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睦月

白藤学園に入学した

期待に反して大した変化はなかったが

ひとつだけ驚いたことがあった

蘇芳

おはようございます!

藤薫

(唯一同じ中学から来たこの少女は)

藤薫

(髪を染めた)

藤薫

…なんでツートン?

蘇芳

実際は弐色じゃないんですけどね笑

蘇芳

ただの気分…ですよ♪

藤薫

彼女はいつも元気よく私に話しかける

けれど、他の人とは必要最低限の会話しかしない

藤薫

(…変わっている)

そんなある日のことだった

藤薫

あ、数学の課題を忘れた

藤薫

(…取りに行くか)

夕方、部活動に入っている生徒はまだいるであろう時間帯だった

ボン!!!!!

階段を登っていたとき、爆発音が轟いた

脳で、何かを理解したわけではない

でも咄嗟に駆け出した私はこう思った

藤薫

(魔法だ)

藤薫

…?

その教室には壱人の少女がいた

蘇芳

藤薫

お前が、これをやったのか…?

蘇芳

違いますよ

蘇芳

私は────

破壊された器具を眺めていた彼女はそっとそれに手を添えた

その瞬間、破片がふわふわと宙に舞い、元に戻り始める

藤薫

蘇芳

…粗い作業

蘇芳

魔法を初めて使ったとき、みたいだと思いません?

ちらりと視線を向けて来た少女をまっすぐと捉える

藤薫

…お前は、誰だ?

蘇芳

…蘇芳日花です

藤薫

……もともとのお前は!?

蘇芳

蘇芳

────うふふっ…やっと気づいてくれた……!

蘇芳

エルですよ!ヴィスタリア様っ!

彼女は私に思いっきり抱きついた

蘇芳【エル】

ヴィスタリア様はほんっとに部屋が汚いです!

藤薫

そうか?

蘇芳【エル】

はい!

藤薫

…それより、よく私がヴィスタリアだと気づいたな

蘇芳【エル】

気がつくに決まってるじゃないですか、エルは貴方の"右腕"ですよぉ

藤薫

…そうだな

"復元"の能力を持つ、エル

彼女は私に正体を明かし

そして、私に"前世が在った"という自信と根拠を再びくれた

蘇芳【エル】

…ヴィスタリア様

藤薫

なんだ?

蘇芳【エル】

ヴィスタリア様は、ここで…何を成すつもりもないのですか?

藤薫

ない

藤薫

ここがアースならば、それに当てがうのみだ

蘇芳【エル】

…そうですか

蘇芳【エル】

蘇芳【エル】

…今日の爆発、昨日もあったんです

藤薫

え?

蘇芳【エル】

昨日はあの横の教室でした

蘇芳【エル】

私が直したので先生が来た頃には何もなくて、勘違いってことになったんですけど

蘇芳【エル】

…私たちと同じように、アンダーランド派閥が生まれ変わっている

蘇芳【エル】

その可能性も、零じゃない。

藤薫

思わず、黙り込んだ

そのとき、私はどうすることが正解なのだろうか───。

"前世"

ヴィスタリア

ぱー…?

エル【蘇芳】

Purple Starsですよヴィスタリア様っ!

ヴィスタリア

ダサくないか?

エル【蘇芳】

え!?

ロイド

全然ダサくないですよ、エルさん

ロイドは軽く微笑む

30名の精鋭隊と私、それから右腕エルと左腕タイガや魔法使いゼロなどによって護られた国とその民

そうして構築された私の国、ベリートットは平和な世界だった

ロイド

Purple Stars────

ロイド

という名の30名の精鋭隊

ロイド

私がそのマスターをさせていただけること、光栄に思います

ヴィスタリア

くっ…お前は真面目だなぁ

ヴィスタリア

圧で黙りこくっているようだが…

ヴィスタリア

その精鋭隊は、のびのびとやればいいよ

ロイド

はい

ラージュ

えっ!もう騒いんでいーんすか!!

ツギ

ねーえ!あっちからさー!

ニーナ

あーー!!それ食べちゃめ!私の!

ロイド

…うるさいな……

その一声で30名全員がしんと静まり返る

ヴィスタリア

っくはは!!本当におもしろいやつらだ

ヴィスタリア

私が見込んだんだ、強さだけはホンモノだから…頼むぞ、ロイド

ロイド

はい、仰せのままに

だがそれはある日崩れ去った

ヴィスタリア

おい!!!お前ら!!!!

エンド

ヴィスタリア、様ぁ…ごめ、なさ…ごぇんなさい…っ

小さな少女、エンドは両親からの虐待などから周囲への不信感や恐怖を抱いていた

そんな子の、人を信じるための小さな"嘘"に付き合ってあげていたその間に

"国"は無くなっていた

アラン

なあヴィスタリアぁ

アラン

どうだよ?帰って来たらみんな死に伏せているこの状況

アラン

まだ、笑えるのかよ

ヴィスタリア

なんで、お前…っ

アラン

なんで?

アラン

…ああ、そっか

掠れた声で嗤ったアランははっきりと私にこう言った

アラン

オレはヴィスタリアのことが好きだから殺らないと思ったんだ!

アラン

ばーか、そうやって自分の価値観で人を図るから…こうなる

アランは私の両頬を両袖で持ち上げると目を合わせる

アラン

…あはっ

アラン

今日からここは、アンダーランドだ

アラン

ようこそヴィスタリアサマ♥

いつかまた、藤かおるその場所で。

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コメント

3

ユーザー

やっぱりあの女の子は藤薫さんと前世で知り合いだったんだ……!! しかも藤薫さん…じゃなくてヴィスタリア様の“右腕”ってめちゃくちゃ凄い人じゃん……!!そっか、だからこそ白藤学園に入学する前に藤薫さんに会いに行ったんだね😖✨ あれ、でも『入学』なのに睦月……?卯月じゃなくて……?うわ……、ここもいろいろありそーな雰囲気いい💭 待って!?ヴィスタリア様の過去やばくない!?思ってた以上に辛い……😰

ユーザー

思ってたよりえぐい感じの過去だった…(><) ていうかこの物語、すごく今までと違う感じがします… 数字じゃなく壱、弐で表すのは藤薫ちゃんが前世あるからなのかな?なんにせよ、睦月=1月だから入学がそんな時期なのすごく違和感…

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