TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

じいちゃんのタイムマシーン

一覧ページ

「じいちゃんのタイムマシーン」のメインビジュアル

じいちゃんのタイムマシーン

7 - 第七話:夢じゃない

♥

5

2022年04月29日

シェアするシェアする
報告する

目が覚めると

あの子はいなくなっていた

明日夢

父ちゃんが誰かは言えないけど

明日夢

母ちゃんにとって父ちゃんは運命の人なんだよ

愛紗

父ちゃんって誰よ……

恭也さんと付き合って半年

別れるなんて絶対に考えられない

愛紗

そもそも昨日のあれって……

夢であって欲しいと願うけれど

夢にしてはかなりリアルだった

突然の機械音

やたらと耳を痒がる息子だと言う高校生

愛紗

あ……

昨日あの子が使った綿棒が残っている

愛紗

やっぱ夢じゃないってこと?

もしあの子の話が本当なら

本当にあの子が未来から来たのだとしたら

私は違う誰かと付き合うことになる

恭也さんではない誰かと恋をして結婚をして

そんな未来は考えられないのに

私は恭也さんが好きだから

恭也さんと結婚したいって思っているのに

何でだろう?

明日夢

母ちゃん!

あの笑顔が忘れられない

全く想像もつかない未来の話

しかも私は恭也さんではない別の誰かと結婚する

それがいつなのかはわからないけど

七年後には……

愛紗

(お母さんになるんだ……)

こんなことを仕事中にも考えてしまう

愛紗

集中しなきゃ……

そう思っていても

明日夢

母ちゃんにとって父ちゃんは運命の人なんだよ

あの子の顔が浮かぶ

愛紗

(あの顔……)

愛紗

(誰かに似ているような……)

それが誰なのかは思い出せなかった

恭也

愛紗

愛紗

恭也さん

恭也

ごめんね急に呼び出して

愛紗

ううん

愛紗

大丈夫

恭也

昨日の今日だったから迷ったんだけど

恭也

愛紗に会いたくて……

何気ない言葉にドキドキする

恭也

体調はもう平気?

愛紗

うん

昨日のことを気にしてくれていた

恭也さんに心配をかけてしまって落ち込んだけど

あの子が来てそれどころではなくなって

暗い気持ちが吹っ飛んでいた

愛紗

(あの子のおかげ……)

愛紗

(まさかそんな……)

恭也さんと一緒にいても

あの子のことを考えてしまって

恭也

行こうか

愛紗

はい

恭也

え?

恭也

七年後の未来?

恭也さんにこんな話題を振ってしまう

愛紗

想像もつかないよね?

できれば私は七年後

他の誰かではなく恭也さんと一緒にいたい

恭也

確かに像はつかないけど

恭也

僕は七年後も愛紗のそばにいたいって思ってるよ

愛紗

恭也さん……

恭也

でも大切なのは今だよ

恭也

だから今を大切にしていこう

愛紗

そうだね

握りしめた手から伝わる恭也さんの温もり

この手を離したくない

できることならずっとこのまま

永遠に恭也さんのそばで……

恭也

駅まで送る

愛紗

ありがとう

帰宅ラッシュで混雑した電車内

すし詰め状態で身動きも取れない中

恭也さんはずっと私の手を握っていてくれた

顔を上げると恭也さんも下を向いていて

唇が触れそうになって慌てて下を向く

恭也

愛紗……

恭也

こっち向いて……

愛紗

ん……

恭也さんの言葉に再び顔を上げる

こんなにたくさんの人がいる電車の中で

私達はそっとキスをした

元彼A

入れちゃった~

愛紗

(あ……)

恭也

愛紗?

元彼A

コ〇すよ?

愛紗

(また……)

元彼A

お前の秘密バラすよ?

愛紗

(やめて……)

再びのフラッシュバック

恭也さんに気づかれないように

溢れる涙を拭う

恭也

大丈夫?

愛紗

平気……

笑顔……

引きつってないといいな

愛紗

ただいま……

明日夢

おかえり!

愛紗

え!?

愛紗

ちょっ!!

愛紗

何で!?

明日夢

また来ちゃった!

やっぱりこれは夢じゃない

凄く非現実的なことなのに

頬をつねるとちゃんと痛い

この子は未来から来た

突然、私の目の前に現れて

明日夢

母ちゃん!

そう言って笑う

明日夢

あ、その腕時計

愛紗

な、何?

明日夢

見て!

愛紗

え!?

そう言って見せられたのは私と同じ腕時計

少し劣化しているみたいだけど

色も形も全く同じ

これってもしかして……

愛紗

二十四年後のこれってこと?

明日夢

うん

愛紗

やっぱり息子なんだ……

その笑顔

何故だか凄く癒される

明日夢

好きな仮面ラ〇ダーの色なんでしょ?

明日夢

俺も好きだよ!カッコいいよね!

愛紗

え、嘘……

愛紗

わかってくれるー!?

愛紗

私の回りでわかってくれる人がなかなかいなくて

愛紗

こう言う話できる人いないんだもん!

明日夢

俺は母ちゃんの影響受けまくってるからね

愛紗

そうなんだ~

不覚にもテンションが上がってしまった

さっきまであんなに落ち込んでいたのに

苦しい気持ちもどこかに消えて

涙もスッと引いていく

いつか出会う運命の人

愛紗

(誰なんだろう)

それが気になって仕方なかった

loading

この作品はいかがでしたか?

5

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚