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やっとみつけたー!!!!!!✨ ノベル版じゃなくて、こっちだったか!!! 探した甲斐があったー!とりあえず、「君と夏」の方では見つけられて満足!! でもまさか、そんな最初の方に登場して居る上に、紅くんと朔くんと同じ小学校とは、、、 あれ?でももし、マリーちゃんが紅くんのことをまだ好きだったら、藤花ちゃんヤバいのでは!? 恋のライバル出来ちゃう!?
作者のゆゆです。読んでくださりありがとうございます。今回も豆知識です。紅は怒らせちゃいけないタイプですが、怒る前に呆れや諦めが先にくることが意外とあるそうです。
小6の時
紅の性格がよく出た出来事があった
俺
俺にとっても忘れられない事件だった
思春期に入り始めた俺らは身体の変化だの恋愛だのに夢中になって、大人ぶっていた
俺
勿論、女子の方が盛んだった。だけど、この時期の男子にしては本当に盛り上がってたと思う
俺
俺
ある日の放課後のことだった
俺
紅
俺
紅は男子からハーフで金髪が可愛いと評判の女子に、告白された
俺
紅
呼び出した子
紅
呼び出した子
呼び出した子
紅
呼び出した子
そう言うとその子は俯いた。そして…
呼び出した子
紅
告白してきた子は、そのまま走り去ってしまった
紅
俺
俺
紅
俺
紅
俺
これだけだったら、ただ紅のモテエピソードを語っているだけで終わったが問題はここからだった
告白してきた女子はクラスの中心にいる奴の好きな人であったのだ
俺
力で物言わせている奴であり、紅が告白され、振ったことを知ったそいつは紅に嫌がらせをした
紅
俺
俺
紅
俺
俺
紅
俺
紅
俺
紅
俺
俺
紅は気にしている素振りを全く見せなかった
俺
俺
俺は紅の様子を見てまだ大丈夫だと思っていた。
紅
俺
紅
毎日のように行われる嫌がらせに紅の心が擦り減っているとも知らずに。
紅
俺
紅は前より喋らなくなってしまった
俺
俺
俺はその場から離れた
俺
俺は何もしなかった。紅のSOSに気づいてやれなかった。何かすれば変わったかもしれないのに
それは突然だった。紅が嫌がらせをしてきたあいつを急にぶん殴ったのだ
俺
俺
とても鈍い、嫌な音が聴こえて、振り返ってみると、あいつが頬を押さえ、尻餅をついていた
俺
次に聴こえてきたのは煩い悲鳴だった。大方、現場を見ていたクラスメイトの女子のものだろう
俺
俺
その場は悍ましい程、静かになった。さっきの悲鳴が嘘のようであった
紅
俺
昼休みはそのまま終わった。先生が教室に来るなり、あいつは半泣きで先生に何か言い始めた
俺
俺
脳みそが整理出来ないまま、あいつと紅は先生と一緒に教室を出ていった。残された俺達は自習になった
俺
俺
少しすると話し声が聞こえ始めた。事件の詳細や紅、あいつの事を話している人だ
吉田
中田
吉田
中田
中田
吉田
中田
吉田
近くで聞こえたそんな声に俺はいつの間にか苛ついていた。何に苛ついるのか分からなかった
俺
俺
6時間目になり、紅とあいつは戻ってきた。どちらも目に涙が浮かんでいた
俺
俺
心配だった。紅があんな行動をするのを俺は今日始めて見た。嫌なものが俺の胸を蠢いていた
俺達は一言も喋らずに雨降花の咲く道を帰り始めた
俺
俯きながら歩く紅に声をかけようとしても中々、出来なかった
雰囲気が全く違った。優しくて、真面目な紅が何処かへ行ってしまったようだった
俺
このままじゃ、何かが駄目だと思った。俺は勇気を振り絞り何とか紅に声をかけた
俺
紅
俺
紅が悪いだなんておかしい。嫌がらせをしたあいつの自業自得だ
俺
紅
紅
俺
込み上がる感情のままに俺は謝った。謝ることしか出来なかった
何も気付けなかった自分があまりにも不甲斐なかった
紅
諦めるように言う紅に、俺は思いの丈全てをぶつけた。怒りなのか悲しみなのか分からなくなるくらいに
俺
俺
紅
感情をそのまま、支離滅裂だろうが関係なく俺は言い続けた
俺
俺
紅
紅が咄嗟に否定したが、その時の俺はあいつを罰したい気持ちでいっぱいだった
そして、自分を責めないでほしかった
俺
俺
顔をぐちゃぐちゃにしながら俺は言った。昼休みから蠢いていた感情が言葉として、涙として出てきた
紅
紅
気づいたら、紅の顔も涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた
多分、あいつをぶん殴っても無くなら無かった負の感情が一気に出たのだろう
俺
俺
俺達はひとしきり泣いた後、それぞれの家に向かって帰っていった
紅
俺
紅
俺
その後、俺やその時現場にいた奴らも先生が当時の状況を知るために少し呼び出された
ハッキリとあいつの悪行を覚えている限り話した
俺
俺達はとてつもなく必死だった。だからだろうか
余りにも強烈なこの出来事は、どちらもこの事件の前後の事は全く覚えていないくらいである
俺
紅はネガティブな感情でいっぱいになると諦めたり、一人で抱え込んだりする
そして自分の事を疎かにして卑下してしまう
俺
俺は紅がまたこんな状態にならないようにする。なったら絶対に止める。俺はひっそり心に誓った。
俺
俺は、ため息をつきながら雨の止まない外をチラリと見てみる
俺
そこには、あの時の帰り道と同じぼんやりとした桃色の雨降花が咲き乱れていた