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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

天気は昔、神の心を映すものだと伝えられた。

晴れになれば、笑い。 曇れば、寂しさ。

そして、 雨は、悲しみを映した。

ロボロ

今日も、曇り…

ロボロ

でも、安心だな!

ロボロ

だって、
しんぺい来てくれるんやし…!

俺は、自分で自分を元気付けた

ロボロ

まだかな〜…

しんぺい神

お、ロボロ来たよ〜?

ロボロ

しんぺい!だ!!

俺は、しんぺいに抱きついた

しんぺい神

え、何々

しんぺい神

待ちきれなかったの?w

ロボロ

………うん…

しんぺい神

……!

しんぺい神

そっかァ、ごめんね…?

そう言って優しく俺の頭を撫でた

しんぺいはこの世界をまとめる神で

俺にを唯一居場所をくれた恩人

ロボロ

しんぺいおらんと…

ロボロ

俺、やだもん……

しんぺい神

……そっか…

そう言って優しく抱き返してくれた

しんぺい神

……んっ…!

しんぺいが手を雲の下の街に差し出した

すると、曇りから晴れに変わった

しんぺい神

……はっ…!

差し出した手を握りしめると

満点な晴れた空に変わった

ロボロ

おお…

何度見てもすごいな

俺と違って

しんぺい神

……よし、これでいいね!

しんぺいは俺に優しく微笑んだ

手は少し汗が滲んでいた

ロボロ

……

ロボロ

うん!ありがとう!!

ロボロ

もう、帰っちゃうの…?

しんぺい神

………

しんぺい神

えへへ、ごめんね…

悲しく笑うしんぺい

やだ、行かないでほしい

でも、わがまま言ったらしんぺいが困っちゃう……

ロボロ

………

言葉を飲んだ

ロボロ

うん、また来てね!

ロボロ

絶対だよ!

ロボロ

俺、待ってるから…

しんぺい神

…わかってるって

そう言ってしんぺいは去った

ロボロ

………

さっき、晴らした空を見つめた

きっと、雲の下のみんなはとっても喜んでいるだろう

ロボロ

…よかったね

雲の間から下の世界を見つめ

目を細めた

ロボロ

……………

ロボロ

…どうして俺やと………

ロボロ

晴れにならんのやろ……

ロボロ

……はっ…

ロボロ

も、ぅ……だめ……だ……

這いつくばって荒い呼吸をする

手の先の感触など知らない

ロボロ

ぁ……ッ………

???

ね、ねえ!

???

大丈夫…!!?

ロボロ

………んぁ……

顔を上げその顔を見たら

安心感に包まれ、気を失った

ロボロ

ん……

道の傍で息をしていた子供

生きててよかった…!

しんぺい神

え、えっと…大丈夫…?

ロボロ

ん………ぁ……

その子供はうっすら瞳を開けると

綺麗な桃の色だった

しんぺい神

…!

しんぺい神

よかった〜…

ロボロ

こ、こ…は……?

しんぺい神

え、えと…

雲の上☆とか言ったら引かれるかな…

しんぺい神

う〜ん…

ロボロ

これ……

僕が考えていると

近くにあった雲を手に取り

しんぺい神

あっ…!

それを珍しく見て、笑った

ロボロ

あ、俺死んだんや

ロボロ

長かったなあ…

なぜかうっすらと笑う

しんぺい神

え、え…?

違う、死んでなんか無い

僕が、ただ雲の上に連れてきちゃっただけなのに…

しんぺい神

そ、そんな子供なのに

しんぺい神

人生長く感じたの?

しんぺい神

ふつー短いとかじゃない!?

ロボロ

……

ロボロ

俺にとっては長かったんです…!

悲しく笑った彼はこっちを見ると驚いたように

ロボロ

神……の張り紙……?

ロボロ

もしかして、神様…?

しんぺい神

え、あ…うん…!

ロボロ

へぇー死んだら神様に会えるんだ〜…

珍しそうにこちらを見つめ笑った

しんぺい神

……!

その笑顔は素敵だった

この子に何か、を感じた

ロボロ

………

晴れた空を見つめ

手を伸ばす

ロボロ

下の街ってどんなんやろ……

覗いてみた

が、細かすぎてみにくい

ロボロ

ん…

見るのに夢中だった俺は

ロボロ

……あっ…!!!!

足場を崩したことに気づかなかった

ロボロ

あ、ああ…!

落ちていく

しかしなぜか、地面に近づくとともに落ちるスピードは緩やかになった

ロボロ

ん……!

体を反転させ、足を地面につかせる

ロボロ

っと…

ロボロ

ここ、はどこ…?

知らない世界に足を踏み入れた俺は怖かった

すぐにしんぺいを呼びたかった

ロボロ

し、んぺい……

自然と涙が出た

すると晴れている空から小雨が降った

ロボロ

あれ…

おかしいな、しんぺいが晴らしたから俺を抑えてくれてるはずなのに

もしかして、下の世界だと、その力が強いってこと…?

ロボロ

………

晴れているのに小雨、という不思議な感覚

ロボロ

…………………

それで涙が止まるわけもなく

小雨に紛れるように、流れた

ロボロ

うっ……うぅっ……

裾で顔を拭く、それでも溢れてきた

ロボロ

しぃ、ん゛…ぺぇい……

こんな知らない世界に置き去りにされた気分だった

ロボロ

ぁっ……うっ……

???

あ、あのだいじょうぶ?

ロボロ

ぁぁぁああ…うぅ………

???

お、おい聞いてるん?

???

おーい

ロボロ

へっ……

目の前には知らない人がいた

ロボロ

わぁっ……!

形、姿は似ているのに

なぜか、異生物のように見えて、驚いた

???

え、俺そんなに驚かした?

ロボロ

ひェ……

???

えぇ…!?

???

あ、えとごめん…!

ロボロ

……い、いやこちらこそ…

ビクビクしながら返事をする

???

えーと、迷子かな?

ロボロ

まい、ご…?

???

そうそう迷子!

???

帰る場所に帰れないことだよ

ロボロ

……!

ロボロ

俺迷子!

???

えぇ、急に元気出たなww

ロボロ

迷子……

???

そっか!

???

なら一緒に探してあげる!

ロボロ

…本当!?

???

うん!

シャオロン

俺、シャオロン

シャオロン

よろしくな!

ロボロ

シャオ…ロン……

ロボロ

…うん、よろしく!

シャオロン

え、えとここが俺の家!

シャオロン

上がっててな!

どうしよう

ほんまになんとなくで連れてきちゃった…

ロボロ

うん…!

シャオロン

あんまり綺麗やないけど……

それよりこの子の親を探さなきゃ

シャオロン

あ、そこ座って…!

シャオロン

ん、そういや名前聞いてへんかった

シャオロン

なんていうん?

ロボロ

…ロボロ……

シャオロン

ヘーロボロかあ

シャオロン

んじゃロボロそこ座ってーや

ロボロ

うん…!

シャオロン

うーん

まずはどこらへんに住んでるとか、家の特徴聞かな

シャオロン

どこに住んでるかわかる?

ロボロ

……雲の、上?

シャオロン

…………

シャオロン

……え?

ま、まあしゃーないよな子供やし

ちょっとびっくりしたけど()

シャオロン

親の名前わかる?

ロボロ

……親?

ロボロ

えっと…しんぺい?神…?

シャオロン

しんぺい、神…?

ロボロ

うん、雲の上だから神様なの

シャオロン

へ、へぇー

シャオロン

冗談なしに、本当のこと教えて欲しいなあ〜

ロボロ

…冗談?

ロボロ

本当だよ〜…

シャオロン

へ、へー

親を見つけるのは難しそうだ

シャオロン

そういや最近雨降ってたのに

シャオロン

今日は小雨だなあ

ロボロ

しんぺいの、おかげだよ

ロボロ

小雨なのは、俺のせい…

シャオロン

…なにそれ

シャオロン

雨男と晴れ男的な?w

ロボロ

…?

ロボロ

まあ、そんな感じ

シャオロン

……ふーん

シャオロン

あ、そうや!

シャオロン

せっかくやから、外行こ!

シャオロン

家連れといてあれやけど、晴れてるうちに

シャオロン

外おった方がええよ

シャオロン

後で降るかもしれんしな!

ロボロ

…?

ロボロ

そうだね…

シャオロン

え、えーと…

シャオロン

(どこ行こ…)

ロボロ

………

シャオロン

……?

ロボロはずっと空を見つめている

ロボロ

……どうしたら、晴れるのかな

シャオロン

………

シャオロン

どうして、ロボロは雨男なん?

ロボロ

……?

ロボロ

わからない……

シャオロン

……うーん?

シャオロン

その、しんぺいさん?は晴れ男なんやろ?

ロボロ

う、ん

シャオロン

しんぺいさんとおんなじことしたら晴れるかもな

ロボロ

そんな、無理だよ

ロボロ

俺としんぺいは違うもん

シャオロン

うーんそか…

待って、話逸れとるよな!?

ロボロ

しんぺいはいつも

ロボロ

“晴れるには笑顔の良薬を”

ロボロ

って……

シャオロン

へー…

シャオロン

んじゃ笑お!

ロボロ

…?

ロボロ

え、そんな急に無理だよ…

シャオロン

だいじょーぶ!

シャオロン

ほら、行くぞ!

ロボロ

えぇ…!?

俺はロボロの手を引いた

しんぺい神

おかしい……

僕が晴らしたのに、なぜか小雨が降り続ける

しんぺい神

どうして…?

しんぺい神

まさか、ロボロ……?

怖くなった僕は、すぐさまロボロのところへ戻った

ロボロ

ちょっと…!

シャオロン

ほら!見てみここ!!

ロボロ

ぇ…

そこには街を一望できるところだった

日が沈みかけており、それがまた幻想的で

小雨だろうが、晴れだろうが、今はそんな天気すらどうでもよかった

ただ、今それが素敵な景色、と言うことに変わりはなかったから

シャオロン

ww俺の秘密の場所!

シャオロン

ロボロに初めて見せたなあ!

ロボロ

え、俺に…?

シャオロン

ロボロ、親見つかったら帰るやろ?

シャオロン

やから、見せておこうかなーって…

シャオロンは一つ一つ丁寧に言葉を言う

シャオロン

俺、友達いないんよね

シャオロン

だから欲しくって

シャオロン

お前が年下だろうが、天気のウンタラカンタラだろうが、

シャオロン

友達、なれるかな…?

ロボロ

………!

雲の上で、しんぺいしか知らなかった俺に、

下の世界に住む、シャオロンは友達という言葉をくれた

ロボロ

なれるよ、きっと

シャオロン

……!

シャオロン

だよな!

シャオロン

変なこと、聞いてすまんかった

ロボロ

いいよ、別に

ロボロ

聞いてくれて、嬉しかった

シャオロン

……ww

???

あ、見つけた!!

ロボロ

…?

シャオロン

え…?

ロボロ

あ、しんぺ…い……

しんぺい神

よかった!

しんぺい神

まさか、下の世界に落ちていたなんて……

シャオロン

え…?

シャオロン

この人がしんぺいさん?

シャオロン

あ、よかったやん!

ロボロ

うん…!

しんぺい神

ほら、早く戻ろ!

しんぺいが俺の手を繋ぐ

ロボロ

あ、シャオロン……

シャオロン

ロ、ボロ…!

シャオロンに手を繋がれた

しんぺい神

え、ぇ…?

ロボロ

どう、して…?

シャオロン

…別れるんやろ

シャオロン

…………

シャオロンは苦しそうに笑う

シャオロン

さよなら、ロボロ…!

そういうと俺の手を離した

ロボロ

あ、さよ、な……

しんぺい神

ほら、行くよ…!

次の瞬間体が宙に浮かんだ

夕暮れの中、ただ1人

また、1人

シャオロン

……違う

シャオロン

またやない、今

シャオロン

友達できたやん…

シャオロン

はあぁ、もう少しおりたかったなあ…!

シャオロン

1人じゃない、ってこと否定して欲しかったから…

俺の眼に映る、さっき2人で見ていた光景

それが今は、とっても眩しかった

シャオロン

…ううん

シャオロン

これで、よかったやん

シャオロン

…空の上の友達ができてw

ロボロ

しんぺい、ありがとう!

俺は、しんぺいに抱きついた

しんぺい神

ごめんね、すぐ迎えに行けなくて…

ロボロ

ううん、いいよ!

ロボロ

シャロンに会えたから!

自然と笑みがこぼれる

すると、さっきまでの小雨が晴れに変わっていく

しんぺい神

あ、れ…僕何もしてないのに……

ロボロ

え…?

しんぺい神

ロボロ、もしかして…?

ロボロ

俺が、やったの…?

俺が、晴れに変えた?

ロボロ

え、やったあああ!

ロボロ

晴れだ!

ロボロ

晴れた!!

しんぺい神

おぉ、すごいじゃん!

ロボロ

うん…!

ロボロ

(シャオロンもしたからを見てくれてるのかな…)

さよならが言えなかったんだ、最後まで

でも、彼のおかげで少し気が楽になった

もしかしたらこの晴れも彼と俺の力なのかも、しれない

END

この作品はいかがでしたか?

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コメント

6

ユーザー

_( _´ω`)_ツライム けど背景とか素敵ですね! 次回作も期待してまする

ユーザー

ぴ→かたまるのはつらいむ〜ありがとう!

ユーザー

やりずらいですよね(( 私の機種が重いからかすぐかたまるんたですよね〜← あ、でもいつも通り最高でした()

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