時は2205年。 歴史の改変を目論む歴史修正主義者は時間遡行軍を各時代に送り出し、正史を書き換え、偽史を作り上げていた。
それに対抗すべく、時の政府は“審神者”なるものを各地へと送った。 審神者は刀剣の付喪神である“刀剣男士”のいる本丸を率いて歴史改変を阻止することを任務とし、日々奮闘していた。
時の政府対歴史修正主義者の戦が始まってから10年の月日が経過した今も尚、各地で歴史を守る為多くの審神者と刀剣男士達が血や汗を流し、戦っている。
戦は2205年だけで起こっているものではない。
街中をぶらりと歩けば、人知れず歴史を守り続ける審神者の姿がある。
彼/彼女らは完全に日常に溶け込んでいるため気付かないのも当然だが
言わずと知れた大企業にも
きらびやかな夜の街にも
ありふれた住宅地にも
─────そして、学校にさえも存在する。
ーーーーー!ーーー?
ーーー!!
放課後の校門
部活に所属していない生徒は皆通学カバンを持ち、部活に所属している生徒は道具を運んでいる
様々な話の飛び交う午後4時半、彼女は誰にも関わらず、いつも通り校門へと向かっていた
弓羽
弓羽
どうしよう、と手元のスマホに小さな声で呟くと、画面の中から彼女の本丸の近侍──日向正宗が返した
日向正宗
日向正宗
弓羽
日向正宗
弓羽
ぶつぶつと小言を呟いているうちに、校門までの長い道も終わりに近づいてきた
ようやく帰れる、そう思うと足取りがより一層軽やかになる
しかし、世界はそんなに優しくなかった
ねえ、なんか音聞こえない?
え?全然聞こえないんだけど
は?耳鼻科行けよもう あっ、ほら、でかくなった
なんか音近づいてねーか?
つい先程までいつも通りだった校内がざわつく
弓羽も流石に気になってしまい、足を止めて耳を澄ませた
佐藤裕太
鈴木正則
鈴木正則
鈴木正則
地学と生物ヲタクのクラスメイトは友人の手を引き、屋上へと駆け上がろうとした
しかし、その友人は屋上を見つめ、口をあけたまま動かなかった
鈴木正則
佐藤裕太
屋上にバケモンがいる!!
その一言で皆が一斉に顔を上げ、屋上に目をやった
弓羽も屋上に目をやると、そこには禍々しいオーラを纏った人間ではないナニかが闊歩していた
生徒達の声に気付いたのか、そのナニかは下を見下ろした
弓羽
その顔には見覚えがあった
鋭い眼差し、禍々しい気配、鍛え上げられた常人離れした筋肉
まさに“時間遡行軍”そのものであった
キャーー!!
逃げろ!
鈴木正則
佐藤裕太
悲鳴と叫び声が入り混じる中、生徒達は必死に校門へと走る
しかし、悲劇はおきた
生徒達
弓羽
時間遡行軍により校門にはバリアが張られてしまい、外には出られなくなってしまった
いくら殴っても蹴っても決して出られることはなかった
弓羽
学校や地域を守るためにも時間遡行軍と戦わねばならないが、タイミングが悪かった
審神者であることがバレてはいけないが、彼女は審神者が故戦うしかない
どうすれば良いか分からずその場で立ち止まっていると、聞き慣れた声がした
田代美咲
弓羽
弓羽は通りすがりのクラスメイトに手を掴まれ、成されるがままに校庭へと連れて行かれた
コメント
2件
なんかよくわかんないけどヤバいってことは分かった(滝汗) 皆逃げて全力で逃げて