テラーノベル
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ぬし
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朝焼けが、灰色の空にゆっくりと広がっている。いつもなら鮮やかな橙色やピンク色に染まるはずの空が、ぼんやりとした薄墨色に沈んでいる。目覚めてすぐに、枕元にあるはずの小さな鉢植えに目をやった。昨日まで生き生きとしていたはずの緑の葉は、乾いた砂のようにざらつき、色あせている。
パクパクモグモグ
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昨日まで当たり前のようにそこにいた君が、忽然と消えてしまった。
君が教えてくれた花の美しさ、君が笑ったときの街の色、君がくれた温かい言葉が、すべて色を失ってしまった。
世界は、君がいないという事実を突きつけるかのように、ただ静かに、私の存在を拒んでいた。
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