「○にたい」
そう、思うようになったのは いつからでしょうか
「誰かを憎い」
と思うことは悪いことでしょうか
...
小学生5年生の春だった
その時から
以前までは気にもとめていなかったものに
気を使うようになった。
周りの目を気にするようになった。
容姿、外見
性格
プロポーション。
自分の全てに自信がなくなった。
自分の価値を見いだせなくなった。
...
自分の価値を、自分の心の穴を
誰かからの信頼で埋められると思っていた。
周りから求められている"自分"
それは、 本来の自分とはかけ離れた存在だった。
それでも、
みんなの求めている"自分"を演じた。
...
「人は演じないと愛して貰えない」
そう、勘違いしたかった。
...
どんだけ疲れていても
笑って
踊って
歌う。
アイドルだから、
今日も、仮面をつけて踊る。
いわば、仮面を被っただけの一般人だ
仮面を被らなければ、ただの一般人だ
4年生の春だった。
転校生が来た
彼は、「△△」といった
彼は全てが完璧だった。
初めて人を憎いと思った
彼は皆に好かれていた。
そんな彼が嫌いだった。
5年生の春だった。
△△は学校に来なくなった。
クラスでは、噂がたえなかった。
...
「自✕したらしいよ」
「○○って、△△のこと嫌いらしいよ」
「○○が△△を✕した」
...
確証のない嘘をばらまく。
そして、 自分には✕人者というレッテルが貼られた
周りの視線が怖かった
怖くなった
一つ一つの視線が針のようだった
その度に自分が壊れていくような気がした
...
ご飯を食べているはずなのに味がしなかった
沢山寝ているはずなのに、眠かった
笑ってるはずのに、いつも心は泣いている
乾ききったこの心は
誰にも気付かれなかった。
癒されなかった。
潤われなかった。
守ってくれなかった。
...
それでも、生きていくしか無かった。
ある夜、夢を見た。
それは、真夏の頃だった。
夢には、△△がいた。
彼は、優しく笑って
抱きしめてくれた
きっと、いちばん辛かったのは△△なのに
抱きしめてくれた君は
泣きそうで
辛そうで
悲しそうで
それでも楽しそうに
嬉しそうに
笑っていた。
そんな君を見ながら泣いた。
泣いてしまった。
泣く度に、辛かった思い出が
思い出された。
その度に心の穴は大きくなっていった。
自分が壊れていく予感がした
ただ、
怖かった。
穴の空いた心は誰にも
埋められなかった。
いつしか
何も感じなくなってしまった。
生きている心地がしなかった。
目を覚ますと、空が見えた。
そこには、
ビルも
工場も
デパートも
何も無かった。
ただ、蝉の声が聞こえた。
気がつけば暑い暑い、屋上にいた。
止める声など聞こえなかった。
ゆっくりと、空に身を委ねた。
その時に見た夢は心地よかった。
春の匂いがした、
紫
そこには、5人の生徒が来た。
蒼
橙
橙
黄
桃
紫
桜が咲いて
花びらが落ちる。
そして、彼らも散っていった。
赫
赫
赫
赫
そこには、誰にも見えない俺がいた
コメント
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この話好き! とくに5話! 良ければなんですけど5話の続きって出せますか? こんなこと言ってごめんなさい🙏