あの子

朝起きると

そんな留守電だけが

のこされていた

とっさのことで私は

そんな一言だけを放ち

支度をし家を出た

外を歩いている時。

空を見上げている時

ずっと

留守電の声が

頭の中でリピートされていた

そんな事を考えながら私は

歩き続けた。

そこはいつも

“あの子”と遊んでいた公園

けれどもう。

二度と会えない…

私の目からは

涙がこぼれた

ふと、その時留守電の声を 思い出した

私はずっとそんな事を 考えながら

“あの子”と

遊んでいた場所。

喧嘩した場所。

“あの子”と一緒にいた所

全てまわった…

そして“あの子”の声を思い出した

私の分まであなたは

“生きて”

私は人が少ない所に

“ナイフ”だけをもって

そして私は自分の首を

右上から左下へ

切って

その一言だけ言い

死んだ

そう。

電話は“あの子”からだったんだ

そして、私は“あの子”と同じ

死に方で死んだ