テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
🌸くんかっこいい✨️
らんらん怖い… けど、ちゃんと愛が伝わってくる…!!
主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
主
主
主
第108話『拒絶は、命令より重い』
部屋の空気が、変わっていた。
音が消えたわけじゃない。
時計は進んでいるし、廊下の向こうでは誰かの足音もする。
それなのに――らんの部屋だけが、切り離されたみたいだった。
らんは、影から目を逸らさなかった。
視線は、床に落ちた“それ”に縫い留められている。
腕が、ない。
あるはずの形が、欠けている。
それを“見てしまった”という事実が、ゆっくりと胸の奥に沈んでいく。
らん
最初に息を吸ったのは、らんだった。
深く。
肺の奥まで。
そして、少しだけ笑う。
でもその笑みは、どこにも向いていない。
らん
声は、穏やかだった。
怒鳴っていない。
責めてもいない。
ただ、落ち着きすぎていて――いるまが、一瞬だけ身構える。
らん
影の輪郭が、わずかに揺れる。
らん
らん
らん
らんの視線が、影に戻る。
らん
小さく、首を振った。
らん
断定だった。
らん
一拍。
らん
もう一拍。
らん
ゆっくり、言葉を区切る。
らん
声は低い。
でも、はっきりしていた。
初めてだった。
らんが、影の“行為”そのものを否定したのは。
影は、反射的に言ってしまう。
らんの影
その一言。
今までは、正解だった。
どんな時も、それで通ってきた。
でも。
らんの表情が、変わる。
怒り――ではある。
けれど、爆発じゃない。
理解してしまった人間の顔だった。
らん
低く、呟く。
らん
影は、はっとする。
けれど、もう引き返せない。
らん
らんは続ける。
らん
答えを求めていない問い。
らん
影は、言葉を失う。
正しいはずだった。
間違っていないはずだった。
でも――主の目が、否定している。
らん
らんは、はっきりと言った。
らん
空気が、凍る。
影が、一瞬、動きを止める。
らんの影
その呼び方。
それ自体が、決定打だった。
らんは、首を横に振る。
らん
声は、静かだった。
でも、もう迷いはない。
らん
影の輪郭が、ぐらりと歪む。
らん
らんは続ける。
らん
一歩、距離を取る。
それは、拒絶だった。
らん
影を、真正面から見据える。
らん
命令じゃない。
拒否だ。
選択を、奪われることへの拒絶。
影は、動けなくなった。
命令されていない。
でも、拒まれている。
主が、主であることをやめた。
――従う理由が、消えた。
存在の核が、宙に浮く。
守るために存在してきた。
主の意思を最優先してきた。
なのに。
その“主”が、その立場を否定した。
らんの影
影の欠損が、じわじわと広がる。
輪郭が、安定しない。
形を保てない。
それでも、消えない。
らんは、それを見て――初めて、声を弱めた。
らん
影が、ぴくりと反応する。
らん
静かな、本音。
らん
その言葉で、影は理解してしまった。
これは拒絶だ。
でも――愛でもある。
守るな、と言われたわけじゃない。
消えろ、とも言われていない。
ただ。
奪うなと、言われただけだ。
それが、どれほど重いか。
影は、初めて知った。
沈黙が、部屋を満たす。
らんは、疲れたようにベッドに腰を下ろした。
いるまは、何も言えないまま、立っていた。
床に落ちる影は、欠けたまま、歪んだまま、それでも、確かにそこにある。
主従は、壊れた。
でも――まだ、終わっていない。
この拒絶が、救いになるか、破滅になるか。
それを決めるのは――もう、影ではなかった。
第108話・了
主
主
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡360
主
主