友達
俺
毎日同じことの繰り返し。
それもいい気がする。
生きてみようと思う。
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すごすご(*´ `*)
友達と別れてから俺はひとりの帰り道だ。
夏休みの終盤。
もうすぐ学校か、と憂鬱になる。
生き残ったセミは強く鳴く。
つい2週間前にはうるさかったセミの声はあまり聞こえなくなった。
ただ、蒸し暑い残暑の夕方。
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もうすぐ家だ。
この曲がり角を曲がってさらに右に曲がると家に着く。
最初の曲がり角を、曲がる。
曲がると目の前に同い年くらいの女子がいた。
俺
俺
俺
その女、いや少女は俺を見つめる。
なんだなんだ。
少し気味が悪い。
俺は目を逸らした。
そしてそのまま通り過ぎて帰ろうとした。
俺は少女の横を通り過ぎる。
その瞬間。
パシッ
俺
俺
少女は俺の手首を掴んだ。
同じくらいの背の少女。
俺だってもう中学生だ。
これから大きくなる。
そんなことを考えていたら手首を強く掴まれた。
俺
少女
少女
少女
少女は俺をまじまじと見た。
少女
少女は俺の肩を掴んだ。
力が強い。
俺は男だから痛くないけど(本当は少し痛い)女にしては強い。
俺
少女
少女
俺の言葉は無視をして
同じような言葉を繰り返す。
俺は凄く気味が悪くなってきて。
少女の手を振り払った。
俺
もしやこいつ、幽霊なんじゃ?
昨日心霊番組を見た俺はそう思えてきた。
怖くなって俺は家まで全力疾走した。
少女は追いかけてこなかった。
俺
俺
俺は急いで家に帰った。
俺
昨日強がって 「幽霊なんているわけない」 とかほざいてたけど
今ならその言葉断言撤回できる!!
しっかりいるじゃねぇか!!!!
俺
少女
俺
俺
俺
俺
目の前にさっきの少女がいた。
少女はにこりと不気味な笑みを浮かべる。
だいたい、幽霊じゃなかったら勝手に人の家に入らないだろう。
しかも生憎家族は留守である。
人生の終わりを感じたもんだ。
少女
少女
また、不気味な笑みを浮かべる。
それをやめてほしい。
ゾッとする。
俺
少女
俺
俺
少女
俺
俺
俺
俺
普通に返事をしてしまった。
何を言ってるんだコイツは。
やっぱりヤバいやつだ。
少女
少女
二十年後…。
その時は俺はもう34ぐらいだ。 いいおっさんだ。
少女
少しずつやばい少女に慣れてきた
と、思ったが
次の少女の言葉ですぐに撤回された。
俺
少女
少女
俺
俺
俺を…殺しに……きた?
少し頭が回らない。
でも分かった。
こいつは危険だ。
このままじゃ殺される。
俺
俺は外に出ようとした。
少女
少女
少女
俺はピタッと止まった。
俺が逃げれば、罪のない俺だけじゃない。
罪のないみんなだって殺される。
俺は恐怖に耐えた。
俺は男だ。
こんなやつなんかに負けない。
俺は勇気を振り絞って少女の方をもう一度見た。
少女
少女
少女は笑顔になった。
さっきまでの不気味な笑みじゃない。
ちゃんとした少女の笑みだ。
俺は頬が紅潮した。
いやいや、何を照れてるんだ俺は。
俺はこれから殺されるんだぞ。
少女
俺
俺
少女
少女
俺
少女はそう言って家を出た。
俺はなんとか今日は生きれるそうだ。
そう思うと安心したのか腰が抜けた。
それから家族が帰ってきたが、何も言わなかった。
いや、違う。
何も言えなかった。
死ぬのは俺だけでいい。
俺は俺なりに覚悟をした。
翌日になった。
俺は眠れるはずがなかった。
もしかすると寝ている間に殺されるかもしれない。
そう思うと目はギランギランに空いた。
俺
俺
俺は友達の家に行くために外を出た。
いつもの道を歩く。
この踏切を渡れば友達の家だ。
運悪く、電車が通る。
カンカンカンカンと仕切りが降りてくる。
電車が見えてきた。
その瞬間
少女
少女
俺
昨日の少女の声がした。
俺は後ろを振り返った。
いた。
少女だ。
少女は不気味な笑みを浮かべた瞬間
ドンッ
俺
俺
俺を踏切へと突き飛ばす。
電車が向かってくる。
俺
俺
死ぬっ……!!!!
俺は踏切へと飛ばされて…
俺
俺
運良く、仕切りに体が当たって少女の方へ跳ね返された。
男の人
サラリーマンの人が俺に駆け寄る。
俺
目の前で電車が通り過ぎる。
踏切の仕切りが上がる。
俺
俺
俺
男の人
男の人
男の人
男の人
男の人は俺の肩を掴んだ。
俺
俺
違う
俺は…突き飛ばされたんだ。
俺は後ろを振り向く。
俺
もう少女はいなかった。
少女
少女の声が聞こえただけだった。
俺は夜になっても考えた。
俺は助かった…。
…運が良かっただけだ……。
なんで、未来人が俺を…?
結局答えは出なかった。
踏切から少女は見なくなった。
次の日も少女は見なかった。
その次の日も少女は現れなかった。
もしかして…俺の幻覚だった、か?
そう信じるようになった。
だけれど
4日後また、現れた。
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それは
俺達が海水浴に行ってる時だった。
友達
俺
俺は1人で海で泳いでいた。
友達のかき氷を待っていた。
友達がかき氷を買い終わってお釣りを渡されてるのを見て
俺は海から上がろうとした。
その瞬間
少女
少女
少女が目の前に現れた
俺
俺
少女は俺を押し倒した。
俺
俺は水の中。
少女が押さえつけて空気が吸えない。
俺
俺
少女と水の中で目が合う。
少女は水の中でも笑った。
不気味に笑った。
俺
俺
俺は最大限に少女に抵抗した。
少女
少女も力を入れた。
力なら男の方が強い!!!!!
俺は少女の首を掴んだ。
少女
少女の力が緩まった。
苦しそうな顔をする少女を足で跳ね返した。
少しやりすぎた、と思うが仕方がない。
俺は空気を吸った。
俺
俺
俺
はぁはぁと息を整える。
…また助かった。
周りは海水浴を楽しんでる普通の景色だった。
少女はいなかった。
遠くに少女らしき人をみかけたが
すぐにいなくなったので幻覚だろう。
俺は急いで海へ出た。
友達が普通にかき氷をくれた。
俺は寒かったのか分からないが
酷く震えた。
次は部屋に現れた。
俺
少女
少女
俺
そう言うと少女は目をカッと見開いた。
そして俺に飛びかかってくる。
そして首を締めてきた。
俺
少女
少女
少女
俺
やばいっ…今度こそ殺される…!!!!!
くそっ…!!!!!
俺はそこにあった辞書で少女を殴った。
少女
少女
右目にヒットしたらしい。
俺をすぐさま離し、自分の右目を抑える。
俺
少女
またしてもやりすぎだと思った。
同い年か、年下の女子にこんなことをするなんて。
少女
少女
少女
少女
俺
俺
その瞬間
この少女が俺を殺そうとする理由がわかった。
分かったぞ。
きっと未来で俺は
この少女の大切な人を殺したんだ。
きっとそうだ。
その憎しみが過去の俺に届いたんだ。
だから…こんなに……。
俺は悲しくなった。
凄く心が苦しくなった。
俺は未来では人を殺しているんだ、と。
少女は目から血を流しながら言い放った。
少女
少女
そう言って、消えた。
俺はベッドに倒れ込んだ。
そしてそのまま
少女が現れないまま
夏休みの最終日になった。
俺は終わらした宿題をカバンに詰めていた。
そして家で1人、テレビを見ていた。
その瞬間
ガサッ…カタカタ
台所から物音がした。
俺
その瞬間
少女
少女が包丁を持って俺に飛びかかってきた。
俺は反射的に全身で少女を抵抗した。
ナイフが鼻に当たる。
少女
少女
少女
俺は少女をテレビへ投げた。
少女
テレビが少女の方へと倒れる。
少女はテレビを受け止めてテレビを俺へと投げる。
俺
少女
少女は俺に飛びかかる。
俺は逃げる。
俺の頬が切れる。
俺の頬から赤い液体が溢れてくる。
少女
少女
少女
少女はまた俺に飛びかかる。
もう家はグチャグチャだ。
俺
俺
そう言うと少女は悲しそうな目でこちらを見た。
少女
少女
少女
何故だ。
そんなに失いたくない人なのか。
そんな人を俺は殺すのか??
それけで背中がゾッとする。
少女
少女
俺
少女
少女
少女
少女
少女は俺に包丁を向けた。
俺は少女を見た。
少女は俺を見た。
少女の目からは涙が溢れ出していた。
どんな気持ちなんだろう。
大切な人を失って
きっと絶望するだろうな。
生きる価値もなくなるだろう。
俺を酷く恨むだろう。
未来では何があったのだろう。
でもそれは所詮
他人事
他人事だ。
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俺
謝って何がある。
何が起きる?
少女は許すか?
いや、許さないだろう。
あぁ。
何故俺は謝る?
こんなこと、分かっているのに。
この少女は
大切な人を守りに来たんだ。
守り抜いてみせると
そんな顔をしている。
俺は罪のない人が死ぬのは嫌だ。
結局俺は罪があるのか。
そんなのじゃあ
俺が死ぬんだ。
俺
俺
少女
少女
俺
俺
俺
少女
少女はしゃがみこんだ。
そして包丁を持った手で顔を覆った。
何故泣く?
少女
少女
少女
少女
俺
俺
少女
少女
少女は俺を見た。
少女の顔は涙でグチャグチャだ。
俺
少女
少女は包丁を落とした。
少女はもう
俺を殺さない。
少女
少女
少女
少女
少女
俺
俺
少女
少女
落ち着いた少女が話始めた。
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
俺
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
少女
俺
俺
少女
少女
さっきの強い、守りたいという目は
俺を守りたい、という意味…だったの、か?
少女
少女
俺
全然他人事じゃなかった。
この少女は
俺のために罪ある人間になろうとした。
俺のために殺人者になろうとした。
きっと
少女の大切な人は
二十年後の俺なんだ。
俺なんだ。
俺
俺
俺は少女を、抱きしめた。
少女はおれを抱き締め返した。
少女
嗚咽が入る。
俺は少女から離れて
自分を刺そうとした包丁を片付けた。
少女
俺
俺
俺
俺
俺
俺
少女は泣き止まない。
俺を見つめて泣く。
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
少女
少女
少女は笑った。
少女
少女
少女は笑った。
少女は
笑った。
俺も笑った。
未来は怖い。
けれど
生きてみようと思う。
死ぬ時は死んでみようと思う。
けれど
俺は今は
生きてみようと思う。
少女
俺
少女の体が光った。
少女
少女
俺
俺
少女
俺
少女
少女
少女
少女
俺
俺
俺
少女
少女
少女
俺
俺
少女
少女
少女
少女
俺
俺
少女は消えた。
少女は未来へ帰った。
あの少女は
俺の──────
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俺
俺の娘だ。
友達
俺
友達
友達
俺
俺は忘れない。
二十年後待っている。
それまで
これからも
全力で
俺は
生きてみようと思う。
最後までありがとうございました。
黒腹みかげちゃんの #タイムコンテスト に参加させていただきました。
#未来 での応募です。
いい結果が聞けますように♡
とても楽しかったです!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
♡、共有、コメント、フォローよろしくお願いします。
#クレイジーはっぴー #すごすご での検索お願いします。
それでは
さよなら すごすご(*´ `*)
生きてみようと思う。
完
コメント
20件
みかげちゃん! こちらこそ!!! 久しぶりのコンテストで楽しすぎたw 流石っす!!
猫又さん!ありがとうございます!! 確かに…その時どうなってるか…気になりますよね…( ˙꒳˙ )
うぉぉぉお! なにこれぇぇー!! 天才すぎんか! 参加ありがとうぅ〜!