テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
s i d e 万 次 郎
微睡みの中の 白昼夢で
寝ぼけ眼に 映ってた
記憶にある その後輩の顔は
夢 叶
どんな淡夢よりも
どんな泡沫よりも
脆くて儚い この世界より
綺麗だった
万 次 郎
九 井
今 梵天は
一ノ瀬 夢叶の捜索で 手一杯だった
万 次 郎
万 次 郎
九 井
万 次 郎
伏せた視線の先
丁寧な字で 辞表と書かれた封筒
きっとアイツの事だ
何かに 巻き込まれたんだろう
万 次 郎
見つからない事への 焦燥と
見つけれない事への 嫌悪が
混ぜ合わさって 息が詰まりそうになる
万 次 郎
すると その時
プル ル ル ル ル ッ
万 次 郎
ふと 電話がなった
万 次 郎
普段は出るはずのない 非通知からの電話
でも もしかしたら
夢叶からかもしれないと 希望を持って
電波の向こうに 話しかける
返ってきた声は 他でもない
万 次 郎
万 次 郎
夢 叶
夢叶だった
夢 叶
万 次 郎
今どこなのか
無事なのか
聞きたい質問を遮り 話をする彼女
夢 叶
夢 叶
夢 叶
万 次 郎
頭が一瞬 くらりとした
誘拐?
誰が?
タケミっちが?
そんな事あるはずないと 脳が理解を拒んだ
夢 叶
夢 叶
力無く笑う彼女に俺は
なんと声を掛ければ 良かったのか
夢 叶
夢 叶
夢 叶
元気に振る舞ってる つもりの彼女の
その声は 酷く震えてて
夢 叶
夢 叶
夢 叶
ブツ ッ
ツ ー ツ ー
震える声を ただ一つ遺して
切れた電波の 向こうにいる君は
今どんな顔を してるのかなんて
頭の中が ぐちゃぐちゃになって
俺はしばらく 動けなかった
s i d e 夢 叶
がちゃん、と
置いた受話器と 君の言葉の余韻に
夢 叶
夢 叶
夢 叶
心の奥底から 土石流のような
感情が涙となり 溢れ出す
夢 叶
夢 叶
喋ってる時
泣いてるって バレなかっただろうか
ちゃんと明るく 振る舞えただろうか
夢 叶
夢 叶
一呼吸分の 二酸化炭素を吐き出し
一呼吸分の 酸素を吸う
夢 叶
約束の時間まで 残り三十分
もう梵天は 辞めてきたんだ
関係ない人の事なんて 考える暇はないから
夢 叶
零した涙は 捨て置いて
また 目的地へ進んだ
夢 叶
辿り着いたのは
東京都内の端に 建てられた
大きな廃病院
夢 叶
きっとここに “ 彼女 ” はいるんだろう
そして彼も
夢 叶
夢 叶
死なないでよね
夢 叶
かかってこいよと 言わんばかりに
その扉を 大きく開けた
君に 全部話したあの日
この世に居場所なんて ないんだって
そう思ってしまった あの日
君が私の手を取って
私に名前をくれたから
脆くて儚い この世界で
君がいてくれる この世界で
君に死ぬまで 尽くそうと思った
尽くすつもり だったんだよ
ワ タ シ 不出来な “ 後輩 ” のことを
また怒って笑って
繋ぎ止めてよ
センパイ
♡ 2000
コメント
13件
いじ子ちゃんのお兄ちゃんは誰⁉️
英訳↓↓↓ みんなの為に 犠牲になるのは私だけでいい この声がいつか誰かに届くように 私はその日まで一人で戦い続ける 「大丈夫、みんなは私が守るから」
そらァァァ😭 読む暇がないよぉ…、読みたいのに…