロン
ほら、早くお父様のところに行け
サファイア
え、なんで？
キャメロン
なんでもだ
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