遊
あー、暇だー

遊
あー、暇だー

遊
あー、暇d

???
うるせぇ、黙ってろ

遊
....

???
....

遊
....

???
....

遊
いや、無言はキツイよ⁉︎

???
口開けば暇暇言ってるより無言の方が良いだろ

遊
仲悪いみたいじゃん

???
仲良くはないだろ

遊
何それヒドくない?

突然ですが私の名前は
風祭 遊(かざまつり ゆう)、
どこにでもいる普通の
高校1年生だ。
口の悪い彼女の名前は
蛇ヶ崎 茜(じゃがさき あかね)
私の同級生である。
金髪で目つきは悪いから
不良に見えるが
本人は不良は嫌いらしい。
意味分からん。
茜
てかそんな暇暇言ってるなら“あの件”はどうなったの?

遊
...“あの件”とは?

茜
“新入部員勧誘”だよッ‼︎

遊
ぐわぁっ‼︎衝撃波が凄まじいっ‼︎

茜
遊、お前“この部”を潰したいの?アタシはどっちでもいいんだけど

遊
ダメダメダメ‼︎“この部”が無くなったら放課後の溜まり場は消滅しちゃうんだよ‼︎いいの?

茜
帰れよ

遊
いやだ‼︎帰りたくない‼︎

茜
はぁ...じゃあさっさと勧誘しろよ...

遊
でも...誰も“こんな部”入らないでしょ...

茜
そもそも部員が2人の時点で部じゃねーしな

茜
てか顧問もいないし、無断で活動してるし、なんなら非公式だし...

茜
あと生徒会から立ち退き命令くらってるんだけど?

茜
やる気がないならさっさと潰s

遊
だって...

遊

遊
だって誰がこんな“廃部寸前の文芸部”に入るのさーッ‼︎

そう、ここは部員が
2人しかいない
廃部寸前の文芸部なのだ。
茜
まあ確かにな

遊
え、そこは否定してよ...

茜
事実だろ

遊
あーあ、誰か入りたい人いないかなー

茜
じゃあ今新入部員を勧誘する方法を考えろ

遊
...分かったよ

遊
....

茜
....

遊
....

茜
....

遊
...ねぇ、ふと思ったんだけどさ

茜
ん?

遊

遊
“ぼんやりとした不安”って何だろうね...

茜
は?

遊
いやー、ふと将来に対する“漠然とした不安”を感じてしまってねー

茜
そんなことより勧誘は?

遊
だってそう思わない⁉︎このまま呑気に生きていて、その先に私達は何を得られるの⁉︎

茜
お前の口からそんな言葉を聞くとは...明日は槍でも降るのか...

遊
何でさ‼︎まったく失礼しちゃうな‼︎

茜
でもアタシ達はまだ高1なんだから、そんなに深く考える必要なくね?

遊
人生なんてあっという間に終わるんだよ?

茜
何様だよ

遊
かの芥川龍之介も言ってるよ‼︎

遊
或旧友へ送る手記に

茜
ああ、もう分かった分かった

茜
お前の話はここからが長い

遊
ここからが面白いところなのに‼︎

茜
だからそれg

その時、彼女の声を遮るように
女子生徒の悲鳴が聞こえた。
遊
何事じゃ⁉︎

茜
何か屋上でイベントが起きてるっぽいよ?

遊
これは時間の香りがしますな...

茜
はぁ、行くの?

遊
あったり前よ‼︎

遊
さあ‼︎私達の冒険はこれからだ‼︎

茜
最終回?

こうして私達は
何かが起こっている
屋上へと向かった。