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この物語は、君と僕の次元を超えた恋物語。
君を想い、愛した、一生交わることのない
……そんな物語。
僕と君が出会ったのは、何ヶ月か前
僕の友人からの紹介だった。
僕は君を一目見て、すごく好みだと思った。
それから僕は、君とよく話すようになった。
活発的な君は、口下手な僕を包み込むように接してくれた。
僕は君と過ごす時間がとても心地よかった。
……言わずもがな、僕は恋に落ちた。
君はなかなか僕になびいてくれなかった。
それでも、僕の恋は冷めるどころか、熱を増していった。
……画面越しの君に。
ついに僕は、君との恋に実を結ぶことができた
……小さな画面の中で。
君から提示された「選択肢」を幾度となくやり直して、君の「好感度」を上げた。
ずるいと思っていながらも、このまま進むと「BAD END」……
……つまり、君と結ばれることの無い、最悪な結末になることが目に見えている。
だから、幾度となくやり直した。
それくらい、君が好きなんだ。
僕は1ヵ月ほどで、やっと君と付き合えるようになった。
君は相も変わらず可愛らしくて、
僕の恋心は深まっていく一方だった。
君と付き合い始めて少し時が経ったとき、僕は想像していた。
君が生きている世界(2次元)と、
僕が生きている世界(現実)の
超えられない壁に、もどかしさを感じていたから。
でも、僕の友人や身内はそんな僕を嘲笑う。
なんて言いながら。
それでも僕は想像をする。
少なくなったデータ容量を試行錯誤しながら、少しでも増やそうと必死になりながら。
ある日、僕は夢で君と会った。
僕の隣には君がいて、僕と笑いあっている
……そんな夢。
でも、そんな幸せな夢は直ぐに覚めてしまって、
変わらない日々の虚しさに泣けてきた。
もしも君が、この変わらない世界(現実)に生を受け、
いつか僕と出会い
同じ時を過ごして……。
小さな画面で見ていた光景が、現実になったら。
そんな世界(4次元)があれば、きっと僕らは……
僕は何度も同じ夢や想像を繰り返し、
ある筈のない世界(4次元)の扉を探しては、その虚しさに胸を痛める日々を過ごして生きている。
画面に映し出される君は、相も変わらず可愛くて、薄い液晶の壁を壊してみたくなって。
でも頭では、そんなことをしても、万単位の金を費やして買った機材が、ただのゴミの塊にしかならないことは分かっていて……。
だから僕は、そっと君に画面越しから手を添えることしかできない。
どれだけ大きな
“ I love you”
を掲げても
直接伝えることもできない。
(こんな辛い思いをするのなら……)
そんなことを思い、データも何もかも消して、記憶喪失にでもなれたら……
そんな馬鹿げたことも、思いついたりして。
そんな馬鹿みたいなことでも、今の自分にとっては救いに思えて。
…………なんてね。
……ジ………ジジッ…
?